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今回こそは、今回こそは手みじかに済ませるぞ!
GaijinCD4 Disc (Vinyl Communications, 1997) |
しょっぱなから聴いたことのないもので「うーむ」なんですが、要は、Kid606+Matmos+Lesserという面子で、音もそんな感じでしょう(いまHDを漁ってみたら、Tigerbeat6のコンピに1曲入っているのを発見。聴いてみたところ、よりGlitch'n'Abstractな感じ、でした)。
Noise/Music での文脈は、当然そうした「グリッチサウンド」という側面に関するところで登場で、そこでの記述によると、ジョイディヴィジョンの"Love will tear us apart"を、元のCDをグリッチ化させることで再構築しているとのことで(ゆえに、ジョンオズワルドの「プランダーフォニクス」概念とのからみも指摘されている)、これはぜひ聴いてみたい。
Low Income Tomorrowland DJ/Rupture (Applecore Records, 2005) |
これは、「ワールドミュージック+ブレイクビーツ」ってな、苦手なタイプ、ですねえ。アラブ音楽を、その表層的な部分だけではなく、ちゃんと楽理的なところも含めて取込んでいる、とのことなんですが、そんなん分かりませんて。
Noise/Music での文脈では、ケージから大友良英にいたる「楽器としてのターンテーブル」の系譜に連なるもの、とされていますが、おれが聴いたことがある範囲(Tigerbeat6からの2作)では、それほど「ターンテーブルを楽器として使用している」という風味は感じ取られませんでした。
Entroducing... DJ Shadow (Mo Wax, 1996) |
「ああ、またDJなんとかって名前のやつだよ。おれ、ほんと、DJなんとかって名乗ってる人のでいいと思った試しないからなあ」とじゃっかんゆううつな気持ちでHD内にあった音源を聴いてみると(いちおう話題になったものは聴いてみる主義、なのです)、あんがいわるくない。つうか、かっこいいじゃないですか、これ。上のDJ/Ruptureより、よほど「楽器としてのターンテーブル」という風味も感じられるし(と、さっそくDiscogsでバイオを調べてみると……やっぱり白人か……。やはり身に染みついた「アングロサクソンミュージック至上主義」は、どうしても抜けないようです)。
Noise/Music での扱いは、ヴァイナルのあの「ちりちり」ノイズのフィーチャー(もちろん、筆頭格はこの人たち、ですよね)という、何だか分かるような分からんような文脈での登場ですが、そういう「ヴァイナルのちりちりノイズの大々的フィーチャー」という意味では、ヲノサトルのSauvage 所収"Absolute Music"(ヴァイナルのサーフィスノイズのみで構成されている)が最高峰、でしょう(現在、この"Absolute Music"だけだが12inchヴァイナルとしてSonoreからリイシューされている模様)。
DNA on DNA DNA (No More Records, 2004) |
これは、「ノイズ」だの何だのとは関係なく、聴くべし、だな(ただ、個人的には、アートリンゼイの「ギタリスト」としてのベストアクトは、ラウンジリザーズの1stにおけるプレイ、だと思う)。
Noise/Music では、「楽器が弾けないこと」を逆手にとった音づくり、といった文脈での言及で、それはまあたしかに、(おもに欧米的な文脈で)「ノイズ的」かな、と思いますが、最近のノイズミュージックって、そういう「楽器が弾ける弾けない」というのとはちがった意味での「ヴィルトゥオジテ」があったりするような。
Strategies Against Architecture '80-'83 Einstürzende Neubauten (Mute, 1983) |
Zeichnungen des Patienten O.T. Einstürzende Neubauten (Some Bizarre, 1983) |
「ノイズ」となるとほぼ確実にその名前が挙がるノイバウテンですが、いわゆる「ハーシュ系」をもっぱらに「ノイズ」として捉えてると、ノイバウテン(に限らず、SPKやらTDやらの初期メタルパーカッション系)は「何がノイズなの?」ということになってしまうかもしれません(このことは、さまざまな「異音」が「楽音」として「オーヴァーグラウンド音楽」にほぼ取り尽くされた観のあるいまに始まったことではなく、かれこれ10年以上前の、おれが中学生ぐらいのときからそういう「何これ?」という受容のされ方はあったような)。
