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じっさいのところ、けっこう「カント読み」にはうんざりしかけてるんですが、それというのも、さっき書いたような内容的な「読みがたさ」、つまりはそこで展開されている議論の納得しがたさに加えて、カントくんはその文章自体が端的に「読みがたい」んですよ。まあ、次の文章を見てください。
Man darf nur die Versuche über die Sittlichkeit in jenem beliebten Geschmacke ansehen, so wird man bald die besondere Bestimmung der menschlichen Natur (mitunter aber auch die Idee von einer vernünftigen Natur überhaupt), bald Vollkommenheit, bald Glückseligkeit, hier moralisches Gefühl, dort Gottesfurcht, von diesem etwas, von jenem auch etwas in wunderbarem Gemische antreffen, ohne dass man sich einfallen lässt zu fragen, ob auch überall in der Kenntnis der menschlichen Natur (die wir doch nur von der Erfahrung herhaben können) die Prinzipien der Sittlichkeit zu suchen seien, und, wenn dieses nicht ist, wenn die letztere völlig a priori, frei von allem Empirischen, schlechterdings in reinen Vernunftbegriffen und nirgends anders auch nicht dem mindesten Teile nach anzutreffen sind, den Anschlag zu fassen, diese Untersuchung als reine praktische Weltweisheit, oder (wenn man einen verschrieenen Namen nennen darf) als Metaphysik der Sitten lieber ganz abzusondern, sie für sich allein zu ihrer ganzen Vollständigkeit zu bringen und das Publikum, das Popularität verlangt, bis zum Ausgange dieses Unternehmens zu vertrösten.
いや、べつにドイツ語なんて分かんなくてもかまわないんです。ポイントは、これが一文であるということで、それだけで「いかにカントが読みがたいか」の一斑が分かっていただけると思います。まあ、長くても読みやすければべつにいいんですが、カントくんの場合、関係代名詞やら何やらで補足説明を主文と主文のあいだにぶちこむので、主文のつながりを分断させがちで、ゆえに、「主流」を追うのに相当苦労します。本人としては、そういう「ぶちこみ」は、あたうかぎり読解の幅をせばめる、つまりは誤読の余地を少なくする方途としてやってるんでしょうが、結果的に「誤読」どころか、そもそもの読解に支障をきたしているような気がします。みなさんも文章を書くときには、一文にごてごてといろいろ突っ込まず、できるだけ短文の積み重ねで書くようにしましょう。って、おれはけっこう一文にごてごて詰め込みがちなんですが。
(というのは、○○は○○であるがゆえに○○だから)
とか急にはいってきたりするわけで、何をそんなに恐れているのかとうんざりはします。しかしながら、哲学という、ともすれば一言で済ませてしまう人すら居る領域の中で、これほど大量の情報の海に分解し、構成しなおすエネルギーには、ほとほと頭が下がります。
確かに、「こてこて文」書きである私のちょうど正反対で、宮本さんのその短文書き ぶりはあまりにも有名です。しかし、長谷部さんは宮本さんのようないわゆる 短文書きの人 という意味では一切おっしゃってはいないでしょう。
もし仮に、宮本さんに「てつがく というものは、おれには、ぜんぜん、わかーーんない」というご自覚でもあり、「詳細を丹念に検討することもなく」、わざと、適当に全称化することにより発言全体を「一言で誤魔化しにかかっている」という確信犯としてのご認識がご自身におありだとします。ならば、それはそれで、長谷部さんの書かれた内容は意図せずとも、結果して宮本さんを指してしまっている可能性は否定できません。
然しながら、恐らく宮本さんの場合、確信犯として常々意図して誤魔化しにかかっているとも思えません。むしろ「詳細を丹念に検討すること」が出来ないゆえに、意思や意図が頭の中でイメージとして渦巻いしまっている結果、一言にしか言語変換できないというのが事実かと理解しています。ですから最近では宮本さんのことを以前よりかなり好意的に受け止めています。
