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超越論的金融哲学論考/藤崎達哉 著/ISコム 刊(品切れらしいけど、一応アマゾンにリンク張っときます)

でも、けっこう好きな本でもあります。



何でこの本を知ったのか、今となっては全然覚えてないんだけど、ISコムという出版社も、いわんやこの著者も知らなかったし、でもって
『超越論的金融哲学論考』だなんてドえらいタイトルは付いてるしで、もう力の限り「胡散臭〜」なんだけど、中味はなかなかおもしろい。

分析哲学、もしくは科学哲学っぽい話をしてたと思えば、最終章では伊藤のレンマまで持ち出しちゃったりして、一体どこの誰を読者と想定して書いたのかよく分からない本だけど、「哲学」的にも、「金融数学」的にも、そんなに間違ったことは書いてなさそうだし(アヤシゲ〜な箇所は一杯あるけど、それはネタでしょうからね)、一部の好事家には力強く薦められるもの、と思います。どうですか、原作たそがれ清兵衛さん?



で、著者の藤崎さんは商学部で経営と科学哲学を勉強していた、って言うんだけど、商学部で科哲なんて教えてるんですか? それも含めて、アヤシ〜。

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はやしさん、この人のこと知りませんでした。
金融業界は10000人いたら10000人全員胡散臭いという世界です。
グーグルで、著作や経歴を見る限り、少なくともその発言は分をわきまえていると思います。
はやしさん、面白い本のご紹介ありがとうございます。

胡散臭いひと、例えば現在日銀審議委員の水野○さん。
輝かしい経歴の持ち主ですが、このひと、1998年末にこういう発言があったのを覚えています。
ちょうど、円高、株安に、ついに、日本国債の急落が始まったときです。そのときの主張が、日本国債の暴落が長期金利の上昇を生み、日米の金利差が縮小するから円高になり、その円高がさらなる株下落をひき起すというものでした。
短期金利の格差の縮小が円高を起こすのならわかるのですが、長期金利ですよ、長期金利。
それも、景気がよくなって長期金利が上がるのならともかく、国債の信認がなくなって上がるという局面でですよ。  はあああああ?????でしょう。
そんなら、前に破綻した、ロシアなんて、国債が大暴落したのだから、ルーブルはとんでもなく強くなるはず。
ほんま、よく訳のわからんこと(というか、誰が考えてもトンデモ)を、年収2億(推定)ももらって、よくいうなあと感心しました。

超越的でなく、超越論的ということは、自らの言説に自らチェックをかけようというぐらいの意味合いでしょう。
上の水野○さんのように、世には、超越的金融理論を唱えるひとがあまりにもたくさんいます。
是非、一読させていただきます。

それから、私のいた大学では、経済学部なのに明らかに哲学のゼミがあって、私はそこにいました。(ゼミのあだ名は、経済学部哲学科でした。)
原作たそがれ清兵衛 2005/06/19(Sun)21:36:00 編集
この本は是非、原作たそがれ清兵衛さんに読んでもらって感想を聞きたいんですが、惜しくも品切れ。

で、金融業界ってのは、何で「胡散臭く」感じられるんでしょうかね。ぼく自身としては、金融業界全般にまで「胡散臭さ」を感じたり、ということはないんですが、概ね「胡散臭く」響いているんじゃないか、と何の根拠もなく思ってますが。

たとえば、今でこそ「株」ってものがそれなりに一般的なものとなりつつある観がありますけど、一昔前だと、「株? うわーウサンクサ」ってなもんだったような気がします。でも、それはそれで「健全」とも思われないので、ある意味昨今の「株流行り」は寿ぐべきことなのかもしれませんが……(まあ、みんな「いいカモ」になってるだけなんでしょうが)。

それで、何、原作たそがれ清兵衛さん、「経済学部哲学科」卒でしたか! ただ、まあ、何の学科にせよ、「〜思想」とか付けちゃえば、それ風の講座は仕立て上げられますもんねえ(「経済思想」だとか、「経営思想」だとか)。
はやし 2005/06/19(Sun)23:43:00 編集
相場師をトレーダーと言って実態を隠蔽するのは欺瞞です。それは売春を援助交際というのと同じ。だから、私はあくまで自分を相場師といい、私の裏の労働を相場を張ると称します。
私のような個人相場師の10年生存率はだいたい5%ともいわれているようです。かくいう私もつい4年ほど前までいいカモになっていましたし、またいつカモになるかわかりません。これは、まだ日本では社会的に職業と認知されていませんが、それは、健全なことです。
私の唯一の精神的救いは、私の行為を爺さんに非難されても、若い人からは、比較的非難がないことです。しかし、それは、社会全体としては憂うべきことなのかもしれません。

金融業界ですが、こっちのほうの胡散くささは、個人投資家の上を行っています。
なんで、右に倣えとするだけで、あんな高級がもらえるのか不思議です。水野○さんの2億円は結構有名な話ですが、当時の水野さんのレポートって、毒にも薬にもならないことしか書いてないように思えました。
最近は、異常な高給体質は少し是正されたようですが。
要は、業界全体で、お客から、ぼったくっているから、あんな高給体質が許されるのでしょう。

はやしさんのブログの読者のみなさん、若い方が多いと思いますが、決して私のような馬鹿の真似だけはしないようにお願いします。本当に、頭が悪くなりますから。
原作たそがれ清兵衛 2005/06/20(Mon)06:00:00 編集
どうも!昨日新作の売れ行きチェックので<藤崎達哉>で検索中に発見しやした。アマゾンで昔贈呈した本が2倍の高値で売られていたので、誰が売ったかを特定していじめるために…それをいま買い戻しましたところです。代わりに個人の在庫品を半額で出品です。よろしく!
藤崎達哉 2005/06/30(Thu)10:03:00 編集
塩沢さんのときもそうだったけど、本当に愛読している本を、その「愛」ゆえに変に腐した感じに評しちゃったときに限って、著者の方が現れるんだよなあ。というわけで、藤崎さん、この罵詈雑言とも受け取れるのは、愛の証なのでよろしく!

