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コンピュータサイエンスについて分かりやすく、それでいて誤魔化しを行うことなく書かれた良書。しかも、その扱うトピックは、「コンピュータサイエンスの基礎の基礎」数理論理学という純理論的なことから、メモリやVLSIといった「実物」まで、というスコープの広さ。
そのスコープの広さをもうちょっと具体的に知ってもらうために、ざっくりと扱われている領域を、この本でなされている区分に従って紹介すると、
- アルゴリズムの分析
- 応用
- 人工知能
- コーディングと暗号
- 計算の複雑性
- コンピュータグラフィクス
- データ構造
- オートマタと言語
- 論理とシステムデザイン
- 計算論
- その他
と、ほんと「基礎から応用まで」って感じだね。ま、若干よく分からん区分だけど。
で、こうした領域にまたがる事柄が、全66節に亙って展開されていて、それぞれself-containedなので独立に読むことができるし、それぞれのトピックは6ページから8ページという短さなので、あまり興味のない話題でも、飽きる前に読み終えられる。
読みながらつくづく思ったのが、基礎から応用までを満遍なくちゃんと押さえて、しっかりと書かれたこういう本を使って「情報」なる科目を教えればいいのに、ということ。おれ、よくは知らないけど、ひっどいんでしょ、「情報」って科目。何でも、「情報」なんてでかいこと言っといて、教えられているのは一私有企業のアプリの使い方だったりするとか。そんな、アプリのバージョンが変わったら役立たずになるようなこと教えられてもねえ。
ちなみにこの『チューリング・オムニバス』、日本語訳も出ているんだけど(ただし、旧版)、コンピュータ書コーナの、しかも目立たぬところにひっそりと「さし」になってるので、本当にこの本が射程としている人の目に入ることがなさそうなのが残念。分冊で(全4巻)、しかも1冊約2,000円と、ちょっと高いのも難点。
とはいえ、もし見つけることができたら、是非手にとって読んでみて欲しい1冊。
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