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最近、朝どうしようもない焦燥感に駆られて目覚めることがよくあり、まいっている、とまでは言わないが、できればどうにかしたいものだ、と思っている。

焦燥感というものは基本的に、「何かをやらねばならぬ、でも、できない(できていない)」ということにその「謂れ」があるものだ。しかし、その「何か」が多数同時到来して処理しきれなくなってしまうか(テレンバッハ言うところのうつ症状)、到来する「何か」同士が両立不可能な場合(ベイトソン言うところのダブルバインド状態)、解決をめぐる回路がループするか、もしくはひたすら突き進んでしまい、結局焦燥感だけが残ることになる。

しかし、おれが感ずる焦燥感は、上の区分のどちらにもあてはまらないような気がする。そもそも、「謂れ」自体がごく漠然としており、じっさい何らかの「謂れ」があるのかどうかさえ覚束ない。いや、たぶん、そうした「謂れ」のないことそのことが、焦燥感の「謂れ」になっている。

こうした「謂れのない焦燥感」はおそらく、このエントリでふれたような「営み」に関係するものだ。そして、このような「営み」に関係する焦燥感は、突き詰めれば、「生きて、在る」ことに対する「しまった」という感覚にある。

……と、ここまで書き継いできて、結局は「過ぎたることへの悔悟の念」と「いまだ来らぬことへの不安」という、ごく当たり前のことを、大仰な言葉で言い立てているだけのような気もしてきた。そんなことをしている「暇」は「今」おれにはない、言い換えれば、「過去」も「未来」も「今、生きて、在る」ことにたいした意味など持ちはしない。

さあ、PCを消して(もしくは、本を閉じて)、出かけよう。

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今までの人生の前半はまさにドライアウトの人生といってもいいものだったです。そしてそのドライアウトのループにいることに自覚的になったものの、もともと依存体質が強かった私はいろいろなものにアディクトしてしまい、もう元には戻れない地点まできてしまった感があります。すくなくともはやしさんは、今の時点で自覚し、しかも聡明で行動力もある。まだ大丈夫だと思います。ただ、この身体のどこからか発生するプニプニしたものはそう簡単な相手ではないことくらいはしっているでしょうが私の体験でも手強かったです。今もまだそいつにやられっぱなしなんですけどねw。
英司 2007/04/08(Sun)11:40:00 編集
英司さんも、というか、大なり小なり誰でもそうでしょうが、ドライアウトのような燃え尽き感と、このエントリで言うような焦燥感が相俟って、「何もすることはない、でも、何かをしなければならない」という板挟み感が醸成されてしまうことが何とも参ってしまうところです。こういう心持ちというのは、いつか消えるもの、とも思えません。だから、ちょっとええかっこしいで言ってしまえば、そうした状況を耐え忍ぶ、という課題を、思想的に引き受けつつ生きてきたし、そしてこれからも、といったところです。
はやし 2007/04/08(Sun)16:03:00 編集
大なり小なり誰でもそうでしょうが、ドライアウトのような燃え尽き感と、このエントリで言うような焦燥感が相俟って、「何もすることはない、でも、何かをしなければならない」という板挟み感はありますね。今まで自分は何をしてきたのか? 十分やってきたんですよもう。ここらで疲れ切っている自分に休暇というご褒美を与えてもいいんじゃないですか。きっと喜ぶと思いますよ。僕が今、その時期なんです。
英司 2007/04/08(Sun)21:31:00 編集
ただ、「休暇」というのも案外危険が多かったりするんですよね(って、脅すようですが、でも、ほんとそう思います)。
はやし 2007/04/09(Mon)23:44:00 編集
「休暇」による危険はもう症状としてでてます。この前の町田お先に事件で明らかでしょう。人が恐ろしくてもうだめです。人にインタビューしていた私がもう人がダメ。恐ろしいものです。
英司 2007/04/10(Tue)01:59:00 編集
何かしなければという焦燥感は、乱暴な言い方をすると差異への希求につながるとすると、ソシュール以降、現代思想で大流行の「差異」という概念が実は内発的権力の発動だったりということもありますよね。あぶないなあ、こんなこといっちゃ、現代思想ぶっ壊れてもおかしくないと思いますよ、正直言って。女子高校生にも見られる「はやしのブログ」の不可能性の証明でもあります。女子高生ブラウジングの不完全性定理だよこれは。w
ひで@横浜 2007/04/10(Tue)05:06:00 編集
差異、つまり他者との違い=おおざっぱに言えば個性的であれという陳腐さですよ。就職活動する小僧さんと話をしていて、みんなに自分の個性のアピールを迫る面接官のあの凡庸さといったら、陳腐以外の何ものでもない。そしてみんなして個性を希求した結果は、結局、面接マニュアル通りの答えだったりする。各種の資格試験でさえまさに「だからなんなの?」という時代です。みんなが持っているから別に個性的でもなんでもない。どこかで自分らしさを追究したいが、それを考えついたときにはもう素の世界のトップランナーがいる時代。酷ですよこれは。個性やアイデンティティは幻想だった。この文章は宮本さんに捧げるべき内容だと思いましたが、話の流れで追記させてもらいました。
ひで@横浜 2007/04/10(Tue)09:05:00 編集
そうだったのか…。