で、原作たそがれ清兵衛さん、半値で買えるみたいですからこりゃあ是非買っとかなきゃ!でしょ!
はやし 2005/06/30(Thu)23:29:00 編集
藤崎先生はじめまして。私ははやしさんの所に寄生している兼業相場師であります。藤崎先生の、手元の現物玉60冊を売りでぶつけて、狼狽売りを誘い、底値で買い戻そうという構想は、価格操作として証券取引法に抵触する恐れがありますので、ご当局のザルのような網にかからないように、一応仕手の本尊としての細心の注意をもってお願いいたしたいと思います。冗談はさておき、是非読ませていただきたいと思っておりますので、本当に売っていただけるなら、まことに幸いであります。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/01(Fri)05:14:00 編集
アマゾンのマーケットプレイスにすでに出品してあるので、上におれが張ったアマゾンのリンクから買えますよ! 是非サイン入りのものを買って下さい! というか、意味もなくおれももう1冊買っておこうかなあ。
はやし 2005/07/01(Fri)05:18:00 編集
先生のサイン入りって、どうやったら買えるかわかりませんでした。マーケットプレースで1冊予約いれさせていただきました。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/01(Fri)05:46:00 編集
藤崎さんがここでのやりとりを見ていてくれれば話は早いんでしょうが(とはいえ、注文を入れたのは実名ででしょうから、判別できないか)、確実なのは、藤崎さんにマーケットプレイスで本を注文した旨メールを入れて、そこで「サインしといて下さい」と併記しとくのが確実、だと思われます。
はやし 2005/07/01(Fri)05:55:00 編集
みなさん。はじめまして藤崎です。このブログ見てるんで注文がきたらサインしときます。それにしても慶応の商学部で科学哲学なんて変ですよね。でも、その昔オイラが学生だったころは西ドイツ経営学という方法論争ばっかやって、実務には無関心というとても楽しい学問分野がありました。そんなわけで、オイラはそのゼミで現代物理学の形成史なんかをやっていたとゆ〜わけです。まさか、この分野が実務に役立つとは全然思っていませんでしたが、デリバティブの基本方程式ってシュレジンガーの波動方程式と同じ形式なので、ファインマン・カッツの公式で解くんです。そういえば慶応の経済にも持丸っていう先生がいてクワインを訳していたと思います。当時は哲学といえばドイツやフランスばっかで英米哲学にいい解説書はなかったなあ。それにフランス系は翻訳者が文学専攻の奴ばっかで…いまから考えると科学方法論である構造主義をまとも理解できていたとは思えん。
藤崎達哉 2005/07/01(Fri)06:53:00 編集
商学部で「方法論争」と聞くと、「あ、なるほど」と思いますけど、とはいえ、やってることは「現代物理学の形成史」とかだったってのは、やっぱり「すげえな」というか、異質な感じを受けますね。

慶應ってのは昔っから、どこの学部に所属かというに拘らず、分析系というか、英米系哲学の伝統があるんでしょうか、今でもそっち系はいい研究者が揃ってますよね。

それにしても、仰るとおり、ドイツ・フランス系、とくにフランスものでちょっと哲学がらみというと、文学系の人がしゃしゃり出てきてトンチンカンなことを言い出す、ってのは、今も昔も、という感じですね。
はやし 2005/07/02(Sat)02:13:00 編集
藤崎先生、非常にあつかましいことをお願いいたしまして本当に申し訳ございませんでした。注文は 家内の名前で行っていると思います。決して私は、おかまさんやおなべさんではありませんので悪しからず。
科学哲学関係の笑いのネタ(まじめな人の訪問が多いはやしさんのブログと読書会で、この手の「ネタだけ」を書いているのは、私のみです)でも思いつけば、お礼に藤崎先生のブログに書き込ませて頂こうかと考えております。みなさんはどうお考えか不明ですが、単に私はアホなだけで、ブログ荒しをしてはいないつもりです。(笑)
原作たそがれ清兵衛 2005/07/02(Sat)05:46:00 編集
林さんのご迷惑でなければ、お笑い系哲学ネタでチョクチョク参加させていただきたいっす。
…で、慶応って右から左までいろんな研究者が放し飼いにされているというのがオイラの印象です。母校だからといってひいきにするわけではありませんが、そんなムチャクチャ馬鹿な研究者はいないのではないでしょうか?まあ研究者の格付けはよく知りませんが、大昔では分析系だと沢田教授が有名だっと思います。あと論理学で大出教授がいたか…もう忘れた。オイラも選択科目で認識論と人間科学の基礎をとってAをいただきました。でも会計学総論と海上保険論でD(不可)を食らって所属が文学部なのか商学部なのかわけわかんない状態でした。
ところで、話をケイオ〜から哲学に移しますと…(オイラは研究者ではないのでよくわかんないことも多いのですが)フランス系だけじゃなくて英米系も1980年代までは怪しい(=能力/学力に疑問の)研究者が多かった思います。大昔買った永井なにがしだったか…パトナムの翻訳があるのですが、もうムチャクチャな日本語で<これなら原書のほうが楽だわい>といった本を持っています。ゼミの学生に翻訳させて、ノーチェックで自分の名前で出版したならわかるが、教授レベルが翻訳したとしたら…早稲田大学の先生の水準は評判通りとゆ〜ことです。英米系のまともな翻訳書は1980年代も後半からですね。あの時期に日本の英米哲学研究者集団のパラダイム・シフト?が起こったのかもね。
藤崎達哉 2005/07/02(Sat)08:31:00 編集
迷惑どころか、大歓迎ですよ! 「カントはすけべ親父だった!」とか、ワイングラスを片手に是非語ってください!

で、藤崎さんも仰るように、慶應に限ってというか、「今も昔も英米系の研究(翻訳紹介)はまとも」というより、確かに1980年代に入ってから英米系はちゃんとし始めた、ってのはそうかもしれませんね(ぼくもちゃんと調べたわけではないので付和雷同って感じになっちゃいますが)。英米系は大陸系に比べて言表内容もストレートだし、文章もレトリカルではないので(とはいえ、おれ、クワインの文章は苦手であります)、それが元になった「麗しき誤解」だったのでしょう。

