買った本と気になる本 [本]

今日はひさかたに、それなりにゆるりと本屋を見て回った。

日本の本屋に行くのはかれこれ4ヶ月ぶりだから、さぞや「わ！　こんなのが出てる！　あ！　こんなのも！」とてんてこ舞いで、両手に重い袋をぶら下げて帰宅、という仕儀にいたるかと自分でも思っていたが、じっさいに店内をうろついてみても、それほど、ではなく、そりゃまあ、「へえ、こんなのが出たんだ」というのは色々あったけど、「こりゃあ買わねば！」となるものはあまりなく、ごく控えめな買い物、と相成った。というか、じっさいに買った本だって「こりゃあ買わねば！」で買ったものばかり、というより、偶発的購入、と言ったほうが実情を捉えてるかもしれない。そんなわけで、まずは買い本から。

• Richard Dawkins, The Ancestor's Tale, Mariner Books
  ドーキンスによる、700ページに届かんというヴォリュームの「進化の物語」（翻訳）。生物学、というのは、すごく興味があるんだけど、いままで一度も系統立てて勉強したことがないので、ぜひこれで慣らし運転をしてちょっとは系統立てた勉強をしてみたい（というか、このヴォリュームだと慣らし運転に挫折という筋書きも大いにあり得る……）。
  
  
• 大屋雄裕, 法解釈の言語哲学, 勁草書房
  「クリプキから根源的規約主義へ」なんて副題が付けられていたら買わないわけにはいくまい。つうか、やはり、ちゃんと読むにはクリプキのこれも読まなきゃならんのだろうか？　しかし、後期ウィトゲンシュタインをリファーするのにクリプキを持ち出すのは、ある意味「英断」だと思うのだが……。
  
  
• 永井均, 西田幾多郎, NHK出版
  これは、著者が永井均でなければ買わなかったであろう（まあ、いつものごとく、「何か」をダシにして自分の考えを語り出してそうだが、それを期待しているフシもあるので、それでもいいのだ）。それはともかく、おれは、西田幾多郎の全集もちらほら持ってるくせに、いまだ西田幾多郎が何を言ったのか、よく分かっていない。ただ、言ってることはよく分からずとも、西田幾多郎の文体はきらいではない。だから、読む。
  
  
• -, 水声通信12号：宮川淳、三〇年の後に, 水声社
• -, 水声通信13号：何のための出版？, 水声社
  宮川淳の特集、となったら、これは買わないわけにはいかない。出版特集は、まあ、付き合い程度。あと、イメージがどーたらこーたら、ってのも、どうしようかな、と思ったけど、これは見送り。宮川淳の特集号は、巻末に水声社の図書目録も付いていて、お買い得、か。ただ、宮川淳特集号にはやはり、この人に寄稿して欲しかった。あと、『宮川淳著作集』の古書価、高すぎ。

お次、気になった本。

• 井上達夫, 公共性の法哲学, ナカニシヤ出版
  これは「気になった」どころではなく、ほんとうは買おうと思っていたのだが、諸般の事情で買いそびれた。ぱら見した感じでは、じつに面白そうな光線を放っていました。
  
  
• 長岡克行, ルーマン/社会の理論の革命, 勁草書房
  帯文にある「ルーマン理論を、総体的、徹底的、詳細に解説する」の「総体的、徹底的、詳細に」という三連符と、700ページ8ポ2段組みにぐっときた。が、いかんせん高い。みーさん、どうですか？
  
  
• ナセヒ＆ノルマン, ブルデューとルーマン, 新泉社
  同じくルーマン本。著者の片割れナセヒはこういうルーマン解説本も書いています。

てなところで、ほんとうは、洋物で気になったものが何冊かあるんだけど、時間がないのでとりあえずこれにて。