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一昨日は、原作たそがれ清兵衛あらためカイザーさんと朝の六時過ぎまで話をしていて、それはそれで書くべきこと、また、そこで語られたことに関してあらためて考えるべきことはあるのだけれど、カイザー邸二日目に執り行われた淡路島(でいいんですよね、あそこは?)めぐりについて。

まず訪れたのは「あわじ花さじき」という、明石海峡と大阪湾(とパンフには書いてあった)を望む、景観のすばらしいところ。ただ、その景観のすばらしさもさるところながら、おれをキャッチしたのはむしろ、手入れされた菜の花やムラサキハナナ(とパンフには書いてあった)の植え込みではなく、それらを取り囲むちょっと荒れた部分だった。その道なき道を進み、蛇と遭遇し、断崖絶壁を登攀するという、野趣溢れる行為を堪能した。

次に行ったのが北淡震災記念公園というところで、ここは色んな意味ですごかった。まず、阪神淡路大震災でずれた断層を実際に目にすることで、地球という惑星の持つ篦棒なパワーを実感できる。こういう「猛る力の顕現」の痕跡を見てしまうと、「地球にやさしく」といったヌルい考えではどうしようもない、と思わざるを得ない。また、震度七の揺れを四十秒間体験できる設備もあり、当然試してみたが、とてもではないが突然起こって対処できるたぐいのことがらではない。「揺れる」ということが分かっており、かつそれに備えてどっしり踏ん張り、ものに掴まっていても、転がりそうになった。これが不意打ちできたら、ひとたまりもないだろう(とくに、おれの住んでいるところの場合)。

あとは……と続けると切りがない。とりあえず、こんなもんで。

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はやしさん、
あの地震マシンですが、マシン体験後にも言いましたが、ホント表象=再現前化の世界であって、私が実際に1997年1月に体験した震度7とは、差異が完全に消滅しています。

私が生きている間、あの1997年の地震が実際に反復してくれないことを祈るばかりです。
もう、あの地震の差異は、見たくないですよ。本当に。

しかし、表象=再現前化にすぎないあの地震マシンの体験で、呼び起こされたもう忘れかけていた記憶のそれなりの再生とは、心の中での私の1997年の地震を反復なのか、それすら、表象=再現前化にすぎないのか、非常に、虚ろな感じがします。

それにしても、地震が忌まわしいどうのこうの抜きで、断層面を見たいとは、思ったことは一度もなかったです。
地震の体験者、非体験者にかかわり無く、あの断層面を見たいという人は、少ないみたいで、あの記念館はGWでなければ、閑古鳥が鳴いていると聞いています。
それを、いの一番に見たいと言った、はやしさんが、何よりも面白かったです。

花桟敷で人がとる行動パタンは、今まで、色々観察してきた結果、
1 団体できて、花すら見ずに、「いっしょに来た人を見」て、写真をとる人が80%
2 花をひたすら見る人が15%
3 私のように、空と海と対岸を見て、柄谷行人が「日本近代文学の起源」で言っているように、風景に倒錯的ともいえる内面の投影をひたすらする人が5%

だと、思います。
とにかく、私は何度もあそこには行ってはいますが、ああいう行動パタンをとる人を見たのは、はやしさんがはじめてですね。w
Kaizer Soze 2006/05/06(Sat)05:53:00 編集
あの地震マシーンにカイザーさん夫妻を無理に乗せてしまったこと、実はけっこう後悔してるんですよ。というのも、いみじくもカイザーさんが書いているように、お二人は実際にあの地震を体験しているわけで、その揺れを再体験することは、それにまつわる諸々を想起させてしまったであろうからです。とはいえ、といかにも言い訳めいてしまうのですが、震度七が体感できる、と言われたら、ぼくはちょっとそれには抗えませんでした。

花さじきでのぼくの行動はそんなにイレギュラーでしたか? まあ、たしかに、あの花さじきの「ワイルド」な箇所には誰も行っていないようでしたが……。でも、面白かったでしょ? もちろん、メインの展示物(?)である花も、空と海の対比も、見るべきものでした。
はやし 2006/05/06(Sat)23:02:00 編集
はやしさん
それ、誤解、誤解です。 書き方が悪くてすいません。
あのマシンに乗らないという選択肢は、私にも家内にもあったわけだし、それを自分の意思で乗っているので、二人の勝手以外の何物でもないので気にしないでください。

確かに家内の家はほぼ全壊状態でしたが、私に至っては家財道具が潰れてそれでお仕舞いで、二人とも怪我もありませんでしたから。神戸の空が真っ赤になるのを見て、「ああ、親が言っていた、戦時中空襲で空が真っ赤になったって、これのことなんだな」とは思いましたが。

ただ、(倒れた高速道路徒歩10分という)震度7なる激震の中で「俺は、絶対に死なないぞ」と信じつつ(しかし、どこかで、死かもとは思った。)、しかし、それはあとで思えば勿論何の根拠もないもので、「生きながらえているのは、偶然と運だけの世界」だと思っています。