永井某教授、その人カルナップの翻訳もやってますよね? ぼくはその訳本を見ていないので確たることは言えませんが、それもわやくちゃなのかなあ。
はやし 2005/07/02(Sat)20:55:00 編集
藤崎さん、はじめまして。
ブログ拝見したのですが、高速のお話は、私のテリトリー内なので、のけぞっちゃいました。逗子、釜利谷方面から中華街に行かれるのでしたら、やはり出口は「三渓園出口」が正解です。降りたらずっと直進、山下公園の交差点を左折、次の信号を右折、二つ目の信号の左手が、中華街入り口です。
食べる事、お好きなのですね?
Sinta 2005/07/02(Sat)23:43:00 編集
はやしさん、数学と相場(≒博打)のお話が出てきたので、博打に関する重要な数学の問題を書かせていただいていいですか? 私、だいだいの答えは経験から分かっているつもりなのですが、証明と数学的な解についてチンプンカンプンなんです。(笑)
原作たそがれ清兵衛 2005/07/03(Sun)06:57:00 編集
どんぞどんぞ。ここでも、読書会でも、どちらでもお好きな方に書いてください。
はやし 2005/07/03(Sun)07:17:00 編集
私が、悩み続けている難問です。というか、手に負えないのでとっくに放棄した問題です。
結構、プロのギャンブラーの中で真剣に考えられている問題であるはずなのに、この問題の解法にお目にかかったことがまだありません。実は、結構な難問ではないかという気がしています。
1回の博打で、勝つ確率はN(=負ける確率は1−N)とします。勝った時に得られる利益額と、負けたときに失う損失額の割合はM:1とします。こういう固定的勝率と、勝ったときの収益額と負けたときの損失額の比を持つものがいるとして、1回あたりにかけるべき資金(つまり負けたとき失う損失額)は、自分の手元の総資金の何%が適正(=つまり、効率よくお金を増やし、そして、できるだけ資金が急減する恐怖を体験せずに済む)かというのは、数学的に証明可能でしょうか?
経験則ではNや、Mが常識的範囲内で色々変化する限り2%あたりに正解が集中しているのではないかと思っています。(これは、各勝負の勝ち負けを乱数で決定して、適当にNやMをいじくりまわしてエクセルでいろいろ試したらそうなったということです。)勿論、数学の証明の答えには、必ず、NやMは変数として含まれていると思うのですが。
ここで、「効率よくお金を増やし、そして、できるだけ資金が急減する恐怖を体験せずに済む」の定義は、
Aを 1000回(10000回でもいいですが)の賭けの後の「初めの元本額」に対する「総利益+初めの元本額」の倍率 
Bを 任意の時点から発生する利益の吹き飛び額の その任意の時点までの「総利益+初めの元本額」に対する%の最大値
として A/Bの最大化を図ることとします。

ただAについては、大数の法則が使えて、数学的に確定可能だと思うのですが、Bについては何がしかの前提が必要かもしれません。なぜなら、連続して負ける、あるいは、断続的に結構、負けが込むという事象の発生確率、簡単に言うとどれぐらい派手な負け方の事象がどの程度の確率で発生するかは、大数の法則を使っても確定できないからです。

賭博者の理想は、Y軸に総利益+初めの元本額の推移、X軸に賭けた回数をとった曲線が、いかに綺麗な右肩上がりを描くかであります。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/03(Sun)17:53:00 編集
最近は自分のサイトの前にこちらをクリックしてしまう藤崎です。ドゥルーズの強度概念に関して問題提起しようと思っていたら…原作たそがれ清兵衛さんに問題提起されてしまいました。マルチンゲールの変形問題ですね。証明とか苦手なもんですぐにコメントできませんが面白そうですね。
あと、Sintaさん。やっぱ釜利谷方面からはあの出口しかないのですね。いまいちです。これで葉山&逗子からの帰りは中華街ではなく、浜川崎のコーリアンタウンの内臓料理になりそうです。
それにしても…オイラのブログのコメントをなんではやしさんのブログでやってんのか?楽しすぎる。実は来週からデリバや為替がらみの金融情報を提供する新会社が発足し、そこのコンテンツとプロダクトのマーケティングを統括することになったので若干忙しくなりますが、このサイトのコメントはできるだけ継続したいでごわす。
そういえば、週末にポパー哲学研究会から冊子と会費納付の紙が届いた。まずい3年ぐらい払ってねえや!
藤崎達哉 2005/07/04(Mon)19:29:00 編集
原作たそがれ清兵衛さんの問題に何らかの応答をしようと思っていると、先に藤崎さんのレスが!

で、原作たそがれ清兵衛さんを悩ませている問題ですが、勝率と損失額率が固定なのですから、あとは元手さえ判明すれば……とも思うのですが、賭け金は固定ではないんですよね? それを定めるアルゴリズムというか、パターンを記述しないと、ちょっと何とも言えないのじゃないか、という気がしています。そうなると、素人考えだとベイジアンとか持ち出して……とか思っちゃいますけど、どうなんでしょう?>プロの方=藤崎さん

ドゥルーズの強度概念に関する問題提起、これも気になりますねえ。ドゥルーズの言うことって、けっこうどれもこれも問題含み、というか、素直には肯んぜないようなことばっかりを言ってたりするんですが、オンライン読書会でドゥルーズの『ベルクソンの哲学』を読む過程で、強度概念も含めてけっこうな部分がベルクソン譲りなんじゃねえか?という感じを持っています(まあ、そんな最初っから分かってることじゃねえか、ってのもそうなんですが)。

