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今日本屋をうろついてたら、この間ちろっと紹介したマラブーの『ヘーゲルの未来』と並んで、『ヘーゲル論理学の真相』、『「資本」の方法とヘーゲル論理学』という本が平積みにされていた。

まあ、これきしのことで「ルネサンス」なんてのは「騒ぎ過ぎ」の謗りは免れ得ないだろうし、むしろ「ヘーゲル・ルネサンス」という名に相応しかったのは、長谷川宏が立て続けにヘーゲルの新訳をぶち放っていた頃(訳書じゃないのも混ざっちゃってるけど、許してくれい)であるとも言え、そもそも、ヘーゲルぐらいのビッグネームになると、「ルネサンス」も糞もなく、「ずーっと現役」な感じもするので、このエントリ名はやはり「看板に偽りあり」だろう。

それはともかく、おれは加藤尚武のこの本を読んだからか、どうしてもヘーゲルのことが嫌いになれず、高校から学部生にかけてヘーゲル全集を定期購読し、「ポストモダン」なやつらを相手にヘーゲル擁護の論陣を張っていた。

そうした挙措には、若いときにありがちな、「人と違うことをしてやろう」といった「ひねくれ要素」が作用していたことは否定できず、全集を読んでいるときも決して「異議なし! 全肯定!」だったわけではないのだけど、そのときから今に至るまで、ヘーゲルの、特にその弁証法の何がそんなにいかんのか、ということがよく分からないままでいる。

確かに弁証法というのは、「最初に結論ありき」といった風の、アドホックかつご都合主義的な理屈なのかもしれないが、それを言ったら理論、特に人文科学系のそれは多かれ少なかれそういうところがあるのではないか? そして、世間的に「ポストモダン」という呼称の下にまとめられることの多い人たちの「ヘーゲル(弁証法)攻撃」だって、その結果として何が残ったのか?と考えると、手放しに称揚できるようなものではない。

……って、こんなことを書くつもりは微塵もなく、「ヘーゲル本、それもその論理学についてのものが2冊も出てたよ!」という報告をしたかっただけなのだが……。

やはりおれはヘーゲルが嫌いではないらしい。

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