まあ、たしかに、ノイバウテンは如上に挙げたようなメタルパーカッション勢にあっても、その出音はきわめて「音楽的」で、そうした意味で「ノイズではない」というのも故ないことではないんですが、ただ、はじめて彼らの1stを聴いたときの、そこに感じた何とも言いがたい雰囲気は、まちがいなく「ノイズ」と呼ばれる人たちの音にふれて感ずるそれと同等のもの、でした。
そういうわけで、Noise/Music での扱いは、非楽音の導入、ということで。
Faust/So Far Faust (Collectors' Choice Music, 2001) |
The Faust Tapes Faust (Virgin, 1973) |
ファウストも、それがいかなる文脈のもと語られるにせよ、聴いたほうがいい、いや、聴くべきであることは衆目の一致するところでしょうが、その理由は、けっして「コラージュによる楽曲の解体構築」(Noise/Music での切り口は、おもにこの視点から)や、まして「コミューン生活をしていた」などという音楽外の事情によるものではなく、まずもって曲がいい、ということにあると思います。
ともあれ、上記2作品ももちろん必聴なのですが、どれか1枚となると、やはり4thになるのではないかと。
Fennesz Plays Fennesz (Moikai, 1999) |
+47° 56' 37" -16° 51' 08" Fennesz (touch, 2000) |
Venice やEndless Summer がやたらと有名なフェネスですが、やはりノイズ文脈ではこのころの作、ですよね(とくに、Touchからのやつ)。ただ、やはり、そうした「ノイズ文脈」ということで言えば、どこか「清楚な楽曲」という側面から逃れきれないフェネスよりも、「ディジタルノイズ」という可能性をぐっと押し広げたピタSeven Tons for Free やポマスルTrial Error をリファするべきだったのではないか、と思います。
Filament 2 Günter Müller, Sachiko M, and Otomo Yoshihide (For 4 Ears, 1999) |
何かと「爆音」ということが取り沙汰されがちなノイズですが、度を超して「静か」なのもまた「ノイズ」であることにちがいはありません。このフィラメントももちろん、Noise/Music では「静寂の活用」とでも言うべき文脈で登場で、この作では大友良英・松原さちこといういつもの面子に加えて、「できるだけちいさい音で聴くこと」と自らの作に注記し、その指示を守るとまったく何も聴こえなくなるというエクストリームっぷりを発揮しているギュンターミューラーも参加という最強布陣。
でも、マクベスではありませんが(「きれいはきたない、きたないはきれい」……)、微弱音がとてつもなくノイジーに響き、爆音が非常なる静謐を感じさせる瞬間ってのは、たしかにあります。
Sink Foetus Inc. (Some Bizarre, 1990) |
フィータスは、Noise/Music のどこに出てきたのか、うかつにも気づかなかったのですが、その「エクストリームさ」はたしかにノイズミュージシャンのそれに通ずるところ大、です(人脈的にもかぶってますしね)。
アルバムは、とにかく多作なんでどれを撰ぶか迷うところですが、おれだったら、そういう「エクストリームさ」がひりひりと肌に痛い初期作、たとえば1985年のNail などにすると思います(ベストトラック、ということで言えば、本名のJ.G.サーウェル名義でNWWと組んで録音した、これ所収の音源になるんですが)。
The Caution Appears 不失者 (Les Disques Du Soleil Et De L'Acier, 1995) |
悲愴 不失者 (PSF, 1994) |
おなじみ不失者。The Caution Appears はHDに入ってたんでひさかたに聴いてみましたけど、けっこう直球でロックしてて、びっくり、というか、なるほど、という感じがしました。ただ、ヴォーカルがフィーチャーされてないんで、そういう意味では物足りない。だから、すすめるなら1枚目か2枚目(え? いまは買えないの? 当時はこっちのほうが手に入りやすかったというのに……)、ということになると思います。