それにしても、研究会費を3年ぐらい払ってないというのもすごいが、それでも会報を送ってくる研究会もすごい。
はやし 2005/07/04(Mon)20:56:00 編集
とりあえず強度について…。実はオイラはフランス哲学に関しては20年以上も前に挫折したのでほとんど読んでません。読んでも何言ってるのかようわからんのです。そんなわけで、ドゥルーズに関しては、現代思想とゆ〜青土社の雑誌の特集で<思考のイマージュ>の最初の50行ぐらいを読んだだけです。
…で、「読んでないくせに問題提起だとは何事か!」なんて、はやしさんは絶対言わないタイプ人だと勝手に推測するので問題提起をしたいのです。最近デリバがらみの解説を書いていて、もしかして奴ら(フランスの偉い哲学者)に言いたかったのは、こういうことではなかったのか?と思うようになった次第です。
ドゥルーズも含めてフランス現代思想は、現代数学の概念のメタファーなのかなと感じるのです。まあソーカルのような自然科学者に馬鹿にされるような意味不明なメタファーももちろんあるかもしれませんが…。
さて、現代数学の起源をいつあるいは誰に求めるかは議論の余地がありそうですが、きっかけはフーリエ級数、パラダイム形成の起点はカントールの実数論あたりでしょう。
カントール以降、無限次元の問題系が登場するわけですが、確率論なんかで、直感から自然に導出できる有限次元と厳密な論理が要求されるの無限次元の違いが際立ってきます。
ここで具体例として、ヒストグラムをその母数で除した離散確率分布を考えてみると、その高さ(Y軸)は確率となります。ところが実数軸上で展開される正規分布の場合、その高さは確率ではありません。実数軸上では確率は面積として定義されるからです。この場合、高さは何かといえば、それ自身では意味を持たず、実数(X)軸の区間との積で初めて確率とゆ〜意味を持つ<何か>です。数学ではこれを強度と呼ぶのだと理解しています。ドゥルーズのアンタンシテはどんなもんなのか?
藤崎達哉 2005/07/04(Mon)21:56:00 編集
ベイジアン。アホの私が知るはずもなく、検索をかけると・・・・・なんと、システム運用、システム運用と、このなんとも甘美な言葉が羅列されているではないか。ああ、これは聖杯に出会ったかと思いきや、クリックして開けると、ITのシステムの運用で、デリバティブのシステム運用に関係なしでありました。あらら。(笑)
はやしさん。あの問題は、現在の手元資金の何パーセントを固定的にリスクにさらすべきかという問いであります。
ところで、藤崎先生、先生のご本ですが、私(の家内)で、約定しましたでしょうか。実は2100円で、買いのオーダーを入れさせてもらったのですが、アマゾンから約定通知が来ません。バイカイが 買い2100円、売り1050円なら、約定しないのでしょうか? なんでしたら、先生、私(の家内)の売り板、2100円で取っていただいて結構ですので、よろしくお願いいたします。
先生、先物は本当に難しいですね。オプションをやったら、かもられてばかりだから、オプションはさすがにほとんどやめました。結局、225先物は、最近儲かるようにはなりましたが、システム運用は放棄しました。(使えそうなシステムはあるのですが、SP500の先物に全く通用しなくて怖いです。あと、225先物のポンコツシステムでも、ランダム化の餌食になったものもあります。)
なんだかんだ言っても、株は所詮素人相手の勝負なんだなって、実感しております。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/04(Mon)22:25:00 編集
>私(の家内)の売り板 ですが 買い板の誤りであります。
しかし、もう、はやしさんのところに勝手に居ついて結構長くなりますが、まさか、こちらで、本当の相場ネタを書くことになるとは夢にも思っていませんでした、本当に、不思議で素敵な「出来事」だと思います。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/04(Mon)22:46:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん、マーケットプレイスに注文を入れずに、アマゾンの普通の注文入れちゃってませんか? ただ、どちらにせよ、「注文を承りました」みたいなメールはアマゾン側から来るはずですが……。もし何でしたら、一回注文をキャンセルして、もう一回マーケットプレイスに注文を入れ直したりするといいかもしれません。
はやし 2005/07/04(Mon)22:51:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん、これも何か縁なのでタダでプレゼントしやすよ!アマゾンを取り消してください。このブログ限定10冊タダで放出じゃ!ワインの飲みすぎで先の投稿もチョッとおかしい文体になった。もう寝る!
藤崎達哉 2005/07/04(Mon)22:58:00 編集
先のコメントの補足。

もうちと具体的に言うと、『超越論的金融哲学論考』のアマゾンページに行き、右の方にある「1コレクター商品」というところをぽちっとすると、ちゃんと買えるはずです。
はやし 2005/07/04(Mon)22:59:00 編集
うお! すげえ! 太っ腹だ!

というわけでみなさん! 「あんま金融とかに興味ないしなあ」とか言わないで、そういうことを度外視しても非常に面白い本なんで、是非藤崎さんにおねだりしましょう!

多分、方法としては藤崎さんにメールで、「はやしのブログ見たんですけどぉ」って知らせればいいのかな?

というか、本当にありがとうございます。
はやし 2005/07/04(Mon)23:05:00 編集
で、藤崎さんが提起された「強度の確率論的解釈」ですけど、「うーん、うまい! いただき!」って感じですね。とはいえ、ぼく自身がドゥルーズ言うところの「強度」をどれだけちゃんと把握しているか、ということを考えると、はなはだ心許ないんですが……でも、ムリして答えてみます。

まず、「強度」っていう日本語訳がまずかろう、って思います。「強度」と通常訳されているのはフランス語のintensiteなんですけど、これ、確かにこの名詞形だともっぱら「強さ/強度」という意味合いにしても、その裏に「意図」とか「内包」って意味が控えてるんですね。

で、このドゥルーズの「強度」ってのは当然ベルクソン経由で、そのベルクソンはこの「強度」ってものを、量的には比べようのない、質的なものを示す指標として用いています。そしてドゥルーズは、量的でなく、質的な差異を表す指標として、さらには、そういう質的な差異を生み出す源泉として「強度」というものを考えてる……と、まあ、こんな感じのことしかおれには言えませんので、あとは原作たそがれ清兵衛さんやかじいさんなんかのに委ねちゃお、と思います。

ただ、上のように「強度」というものを捉えると、藤崎さんが出された例のように、それだけでは量的にせよ質的にせよ何だかよく分からないが、それの掛け合わせ(multiply。これもフランス語の名詞にするとmultipliciteで、日本語だと「多数多様体」などと面妖に訳されているドゥルーズのキータームですね)によって「確率」という「質的差異」を生み出す「何か」ということで、やっぱり、「うまい! いただき!」ですね。

ところで、ぼくはソーカルらの言い分というのは概ね、というかほぼ100%正しく、数学的な言葉遣いで語る思想家たちは、そうすることで叙述が分かりやすくなるだとか、いわんや内的必然性などというものはなく、ただただその言わんとするところを分かりにくくするだけであった、と思います。
はやし 2005/07/05(Tue)05:58:00 編集
分析哲学あるいは言語哲学系でいえば外延に対する内包ですよね。<藤崎達哉>という固有名が指し示すのは、181cm、67kgの物理的存在=外延(量化可能な意味)であるだけでなく、酔っ払い、いい加減な性格…等々の質的意味?をもつってな感じゃないですか。
ただ、<世の中には計量化できないもんがぎょ〜さんあるよ!>という指摘は正しいのですが、そんなことをわざわざ数学音痴のフランス文学あるいはマルクス哲学崩れに指摘されたくない!とゆ〜のがオイラの考えです。
おそらく、まっとうな科学者は世界で計量化可能な領域は1%もないと考えていると思います。それは相場の予測をみればわかります。
もし構造主義以降の現代フランス哲学に学ぶべきポイントがあるとすれば、量化できないような社会/人文科学的概念あるいは現象をできるかぎり(自然)科学的概念に翻訳しようとする努力にあると考えています。これは重要な作業です。
たとえば、対中賠償やODAをいくらやっても中国は、<日本は反省していない>と言います。謝罪をしても<それは真の謝罪ではない!>と難癖をつけます。しかし、<真の謝罪>なんて個人内面の問題なので測定不可能なはずです。中国は日本政府の観測可能な行動から…手前味噌で「おまえらはまだ反省してないぞ!」と政治カードを切ってきます。
つまり、中国は外延(計量可能な謝罪=お金)と内包(真の謝罪=どうすりゃいいの?)を意図的に使いわけて日本を攻撃しているとゆ〜わけです。
強度という概念は単独では量的意味をもたないが、何かと作用することで外延的意味を持つと考えてはどうでしょうか?
ところで<差異と反復>って<微分と積分>ってことでしょ?
藤崎達哉 2005/07/05(Tue)07:00:00 編集
なぜかは分かりませんが、どうやら、私の2100円の買いオーダーは、そのまま放置されていた模様です。
やり直したら、1050円にて買うことが出来ました。
藤崎先生、はやしさん、本当にどうもありがとうございました。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/05(Tue)12:02:00 編集
藤崎さん、はじめまして。

