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ほんと「気にはなる」けど、買うのはどーしよっかなあ、って本だな。内容は環境経済学・複雑系経済学・社会経済学・レギュラシオン理論・マルチエージェント理論・実験経済学、ってなかんじの按配で、やっぱり目がいくのは塩沢由典が書いてる複雑系経済学の項でしょー。
おれ、『複雑系経済学入門』はけっこう好きで、何回か読み返してすらいるんだけど、それでも、複雑系経済学が「何をしたい」のかは分かっても、じゃあどういうふうにそれをやってくのよ?ってところがイマイチよく分からんままなのよ。いや、トンデモっちゃあトンデモな気配が濃厚なのよ。まさにそのことが「気にはなる」けど「買うのはどーしよっかなあ」ってかんじにおれをさせるわけで。
でも、塩沢由典って、寸でのところでマトモさを把持しているようにも思えるんだけど……どうなんだろ? 『数学ブックガイド100』(培風館刊。ほんっと、えっれー残念なことに、めちゃんこ面白いのに品切れだって。でも、古本屋でけっこう見かけるような気も。明倫館とか)で浅田彰が『数理経済学の基礎』(けっこうぺらぺらなのに3,885円は高いな)を評する中で言った「微積分を濫用する正統派とは別に、全体を通じてただいちど微係数の知識が使われるだけ、というのも、見事な反骨ぶりというべきだろう」ってのも、どーでもいいっちゃいいんだけど、気になるとこだしな。微積ぐらいフツーに使えよ、って。そういう「あえて親指と薬指だけで習字を極めよう」(誰が言ってたんだっけ? この言い回し)みたいなムダさを感じるんだよな(でも『数理経済学の基礎』を通して読んでないんで、何とも言えないけど。ものすごい内的必然があって微積を使ってないってことも……や、ないな)。
あ、あと、同じ塩沢由典の『近代経済学の反省』(日本経済新聞社刊)読みたいんだけど、見つかんないんだよねえ。どなたか譲ってくれません?(って、反応あったらびっくりするな)
『数理経済学の基礎』は、まだ絶版ではないのですが、普通の本屋さんには置いていませんし。
ところで「いや、トンデモっちゃあトンデモな気配が濃厚なのよ。」という点ですが、たしかに『入門』では、ほんとにどうなるのか分かりませんね。しっかりしたものをもう一度書かなければと考えています。
ただ、「トンでも」な部分をも許容しないと、理論経済学は狭い世界に閉じこもり勝ちなこともたしかです。その気持ちは、3年ほど前に、<a href="<a href="http
ところで、ぜんぜん話が変わりますが、わたしも最近blogを始めました。<a href="<a href="http
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いやあ、もう、このエントリでは書きたい放題書いちゃってますが、ぼく自身は塩沢さんのことは「トンデモ」だとは露も思っていないんですが、「複雑系」という言葉の尻馬に乗っかった、たとえば……って具体例を挙げることは控えさせてもらいますが、そういう人たちの中には「うーん」となってしまうような人がいることも事実で、そういう雰囲気を是非とも打開してもらいたい!というエールとして読んでいただければ幸いです。
『複雑系経済学入門』、本当に私の愛読書の一つです。第I部なんて、マル経、計画経済、新古典派の栄枯盛衰を扱ったものとしては出色のものだと思います。巻末の「読書案内」もまたいい! ここに挙げられている書籍の相当部分を購入させていただきました(サイモンの『オーガニゼーションズ』が原本・訳本とも絶版なのがつらい!)。
塩沢さんと黒木さんのやりとり、リアルタイムで見ておりました。黒木さんの言うことは大抵の場合うなづけることが多いのですが、塩沢さんとのやりとりのときは「ちょっと狭量でないかい?」と思ったものです。いや、別に相手が塩沢さんだから持ち上げて言ってるのではなく。