確かに、宮本さんのコメントにレスをつけるのは大変だし、僕のところに書かれると、ほんと、どうレスをつけようかと途方にくれると思います。
多分、私には、その根気と能力に欠けるので、レスを礼儀として書こうとしても、その大半について、スルーするか鹿十するしかないだろうと思います。
とはいえ、以上のような理由でもって宮本さんの発言には、そんなに目くじら立てることもないことなのだと最近では理解した次第です。
そんでも、レスつけるのはほんと大変だろうなあとは思います。はやしさんの根気には、敬服する次第です。
G. zur M. der Sittenは読み易いという噂を聞いた事があるんですが??
引用箇所も、ドイツ語の悪名高い所謂「枠構造」等の為に難解なのではなく、挿入句や並列構造で単調に長くなっているだけの気がします。
カントの専門家でもなく、論文書きのために絶対読まねば、という立場にある訳でもない者のいうことですが、文の長さに気おされない様、深呼吸でもして複数回読み直しては如何でしょうか?(ドイツ語は、ロシア語や日本語と違って格変化やテニオハが貧弱なので、長文になると、いきおい「読み返し」の頻度が増す気がします)
なお、議論の展開についての納得し難さ、という点に関しては全く同感です。
御健闘をお祈りします。
で、何かべつのラインで盛り上がってる(のか?)「哲学という、ともすれば一言で済ませてしまう人すら居る領域」という部分だけど、そうかな? おれはさしてそういう事例が思いうかばないんだけど(ぎゃくに、「シンプルに言いうることはシンプルに言おうよ!」という事例はそれなりに思いうかぶ)、それはそもそも「哲学」という営みを誤解してるか、さもなくばそれを疎ましがってるという、そういう人なんじゃないかな。ともあれ、カントはその文章はさておき、あるひとつの事柄を掘り下げ、そしてそれをどうにか漏れなく提示しようとする粘り腰には、たしかに感心しちゃうよね。まあ、と同時にうんざりもさせられるんだけど。
で、GMSの相対的可読性について、ですが、ぼくはそもそもあまりドイツ語が得意ではなく、学部生のころに独学で身に付けただけで、それ以来あまり修練も積んでいないせいなのでしょうが、たとえばKrVとかKprKとかKUとかに比べてそれほど「読みやすい」という気はしないですね。ただ、それら批判書に比べると、GMSは断然短いということで、そういう意味での「可読性」はすぐれている、のかもしれません。
なお、本日GMSを読了しましたが、これは全然ダメですね。当初のカントの目論見がまったく果たせていないうえ、それをカント自身も自覚してしまっているという、見方によってはけっこう悲惨な書きものです。もちろん、それがゆえにまったくの「ゴミ」だとは思いませんが、なかなかきびしいものがある、と思いました。
先の4spaceさんへのお返事に出てくる"KprK"とは当然"KprV"の誤りです。ここに訂正するとともにImmanuel Kant氏にお詫び申し上げます。
っていうコメント主の設定の範囲内でなら何か意味のあることが言えるかもしれないからコメントした。
それが嫌なら黙ってればいい。
君が哲学になんらかの関わりがあるかのような誤解を生じさせぬよう。
「哲学」を研究すればいいさ、好きなだけ。
俺は哲学するからさ。
これは認められません。
コメント主の設定からも完全に外れたことでも、ネタ的になら可能かもしれないから、とりあえず思いつきだけで書いてみた というべきでしょう。
(ゆえにこの接頭の文を論拠としたそれ以下の書き込みも一切意味をなしえません。)
>それが嫌なら黙ってればいい。
これも認められません。
君が嫌なら、俺は黙っていよう。
とでもいうべきでしょう。
開発すべきは、読解能力です。
宮本さんの書き込みを読んだ瞬間、ため息が出ましたよ。
しかし、実のところ、40歳すぎると、この能力ですら、ほとんどベースの部分では固定されてしまっています。だから、開発の余地は、全くといっていいほどないのです。
宮本さんに憐憫の情を抱きつつも、私には宮本さんの書き込みの介護は不可能です。
あえていつもその介護をされている はやしさんの愛情には敬服するしかありません。
私のコーナーなら、もう、またいで通るしかないですよ。
私は、根気と能力に欠けますから。
とは言うものの、介護もあと2度までですかねえ。
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