>もし構造主義以降の現代フランス哲学に学ぶべきポイントがあるとすれば、量化できないような社会/人文科学的概念あるいは現象をできるかぎり(自然)科学的概念に翻訳しようとする努力にあると考えています。これは重要な作業です。

仰る通りだと思います。或る学問が科学たるにはそこにどれくらい数学が適用されているか、という意見をどこかで読んだ記憶があります。

>ただ、<世の中には計量化できないもんがぎょ〜さんあるよ!>という指摘は正しいのですが、そんなことをわざわざ数学音痴のフランス文学あるいはマルクス哲学崩れに指摘されたくない!とゆ〜のがオイラの考えです。

仰る通りだと思います。それで、ベルクソン読解でやっぱりどうしても避けられないのは、Mの存在ですよね?時々どうもアレ?と思ってしまうのは、そのせいかなあ、と。で、Mに向いている気質の方は抵抗なくそっちに這入れるのかもしれませんが......。あ、ちなみに「M」とはMeta-physicのことです。

>しかし、<真の謝罪>なんて個人内面の問題なので測定不可能なはずです。中国は日本政府の観測可能な行動から…手前味噌で「おまえらはまだ反省してないぞ!」と政治カードを切ってきます。

仰る通りだと思います。その辺に関してはマックス・ウェーバーの「職業としての政治」(岩波文庫)がいいと思うのですが…。そこでウェーバーは倫理を「心情倫理」と「責任倫理」に分けています。で、「心情倫理」は政治的には不毛だと批判しています。もし政治上の罪(political guilt)というものがあるならば、そういう是非を問う類の燃え上がる心情倫理で(例えば、「お前達日本人は過去こういうことをしただろう?あちこちで」等々)際限なく相手と口論してしまうことだと言ってます。一方、「責任倫理」の方は...と書くと「責任」という言葉が重々しく響きますが、要は「客観性objectivity」のことです。

>まず、「強度」っていう日本語訳がまずかろう、って思います。「強度」と通常訳されているのはフランス語のintensiteなんですけど、これ、確かにこの名詞形だともっぱら「強さ/強度」という意味合いにしても、その裏に「意図」とか「内包」って意味が控えてるんですね。

はやしさんが仰る通り、僕も「強度」っていう日本語訳がまずかろう、と思います。ベルクソン=ドゥルーズの「強度」概念ですが、これは「外延(空間)ex-tension」の対立概念として措定されていますよね?でも、その先の議論があまりパッとしないように見える時があって時々イライラする時があるのですが。ただ、この「intension-extension」の問題はベルクソン=ドゥルーズだけではなくて例えばフッサールも考えていたようです。だから、そういう「問題系」があるんだろうなあ、と今のところは捉えているのですが。

>ところで<差異と反復>って<微分と積分>ってことでしょ?

その問題は僕には未だ応えられませんが、「微分」にも二通り解釈があって、ドゥルーズの場合はライプニッツ流の「無限小infinitessimal」の概念なんだろうと思います。そこにアラン・ソーカルは噛み付いたのですが、つまりそんな「無限小」の概念は現代のイプシロン-デルタ論法によってとっくに死滅したのではないかと批判するのですが。ただ、今、僕が書けることは、「無限小の概念は死滅した…………ように見えた」ということだけなのですが。微分の解釈に関しては(僕の知る限り)専門の数学者でさえあまり触れたがらない問題のようなので控えますが(僕自身、あやふやですし)。そこを物理学者ソーカルはニュートラルな数学史の教科書を援用してハッキリ書いてしまったのではないかと思われます。ただ、ソーカルのポスト・モダン批判は概ねまっとうなんだろうなあ、と推測されます(「差異と反復」批判の箇所を立ち読みしただけなので…)。

それと、ベルクソン=ドゥルーズが劣位に置いている「可能性」(possibility)という概念とはたぶん「変数X」のことなのではないかと思われるのですが。一方、「潜在性」(virtuality)という概念はそこには入らない、と主張しているような気がします(「ベルクソンの哲学」では)。で、気になるのはその先なのですが、未だ分かりません。どことなく、ベルクソンの場合、やっぱり19世紀の心霊学的なコンテクストと無縁ではなかったんじゃないか、と思う時があるのですが。ただドゥルーズの場合、「差異と反復」になってくると「potentiality」という言葉が「virtuality」と同じ意味で使われてくるように見えます。
かじい 2005/07/05(Tue)21:17:00 編集
>ところで<差異と反復>って<微分と積分>ってことでしょ?
宮本浩樹 2005/07/05(Tue)21:20:00 編集
じゃあ、
「言葉と物」って…?
「無限と連続」って?
「自然と文化」って?
「…と…」って?
どこまでも続くこの系列…。

・・・

と絶句するしかないのか?
M 2005/07/05(Tue)21:24:00 編集
かじいさん

丁寧な意見ありがとうございます。このブログを知ったおかげで、ここ数日、益々胡散臭くなっている藤崎です。これは、はやしさんと原作たそがれ清兵衛さんが悪い!どうしてくれるんだ!ガハハ!

