ダイアグラムによる発想支援ツール [技術]

人間の発想様式、というか、思考様式というものは全く線形的なものではなく、その都度の思いつきや閃きに滞留しては、そこから枝分かれしつつも、すでに為された思いつきや発想といったものの間を行きつ戻りつしていくといった体のものであり、これを線形的表現ツールである一般的なテキストエディタを使って展開させようとすると厳しいことになる。

そこで、アウトラインプロセッサというものの登場、ということになるわけだが、一般的なキャラクタベースのものは、如上の発想間の自由な行き来を必ずしも支援するものではなく、根幹となる流れがまずあって、それに肉付けしていく、という用途向きだと思う。

そのようなキャラクタベースのエディタが不可避的にもたらす線形性の桎梏を乗り越えんとして現れたのがダイアグラムベースの発想支援ツールである。




で、ダイアグラムベースの発想支援ツールとしてまず思い浮かぶのは、ぼくがマッキントッシュをメインマシーンとして使用していた頃からあるInspirationというやつだ。この度、改めて調べてみたところ、めでたくWin版も開発されていたので、デモ版（英語ヴァージョン）を試してみた。

とりあえずの使用感を記せば、非線形的な発想を書き付けるにはもってこいなツールだな、という感じ。ただ難点をいくつか列挙すると、1)思考の自由な流れを妨げるに足る程度に挙動が重い、2)これは英語版（ちなみに日本語版もあり。試用版は見当たらず）だからということだろうけど、ノートの日本語が化ける、3)ダイアグラムを書いているうちに、画面がかなりカオスなことになってくる（ダイアグラムの整除機能あるんだけど、なかなかちゃんと機能してくれない）、というところ。


次にダイアグラムベースの発想支援ツールとして思い浮かぶ、というか、ちょっと前MM/Memoでマインドマップ関連の記事が流行っていたことがあって（「マインドマップ」というものに関しては、その名もmindmap.jpがスターティングポイントとしてはいいのではないだろうか）、そのときに存在を知ったのがFreeMindというもの。

これもとりあえずの使用感を記せば、上のInspirationの良い点と難点をちょうど逆にしたような感じ。具体的に言えば、1)挙動はそこそこ軽く、2)日本語もちゃんと使用でき、3)ダイアグラムも書くそばから整除してくれる、けど、ある程度の線形性をベースにしており、たとえば各ノード間をさらに関連付け、そこからさらに発想を拡げていく……ってことがむずかしい。




とにかくどっちも一長一短で、やっぱり紙ベースが一番いいのかなあ、と思いもするのだけど、それもなんかねえ、ということもあり、もうちっと上記ツールの使い込み、および新たなツールの探索を続けようと思います。