ああ、けっきょくそれなりに長くなっちゃったよ。
黒人音楽は確かに、何かこう微妙に避けてしまう傾向というのは僕もありますね。白人音楽のあの胡散臭さがないというか、あまりに直球勝負が多くて。演奏者として雑誌なんかでよく名前が出るような人のものも、なんか避けてしまいますし。とはいえ、フリージャズとレゲエは、割と聴けるの多い気もします。
それにしても、前の数学の参考図書とこのノイズ特集のせいで、アマゾンのカートが50くらい増えちゃってもう酷いことになってます。オーネットコールマンのフリージャズなんて、持ってるのに気付かずに買ってしまったという状況だし…
「黒っぽいのがダメ」というのは、このブログでも何度か繰りかえし言ってきたことだけど、こればっかりはほんとしようがないことなんだよね。というのも、ほんとちっちゃいころから「白っぽい音」ばかり浴びて育ってきたので、そもそも受入れ余地がないんだ。まあ、今後10年20年経つうちに、どうなるかは分からんけど(ちなみに、あえて暴論めいたことを言えば、フリージャズに限らず、ジャズというのは一般的に、「黒人音楽」ではない、と思う。たしかに、「黒人音楽」というのを「黒人が演奏している音楽」と捉えれば、「黒人音楽」と言ってもいいんだけど。この話はしだすと長くなるので、またの機会にでも)。
同じもんの2度買いってのは、おれも相当数の経験があって、だからこそ自前のデータベースなんぞを作って再発予防をしているわけだけど、「データベース」まで大仰なもんではなくとも、たとえばスプレッドシート類で所有音盤管理をするだけでもだいぶ違うので、ぜひ試されたし(って、類似のことはもうやってるか)。
あと、カートがそんなんなるほど欲しいものがあるってのは、ある意味しあわせなことですよ。おれなんか最近、そういう「欲しいもの」というのはなくなってきたからな(って、そうか?という感じもわれながらしないでもないけど、でも、一時期の勢いからいくと、衰えはいなめません)。
"Endtroducing..."は僕の仲間うちでも、世紀の名盤的なあつかいをされております。ところでDJ Krushの"Strictly Turntablism"やDJ Klockの曲とかをはやしさんが聴いたときどう思うのかな……と気になりました。
HIPHOPの内部でも、けっこうブラックから離れてゆく傾向の音楽をよく聴きます。(「DJなんとか」的アーティストによるHIPHOPを内部から変えようとする動きは、かなりの確率でジャズに吸収されてしまいがちですけれど)これらの志向の向かう先はだいたい、エレクトロニカかロックですね。Anticonは全員白人ですけれど、はやしさんの趣味に合うアーティストがいるのではないでしょうか。
あと「楽器としてのターンテーブル」といえばKid Koalaが思い浮かびます。それから、ノイズ文脈で「DJなんとか」、といえばDJ Smallcockが第一に思い浮かびます。決して他人にオススメできる音楽ではないですけれど……。
とりとめのない文章、失礼しました。
DJ KrushもDJ Klockももちろん聴いたことはあって、とくにDJ Klockは今年出たやつ(かな? あの青っぽいジャケのやつです)なんかけっこう(ライミングが入る曲はスキップさせながら)聴いてたりするんですが、DJ Krushはあんまプレイリストに乗ってこないですね。ちょっと再度音源を聴きかえしてみます。
Antikonは、最近とみにいわゆる「中期以降のMorr系」というか、「少なくともこれはふつうヒップホップとは呼ばれないよな」という音をリリースしてますけど、たしか数年前からちらほらと、たとえばWhy?であるとかDoshであるとか、その手の音源はリリースしていたわけで、そうした人たちのはもちチェック済みで、とくにDoshはかなり好きですねえ(ただ、おれはほんとうに「ヒップホップ」というのがどういう音楽なのか知らないので、Why?やDoshも、聴く人が聴けば「ヒップホップ!」なのかも知れませんが。というか、レーベルのほうのAntikonのことでよかったんですよね?)。
