対立する意見 [雑]

ミルのような「ザ」が付いてしまうほどの古典について何か書くというのは、やはりむずかしい。こちらが思いつきでいい加減に考えたことなど、とうの昔にそれなりの問題意識を持った人により精緻に考えられてしまっている。

しかもミルの場合、その考えがおおむね明晰に述べられているので（じゃっかん英語は分かりにくいけど）、文献解釈上の問題点というのもあまりなく、「読めば分かる」といったたぐいのものだから、また質が悪い（あるいは、いい）。

ただ、だからといって、ミルの出した論点がすべて「ま、そだよね」とみんなから認められているかというと、実情はそれにはほど遠く、個々の論点に関していちいち対立する陣営に分かれていたりする（ミルの功利主義は行為的なものなのかあるいは規則的なものなのか、そもそも、ミルの言う功利主義は認められうるものなのか云々）。

だから、そういう意味では「議論の俎上に乗せやすい」とは言いうるのだけど、でも、前述のとおり、そういう論点に関してほぼ議論は尽くされた観があり、となると、真正面からそういうところに突っ込んでいっても仕方がないな、とも思われる。

ではどうするか？　それをこれから考える。