それにしても、あのマシンの震度7ってホントぬるいぬるい。だいたい、椅子も机も、絶対に誰も怪我しないように設計されていましたし。
椅子に普通に座っていたら、椅子からはじき飛ばされますよ。勿論、椅子も飛びますし。

って、ことで、あえて自分の意思でマシンを体験した理由は、「人の記憶や過去って、一体何なのだろう?」って、「差異と反復」に書いてあるようなことを、純粋に今一度考えてみたかったから、それだけのことです。

実は、前に並んでいた人たちの揺れを見て、「なんじゃ、こりゃ、おもちゃだ」と思って、たかをくくって乗ったのですが、しかし、その「おもちゃ級」の体験でも、それなりに、1997年の体験を「それなりに」想起しちゃうことに、本当に自分でもびっくりしました。
あの体験で得たものは、そういう驚きで、これはなぜそうなるかを考えてみるに値することだと思っています。

花桟敷ですが、「ワイルドな場所、行動」は私自身とても面白かったですが、何より、面白かったのは、はやしさん自身ですよ。(笑)
Kaizer Soze 2006/05/07(Sun)09:45:00 編集
最後、尻切れトンボみたいになっているので、補足しておきます。
はやしさんのことを、(花桟敷に限らず、ずーっと)面白く感じてしまったのは、「旺盛すぎるくらい好奇心が強いこと、そして、それが、非常に多岐多方面にわたる」ってことなんです。
それは、研究者としてやっていくには、非常に重要な資質だと思います。
はやしさんのことが面白いとは、そういうことです。
アヤシいなんて、全然ないですよ。
Kaizer Soze 2006/05/07(Sun)13:55:00 編集
はやしさん、
ところでどうしよう。あの彼が、また はやしさんの掲示版にきちゃった。今度来るなら是非とも とまでお願いした「はやしさんのブログや掲示版」で議論するようなレベルの話題ももってきていただいてないようだし、単なる前回の延長線みたいなので、メンドイので無視しておくつもりですが、いいですか? というか、いいですよね。 まあ、彼が、疲れるまでこの続きを延々と掲示板で書きつづけても、はやしさんは、怒りはしないでしょうから。
Kaizer Soze 2006/05/07(Sun)19:49:00 編集
花さじきでのぼくの行動、そんなに面白かったですか? まあ、自分の行動がいかなるものか、なんてことは、行動するときには考えないのがふつうなんで、カイザーさんにとって面白かった、と思えるものであれば、ぼくも行動していて面白かったし、カイザーさんもそれを見て面白かったしで、Win-Winってことですよね。

それで、ズンズンさんはあくまで「事実誤認」ということを問題にしているようなので、たぶん、それさえ認知されればいいのではないでしょうか。そうであれば、取り立てて話し合うこともないし、それに、あの書きぶりから推察するに、何かを議論しよう、ということではないでしょうから、別段問題はないのではないでしょう。
はやし 2006/05/07(Sun)20:27:00 編集
はやしさん、ゲーデルもいいですが、また、ベルクソンをやりましょうよ。
って、言って、サハラを ぜーんぜん読めてなくて申し訳ないですが。

前々から、言っていることですが、人の過去や記憶って、どーせ、いい加減で欺瞞に満ちたものだと思いますが、一体どうなっとるのじゃろうかと、また真剣に知りたくなってきました。

さて、さて、これ、花桟敷の海に関して、こじつけ気味に脱腸じゃなくて脱線ですが、海って、じっともし毎日見つめていたら自分を狂気に導くような気がしてきました。すごく自分をストイックな世界に引き込んでいくようなそんな感じが。多分、海を毎日見つめていたら、人嫌いが究極までにひどくなるし、あげくのはては、ネット上にカキコするのも 馬鹿馬鹿しくなって、やめてしまいそうですね。w  山や、そこで生息する動植物って、その点、人をほっとさせますね。って、ことで、某植物園にでも行ってこよっと。
Kaizer Soze 2006/07/09(Sun)10:17:00 編集
ベルクソニスム(のことですよね?)はもとより、他の諸々も色々と再始動させたいのですが、今はちょっと時間がなさ過ぎて叶いそうもありません。とはいえ、あっちに行ってしまえば、忙しいなりにもそのなかでタイムマネージメントは固まるでしょうから、なんとかなる、と思っています。

で、「海って、じっともし毎日見つめていたら自分を狂気に導くような気がしてきました」というカイザーさんの感慨ですが、ぼくが海を「怖い」と言う理由って、まさにこういうことなんですよ。翻って、じゃあ狂うのが怖いのか?と言われると、それは微妙に違うなあ、なんですが、ともあれ、限りのないものというのはやはり恐ろしいものです。ただ、その一方、この上なく蠱惑的でもあるのですが。
はやし 2006/07/10(Mon)04:28:00 編集
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