Kid Koalaも、どのアルバムか忘れましたけど、「これほんとこすってんの? サンプラーとかではなく?」と思ってしまうようなエクストレミテがありましたねえ。そう考えると、たとえばDJチャンピオンシップで優勝しちゃうような人たち、たとえばDJ Q-BertだとかMixmaster Mike(でしたっけ?)とかのこすり具合って、もはや「音楽」としてなりたってんのかよく分からん程度にまで達してますよね。だから、このエントリでは「技術がないことを逆手にとった音楽」としての「ノイズ」の側面に言及しましたが、その逆、つまりヴィルトゥオジテのはてに見出される「ノイズ」というものも夢想していいのかもしれません(いい喩えかどうか分かりませんが、生身の人間には演奏不可能なナンカロウのピアノ曲など、ほとんど「ノイズ」なのではないか、とも)。あと、「ターンテーブル奏者」と言えば、おれがまず思いうかべるのはやはりクリスチャン・マークレーですねえ。だって、ターンテーブルにストラップ付けて、ギターみたいに肩からかけてる時点で、もう降参、ですよ。
DJ Smallcockって、あのライヴがめちゃくちゃな人ですか? 単独リリース作ってあるんですか?(いま調べたらあるみたいですね)だとしたら、ぜひ聴いてみたいですねえ。おれはたしかV/VMの人のコンピでしか聴いたことがないと思うんで(ちなみに、V/VMは、聴く音源聴く音源つまらないので、「次回作はぜったい聴かん!」と思いつつも、懲りずに聴いてしまうもののひとつですね)。
というわけで、こちらもとりとめなく語っていたら、けっこう長くなっちゃいました。
書いた後で、DJ Krushはやはりはやしさんの趣味ではないかなぁと思いました。すみません。
ストラップで肩からかけるターンテーブルは、ヴェスタクスのQFOという機種がスタンダードですね。僕たちのイベントでも、一昔前はQFO担いだ上手な人がふらっと現れてはこすっていく、ということがよくありました。DJブースの前の段差に腰掛けてDJ Krushなどのビートのうえで一心不乱にスクラッチする様は、どこかシューゲイザーみたいでした。
DJの文脈のうちでエクストリームなところに到達するいくつかの手段のなか、僕はストリクトリーで重く深くタイトなビートの追求ということからも出発できるのではないかと考えております。(僕は重く深く暗いのの好きがこうじてSunn O)))まで行ってしまいました……。)別の方法では、たとえばDJ Foodの"Raiding 20th Century"のように40分のうちに時代をあらわす代表的な曲170曲を詰め込む、などもありましたね。
DJ Smallcockはライブがめちゃくちゃな……そうですそうです、流血ライブの人です。いったいこれのどこがDJなんだ!って感じですが。それにしてもVVMは聴くたび損した気持ちになりますね。ある意味、そこが売りなのかもしれませんね。
ターンテーブルをストラップで肩から、というのは、いまではそんなに奇異なことではないんですね。DJカルチャー全般に疎いんで、どういう仕儀になっているのかまったくよく分からないんですが、ぼくが中学生だった80年代中頃ぐらいでは、マークレーのでたらめさは、その同時期に湧出していたターンテーブリストのなかでも異彩を放っていたことを思いだします。
DJ Foodのそのミックスはたしか聴いたことがあると思うんですが、そんなに楽曲のストラクチャ自体がぶっ壊れたものではなかったですよね? そういう、いまで言うところの「マッシュアップ」というか、「ミックスの極北」という点では、このディスク紹介でものちのち詳細に取りあげることになると思われるジョンオズワルドのプランダーフォニクスが衝撃的でしたねえ。けっこう真剣に向かい合って聴いていて、そのあまりの情報過多に(ほんとうに)気分がわるくなってしまったりしたものです(というか、クリスチャンマークレーにしても、このジョンオズワルドにしても、あまりDJ文脈にからめないほうがいいような気もしてきました。似てはいるけど「あくまで別もの」という感じでしょうか)。
DJ Smallcockは、やっぱりそうでしたか。あらためて、たとえばDiscogsの画像で確認すると、ぼくが見たことがある画像とはちがいますが、やっぱりキてますねえ。まあ、何らかの物体にコンタクトマイク、というのはノイジシャンにあっては常套ですが、何もこういうふうにやらなくても、と思ってしまいます。
V/VMは、そう、聴くたびに「またこんなイージーワークかよ!」と思ってしまいますが、でも、彼ってすごく底力がありそうで、いつかはほんとうに「震撼させられる」ようなものをリリースしそうな感じがするじゃないですか。なもんで、懲りずにリリースを追っかけちゃうんですが、それこそzzyさんの言うように「思うツボ」というものかもしれません。
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