今後、かじいさんを交えて議論すべきはメタフィジックス問題と<差異と反復>と<微分と積分>の差異とゆ〜ことでしょうね。

…で古典力学からすれば、差異の反復が累積され<予定調和的に>積分となります。これが線形な微分方程式です。ところが20世紀も後半となって計算機が発達してきますと解析的に解けないような非線形方程式も力技でとけるようになりました。ここで登場するのが三体問題/ポワンカレ以来の複雑現象の問題系だと考えています。

…ここで複雑現象の問題点は、計算機が発達したので、とりあえずコンピュータで解けることは解けるのだが…それは(目に見える=現前する)現象を説明するだけで、その背後に隠された運動法則は不明だとゆ〜ことです。

…でよくわかんないのですが、リオタール流のポスト・モダ〜ンの思潮って、このような現実を鑑みて、古典力学的な単純な法則で世界を説明しよう!とゆ〜イデオロギーは土台無理な理想なので放棄しましょうとゆ〜主張だったと解釈してます。

さて、それじゃあ、<微分と積分>はどうなってんのといえば、非線形方程式では比例定数が定数じゃないので、差異の累積が<古典力学的な>積分に収束せず、場合によってはカオスになっちまうのである。ドゥルーズは世界の現実をこのようなカオス的数学(そんな分野あるんか?)で表現したかったのでは?今日も飲みすぎ!7月10日で45歳の藤崎でしたあ。
藤崎達哉 2005/07/05(Tue)22:41:00 編集
いやあ、藤崎さん、おれがこう言うのもなんですが、いわゆる「現代フランス哲学」ってやつを買いかぶりすぎだと思いますよ。というのも、藤崎さんは「量化できないような社会/人文科学的概念あるいは現象をできるかぎり(自然)科学的概念に翻訳しようとする努力」って言ってますけど、おれのごく狭い知見の及ぶ範囲では、やつらはそんな「努力」はしてたようには見えないですもん(とはいえ、藤崎さんは「もし構造主義以降の現代フランス哲学に学ぶべきポイントがあるとすれば」とも言っているので、この前件が偽であれば、まあ後件は考えるまでもなく、この命題は真ですからな。それに、確かに努力はしてたけど、それは実りない努力であった……っつーことだったら、まあそうですもんね!)。というかむしろ、「それは定量的に考えた方がいーんじゃん?」っつーことでも、ムリヤリ定性的に押し切ろうとしていたフシも無きにしも、と思っております。そういう「今まで定性的な言葉で語られていたことを、定量的に分析」ということでは、これもまたちょっと「胡散臭め」ではありますが、数理社会学とかの知見の方が、なんぼか要件を満たしている、と思われます。

それで、「強度という概念は単独では量的意味をもたないが、何かと作用することで外延的意味を持つと考えてはどうでしょうか?」ってところですけど、これもね、よくよく考えてみたらラッセルとホワイトヘッドがプリンキピア・マテマティカの第1巻で言ってることなんですよね(序文第3章「不完全記号」)。そこではラッセルとホワイトヘッドは偏微分作用素を持ち出して、まさに藤崎さんが仰られているようなことを言っている。それに、ドゥルーズが言ってる「強度」概念をちょっとさらってみると、必ずしも、何かと組み合わせられると量的なものになる概念としては捉えられていない……。

となると、真にドゥルーズに固有な「強度」概念ってのは何なのよ?ってことになると思うんですが……何なんでしょうねえ、ホント。みんな、「ちびくろさんぼのトラバターみたいなもの」とか、分かりにくいものをより分かりにくくするようなことしか言ってくれませんからねえ。

で、藤崎さんがかじいさんへの返答のコメントで仰っているポストモダンの筋書き、それ、まさに「その通り!」なんですけど、これも「応用系民族のずうずうしさ」で、とりあえずのプレスリリースだよなあ、フーリエにとってのルベーグのような人が現れるといいネ!と、意地悪くも思っちゃうんですねえ。じゃあ、お前何がしたいのよ?っつーと、とりあえずドゥルーズに関して言えば、そういう「エセ数学的」言い回しを外科手術で取り除くと、さてそこには何が残るのかな?ってことを知りたいんすよ、実は。で、何にも残らなかったりして!

それはそうと、藤崎さん、「胡散臭い」のは元々の「芸風」じゃないですか!
はやし 2005/07/06(Wed)02:27:00 編集
そうだそうだ、宮本さん、その問いかけは意図的な「エラー」だろうけど、とりあえず正面突破を狙えば、「微分と積分」って言った場合の「〜と〜」は、たとえば「言葉と物」みたいな、ナイーヴには言えてそうなんだけど、どこか恣意的な観を免れ得ない「〜と〜」とは違って、演算と逆演算だから、それなりの正当性を以って「〜と〜」って風に「と」で繋げちゃってOKなものだと思う。で、ドゥルーズの「差異と反復」にしても、『差異と反復』で繰り広げられている実際の内実はともかく、その発想の源自体はまず間違いなく「微分と積分」(もっと言えば、ベルクソンの「質的な微積分」という発想)から来てるからね。「言葉と物」みたいな対とは、ちょっと分けて考える必要が(ちょびっとは)ある。
はやし 2005/07/06(Wed)02:41:00 編集
はやしさん

オイラも節度あるビジネスマンですから、いちおう相手に不快感を感じさせないようにします。でも「前件」はおそらく偽ですね。そもそもオイラがフランス哲学に挫折したのは、20歳のとき(1980年)にフーコーの「知の考古学」の翻訳を買ったからだと思っています。(真っ黒なカバーなのでコレクター商品にならんかな?)あの日本語を読んで理解できるヤツがいたら教えて欲しいです。永井某のパトナムもひどいが…。

…ところが22歳のころ朝日出版かなにかでフーコー来日時のインタビュー本を買って、それを読むとムチャクチャわかりやすい!あのときフーコーの方法論をはじめて理解できました。その後すぐ死んじゃったけど…。

ここで彼の主張を整理すると、これまでの歴史は理性の立場からの記述であった。そこでオイラ(以後オイラ=フーコーです)は狂気=非理性の立場から歴史を記述するとゆ〜企画を立てた。そんな酔狂な画期的な企画を立てたのは、オイラがはじめてである!文句あっか!

まあ、似たような企画は過去に一部の変人・変態が企てたかもしれんが…体系的な企画はなかった。そんなわけで…歴史と呼べる資料がない。ここで歴史とは、<ある構成原理(意図、思想)の元で体系化された過去データ>のことである。

つまり、存在するのは、これまで誰も整理しなかった過去データの集合体である。だから狂気の歴史記述まず、考古学からはじめなければならない。

しかし、考古学って闇雲にやっても拉致があかないので、方法論が必要である。そこで、オイラが開発した方法論を披露しちゃう!