で、そうですね、発想、というか、出だしの部分では、「やっちゃえ!」ってところがないと、理論経済学に関わらず閉塞してしまいますよね。でも、やっぱりどこかで「落とし前」はつけなければいけないわけで、その「落しどころ」を間違うと……とも思います。
何にせよ、複雑系経済学の「入門」の次に大いに期待を寄せています。『市場の秩序学』なども「入門の一歩先」といえばそうなのですが、やはり一続きにまとまったモノグラフを読みたいです。
コメントありがとうございました。ブログ、もちろん定期的に見させていただきます。
それでは。
こんどのブログは、どこにいくかは分かりませんが、とにかくいろいろ考えてみたいと考えています。
考えることを考えるなんて、この文、なんだかへんですね。前に『現代思想』の「歩行と思索」という連載(1986〜1987)を書いたときに山田登代子さんから、「塩沢由典の「歩行と思索」にはひ、たしかに思索はあるが歩行がない。」と批判されてしまいました。
あまり体系化することなど考えずに、blog風に思考の上で散策しながら書いていくつもりです。
山田登代子さんにそのようなことを言われてしまいましたか。ただ、『現代思想』のあの「歩行と思索」は、塩沢さんに限らず「歩行」があまり無いようなものだと思いますが……。
それはともかく、塩沢さんのブログ、読ませていただいてます。ブログというものは、「考えに考え、練りに練った思考を開陳する」というよりも、その都度その都度の状況に足並みを合わせ、とりあえずの考えの萌芽を書き付けるという、、まさに「歩行」にうってつけのツールに思われますので、そういうブログで展開される、体系的にパッケージ化される以前の塩沢さんの散策風景を、これからも楽しみにしています。
複雑系経済学を含むわたしの考える理論経済学の全体像をほぼ書いてみました。たぶん、これでもなお、「分らない。ほんとかな。」と言われるとは思いますが。
塩沢由典
概説・目次
1 経済における進化
1.1 生物の増殖と進化
1.2 商品の進化
1.3 進化概念の拡張
1.4 経済において進化はなぜ普遍的か
1.5 進化経済学の概念
2 進化するものの諸カテゴリー
2.1 商品
2.2 技術
2.3 行動
2.4 制度
2.5 組織
2.6 システム
2.7 知識
3 進化の総過程
3.1 変異の機構
3.2 選択の場
3.3 競争と進化
3.4 ミクロ・マクロ・ループ
3.5 進化に開かれた経済
3.6 経済発展
3.7 経済史
4 市場経済の諸原理
4.1 基礎とすべき枠組み
4.2 相対取引
4.3 交換の原理
4.4 裁定と交換比率
4.5 貨幣と価格
4.6 売りと買いの非対称性
4.7 収穫逓増
4.8 切り離し機構
4.9 決定の向きと流れ
4.10 重層的決定
5 分析の枠組み
5.1 過程分析
5.2 進化ゲームと個体群動学
5.3 コンピュータ・シミュレーション
5.4 統計的分析
5.5 歴史研究と実証研究
5.6 経済学の歴史
6 現代的経済の分析例
6.1 企業の生産量決定
6.2 収穫逓増下の企業規模
6.3 経済全体における生産量決定
6.4 価格・数量の決定態様
6.5 価格設定と上乗せ率
6.6 販売量と利潤
6.7 販売努力とベンチマーク
6.8 金融市場のシミュレーション
6.9 薄い板の市場
6.11 国際貿易と所得水準
6.12 経済の累積的発展
7 新古典派経済学のドグマとアノマリー
7.1 均衡のドグマ
7.2 価格を変数とする関数のドグマ
7.3 売りたいだけ売れるというドグマ
7.4 最適化行動のドグマ
7.5 収穫逓減のドグマ
7.6 卵からの構成のドグマ
7.7 数学への盲目の信仰
7.8 方法的個人主義のドグマ
8 進化経済学の可能性
8.1 パラダイムの転換問題
8.2 転換は可能か
8.3 進化経済学の未来
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