面接の時は気を付けよう。
宮本浩樹 2007/04/10(Tue)09:56:00 編集
休んでいるがゆえに、休む前には平気だったことがだめになる、という「危険」もそうですが、おれが念頭においていたのはむしろ、休むことそのことがもたらす焦燥感とか、そういうことでした。
はやし 2007/04/10(Tue)15:32:00 編集
「差異への希求」から「何かしなければ」と思い、そして焦燥感を感じたりするのもさることながら、「自分以外のみんなは、何かやるべきことがあって、そして現にそれをしているように思える。翻って自分は……」とこじれている人も多からん、と思えますので、いちがいには差異がどうのこうのとは言えませんね。

「女子高校生にも見られる『はやしのブログ』の不可能性の証明」云々以下の文言は、正直言って意味不明です。
はやし 2007/04/10(Tue)15:35:00 編集
個性については以下も参照。
<a href="http
はやし 2007/04/10(Tue)15:45:00 編集
いちがいにはいえないのはこんかいもそして今後も、特に断りを入れない限り、当然と判断して結構です。拡大解釈禁止令です。

個性的を迫られるがゆえの凡庸さについては、本日急きょ開かれた、宮本、小僧、ひで会談で、なにやら大きな動きがあったとのことですが、現在のところ自由●●主義とかいう団体が設立されたとかしないとか。私はちょうど離席していたのでこの件に関しては無関係です。
ひで@横浜 2007/04/10(Tue)15:54:00 編集
べつにひでさんが専一に「何かをしなければ、という焦燥感=差異の希求」というふうに思ってる、とは思ってませんよ。そうではなく、この場で行なわれるやりとりは、そのやりとりの直截の参与者のみならず、それをブラウズしている人も考慮にいれてなされるべきであるので、できるだけ誤解の少ないよう、潜在的な前提命題も顕在化させるべき、との判断から、付け加えました。

で、自由なんちゃら主義、ってのは、何ですか?
はやし 2007/04/10(Tue)15:58:00 編集
休むことそのものから来る焦燥感に関しては、けっこうまわりの人もいいますが、私に関してはかなり少なくなってきました。これは転職回数の多さと職から次の職へいくまでにバカンスをとっていたなれからくるものなんだとは思いますが。
ひで@横浜 2007/04/10(Tue)16:01:00 編集
それは、ひでさんにとっては勿怪の幸いでしたね。何にせよ、面倒でうっとうしいことは、最小限にしたいものです。
はやし 2007/04/10(Tue)16:07:00 編集
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