…これが「知の考古学」ですよね。中村某がチャンとした定義もせず、原表とか言述とか言説とか…わけわかんない訳語をあてたおかげで混乱状態ですが、フーコーはインタビューで、いわゆる日常言語学派と呼ばれるオックスフォードの分析哲学のおかげになったと述べています。

…ええい!こうなったら英語版で読む「知の考古学」講義なんてやるか!それにしても1980年前半までで理解可能なフランス哲学解説は浅田彰氏の「構造と地価」じゃなかった「構造と力」しかないな。しかし、この本も後半のドゥルーズ・ガタリの部分は理解できんかった。

…浅田彰氏は経済学なんてやめてフランス哲学の紹介やってたら大成功したのじゃないのかと思う?やっぱ、アカデミズムの既得権益を破壊するのを恐れたのかな?
藤崎達哉 2005/07/06(Wed)06:55:00 編集
フーコーってのは、いわゆる「ポストモダン」と呼ばれる論客たちの中でも例外的に分かりやすくロジックを追いやすい文章を書く人だ、とぼくも思います。そして、日本にあってはドゥルーズと対照的に、フーコーは訳者に恵まれていた、というのが通説らしいですが……とはいえ、中村雄二郎の「悪訳」ってのは有名ですからねえ。ぼくが学部生のとき、語学の授業でフーコーの『言語表現の秩序』を読んだんですが(にしても、フランス思想とかそういう授業ではなく、単なる語学の授業なのによくこんなもん読ませるよなあ)、そのときの担当教員曰く、「翻訳が出てるけど、全然参考にならない(要するに、楽するためのタネ本には全然使えない)ので、これをテキストにしました」とのこと。で、その朝日出版社から出ていたと思しきインタヴュー本、何というタイトルだったか覚えてらっしゃいますか?

藤崎さんの『知の考古学』講義、是非とも拝聴したいですねえ。読んでるうちにボロカスに貶さざるを得ない事態になっちゃったりするかもしれませんが、それもまた風流、というものです。ただ、フーコー流のアルシーヴ(過去データの集合体)の扱いというのは、けっこう色んなところで実践的知識として今でも生かせるものだと思うので、どんなかたちでにせよ、この『知の考古学』はちゃんとした日本語でアクセスできるべきだよな、と思います。

それで、浅田彰、ぼくはてっきりもうすでに「転向済み」かと思っていました。確かに所属は「経済研究所」とかそんな感じのところですが、京大のシラバスとか見ても、担当科目が「社会思想史」とかで、自身の専門であるはずの数理経済学・ゲーム理論的なものを講じている様子はぜーんぜんないのですから。今からでも、「浅田彰著『ゲーム理論入門』」とか出せばそれなりに売れると思うけど……ちょっと期を逸したか。

かじいさんが提出された論点も含めて、「差異と反復」=「微分と積分」問題を考えたいのですが、なかなか考えがまとまらず、個々バラバラなアイディアだけが浮遊している状態です。「ドゥルーズが考えていた微分はライプニッツ流の無限小を実体として認めるもので、これを今日流のノンスタンダード・アナリシスっぽい知見も交えてバックアップするとどうなるか」とか、「非線形微分方程式のを解く過程での、可積分系の破れとしてのドゥルーズ哲学」とか、トンデモっちゃあトンデモだけど、考える分にはすっげー楽しそうなトピックですよね。

それはそうと、ついにこの「胡散臭い本」が「それなりに見られているページたち」で1位でやんす! やった! しかも、今おれが見てみたら参照数が999だった! 銀河鉄道だ!
はやし 2005/07/07(Thu)02:51:00 編集
ああ、眠い。眠い。おはようございます。
藤崎さん、素人考えかもしれませんが、学者の先生の能力は、オリジナリティーのある論文や著作が、何本書けるかで結構分かるような気がいたします。
藤崎さんからお譲り頂いた本が、大学の先生をされていたときの著作なのかどうかが把握できていませんが、少なくとも、「胡散臭い本」は誰が見たってオリジナリティーのかたまりみたいな本でしょう。哲学について書いて、最後はブラックショールズが出てくる本なんてまず、ほかに無いでしょう。
翻って、浅田彰ですが、彼は、もう20年近く、対談集を除けば本は書いていないはずです。彼は、学者としてもう終わっていると思います。
ただ、マスコミ受けするのは間違いなく、結局彼は「日本一頭の良いタレント」なんだと思います。
彼は、フランス思想を極める能力は、もともと無かったんじゃないでしょうか。
(私は、ドゥルーズを「思想」として、自分なりに生き方として「使っている」だけで、一連のおフランスを「哲学」としては、全く「理解」できてはいません。ゆえに「哲学」としてのおフランスを神聖化するつもりが無いのはもとより、蔑むつもりもありません。というより、どちらもする資格がありません。)

あの「構造と力」、もうどこにしまったかもわからない状態ですが、子供騙しに騙されたというのが私の感想でした。
なんで、あの極端なしょーもない観念論的内容が、ドゥルーズに関係あるのか?
学生のとき、ころりと騙せて、「あの高名なドゥルーズがこんなニヒリズムを説いているのか」と絶望して、人生を変に悲観して今のカイシャを選んだ私の人生を返して欲しいです。(笑)

ああ、それにしても眠い眠い。ふあああああ。(欠伸)
原作たそがれ清兵衛 2005/07/07(Thu)06:15:00 編集
おはようございます。昨日はオヤジ天国の新橋で飲みすぎやした。やっぱ構造主義/浅田ネタを仕込めばアクセスがのびますなあ!
やっぱオイラの世代(1960年生まれ周辺)で物知り顔しているヤツらも、実はぜ〜んぜ〜んわかってなかったってことですよね。オイラなんて当時、ポパーなんて読んでいて…ポパーの主張って学生にもすぐ整理できるほど簡単なんだけど…詳しく検討すると…<クーンやファイヤーアーベントに論破された時代遅れの哲学者>という村上某先生のプロパガンダでは割り切れない面がでてくるんですね。
楽器でいえばポパーはピアノやギターみたいな感じです。とりあえず誰でも音を出せる。それじゃあ現代フランスやフランクなんとか学派はどうかといえば、敷居が高い!なかなか音が出せない!日本では教える先生すらメロディーを奏でることができない(スイングガールズ状態!)。問題は敷居が高くても、先生がダメダメでも、努力して入門する価値があるかですね。どうやら価値がなさそうだぞ!
おっと7時30分だ、とりあえず仕事しよっと!

