[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「数学」と言えばまっさきに「計算すること」を思いうかべる人が存外多い。たいていの人が受けた(受けている)「数学教育」の現状を鑑みるに、そこでやらされていることはもっぱら「計算すること」であったりするのでこう思われるのも無理からぬことではあれど、「計算すること」との恒等関係のもと「数学」を表象されることがこうも多いと、じゃっかんうんざりしてしまう。
もちろん、「計算すること」は数学において頻々に顔を出す重要なこと、ではある。やや大げさに言えば、計算することなくしては数学は一歩も前に進まない、と言ってもいい。しかし、たとえば「文学」というものが「字を書くこと」に排他的に結びつけられるとすれば、それを奇異に思わない人はいないように、「数学」と「計算すること」を専一に結びつけるのも奇異である。
詩であれ、戯曲であれ、そして小説であれ、「字を書くこと」を抜きにしては、それらはそれとしてかたちをなすことはない。だが、手での書字にしろ、キーボードでの打鍵にしろ、それぞれ「書道」や「タッチタイピング」といった固有の「道」や「術」があり、それらはけっして「文学」とイクォールではないように、「計算すること」にも「計算術」や「計算論」といった「術」や「学」があり、そして、それらはぜったいに「数学そのもの」ではない。
それでは、「計算すること」に還元し尽くせない「数学」とは何か? それは、「文学」を識るためにはそれぞれの詩や戯曲や小説を通してしか識りえないように、「数学」を識ることも個々の「数学的実践」を垣間見ることでしかなしえない。そうした数学的実践を、人をして「ちょっと面白そうだな」と思わさしめ、そしてあわよくば実践そのものに使嗾すること。そんなことができればいいと思う。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
音
雑
虫
技術
『スペクタクルの社会』を読む
ドゥルーズ講義録
電波
趣味の数学
趣味のゲーデル
『プリンキピア・マテマティカ』を読む
自己紹介もどき
ブログペット俳句
芸術一般
言語ヲタ
お客様
GRE CS
留学
Boing Boing
映画
ちょっといい話
かなりダメな話
魂の叫び
哲学と数学
論文
引用
「いい」とも「ダメ」とも言いがたい話
悲喜こもごも
証明論
ポエム
書物への呪詛
言わずもがななことではあるけれどときに忘れてしまうこと
何か無駄なことをしよう
日々
趣味の勉強
夢
ブログの記事
翻訳
勉強
不眠
文房具
ライフハック
育児
thayashi#ucalgary.ca
(#を@に置換してください)
このブログで紹介したことのある本をランダム表示。
このブログで紹介したことのある音をランダム表示。