はやしさん
朝日出版の本は「哲学の舞台」という小さな本だったと記憶してます。ちょっと本棚を探したけどみつからない。
藤崎達哉 2005/07/07(Thu)07:30:00 編集
>いやあ、藤崎さん、おれがこう言うのもなんですが、いわゆる「現代フランス哲学」ってやつを買いかぶりすぎだと思いますよ。

あ、おれもそう思った。ただ、ドゥルーズの場合、やっぱり彼の主著たる「difference and repetition」(Columbia University Press)をチラッと一度でも、ワインでも飲みながら覗いてみるのもそれほど悪くはないように思うのですが…。1ボトル、三千円もしないみたいですよ。で、もしそれを読んで面白くないと思われたら、たぶん、他の著作を買うよりもワインを購入された方が……なんていう声がどこかから聞えてきそうです。それで、「差異と反復」を「微分と積分」に置き換えようとする藤崎さんの「総括的な」問題提起ですが、僕が気になっているのは「差分と微分」の問題です。とはいえ、これは別に揚げ足とりではないので。こちらのドジかもしれないし。それに現代のコンピュータ文化ではどことなく両者は同じようなものとして語られ扱われることも多いようなので。ただ、僕としては「差分difference」と「微分differential」は区別したいと考えているのですが。もしこの読みで良ければ、取り分け問題となるのは「有限と無限」の問題になるのではないかと思われます。
かじい 2005/07/07(Thu)20:10:00 編集
かじいさん

今日はたまたま、金融派生商品(で・り・ば・恥部)の計算システムを構築したい初心者プログラマー向けに講座を開こう!という〜企画を立てていて、当然オイラがプロデューサーなのですが、講義にもオイラが45歳の老体に無知、じゃなかった鞭打って、自ら出撃とゆ〜雰囲気になってしまった。まずい!
だいたい、マツケンサンバのプロデューサーは、マツケンその人ではなかろう!オイラが自ら踊るんか!それって、パパイヤ鈴木状態じゃん!っと抗議しつつも、自作自演企画が進行しそうですが…実際問題、デリバティブズの計算システムの実装になると、数理ファイナンス(=確率過程論微分)の微分は、差分で近似(=金融工学)となります。
おそらく!多くの人は、微分は所詮この世に存在しない。コンピューターでは0.000000000001みたいな差分でしょと解釈して納得するのだと思います。(あっ!ちょと緊急な仕事が入った!来週から新会社発足なもんで…)また投稿しやす。
藤崎達哉 2005/07/07(Thu)22:02:00 編集
目が覚めたら4時20分だった。金融哲学者の朝は早い…。

さて、昨夜の続きですが<微分は所詮差分ではないか?>とゆ〜問題ですが、残念ながら、この問題はメタファーだらけの現代フランス哲学では解決できないと、ロクに研究してないケド、思います。

もしオイラがアカデミズムの人間だったら、用意周到なお膳立てをしてから回答すべきですが…反射的に答えるとすれば、科学哲学的文脈では、微分は理論的存在(者)の問題だと思います。

簡単にいえば、理論的存在者を肯定する立場を実在論、そんなもんは人間の妄想で目に見えんし直感的にも理解不可能である!とする現象論の終わりなき論争の問題圏で吟味する方が<実りある>と考えます。

オイラの立場は、<数学的実在が存在する>と実在論ですので、微分を机上の空論あるいはレトリックとする考えには賛成しがたいっす。

だいたい、すべてをレトリックとかメタファーといってしまえば、何でもありでしょ(Anyting goes!)。そんなんで意味不明の文章を量産されたら<科学>は成立しません。

理論的存在者の問題は、有名どころではプラトンのイデアから中世普遍論争の実念論なんかを題材に…あ〜でもない、こ〜でもないと議論できますが、オイラの個人的な意見では、現代科学哲学の起点である、ボルツマン(実在論)とマッハ(現象論)を吟味するのが一番クリアに論点整理できると考えていやす。パトナムまでいくとまた訳わかんない解釈するアホがでてきそうだし…。
藤崎達哉 2005/07/08(Fri)05:41:00 編集
藤崎さん、おはようございます。金融哲学者の朝は早い……って、4時20分は早過ぎっしょ! じーさんばーさんの世界ですよ!(って、ご老人の朝はホントーに早いんだろか?)

で、かじいさん自身は別に「微分は差分に過ぎない」と言っているわけではないと思うけど、確かにコンピュータがらみでは不可避的に差分が出てきちゃう(今はなきComputer Todayという雑誌で差分に関する連載をしていて、その当時は一生懸命読んでいたのだが……何が書いてあったか忘れちまった)。さりとて、それはコンピュータでは無限を直に扱えないという制約のしからしむるところで、そこから「多くの人は、微分は所詮この世に存在しない……と解釈」するってのは、ちょっと悲観的というか、そうかなあ、という感じをぼくは持ちます。もっとも、ぼく個人が「そうかなあ」なだけで、実際には藤崎さんの仰るような「微分は差分に過ぎない」という見方が多いのかもしれません。

何にせよ、ここいらの問題は、いわゆる「フランス哲学者」の手に負える問題ではないし、そのことを真正面から扱おうとしているようにも思えないので、まあ彼らのことはここでは措いておいて構わないでしょう。

それで、かじいさんが「差分と微分」の区別を立て、その上で「有限と無限」の問題ということを提起していますけど、この「有限と無限」、もっと言えば「数学的無限」に関しては、カントールが実無限というアイディアを出したとき、一瞬火の粉が立ち上ったように見えたけど、今では誰も(少なくとも、直観主義を奉ずる数学者以外……って、そういう数学者からして見つけるの難しそ)文句は言ってないように思います。

だから、えーと、何が問題になっていたんだ……そうそう、だから「餅は餅屋」ってことで、そういう科哲っぽい議論に関しては、フランス哲学、というか、分析系に対立するものとして捉えられた大陸系の人たちには、「お前らはすっこんでろ!」か「一からテクニカルなことを勉強して出直してきてくれ!」って言うしかないんじゃないかな。

ちなみにおれも科学的実在論(もうちょっと細かく言うと、対象実在論、かな)の立場を取りますけど、とはいえ、テクニカルな点では直観主義が用いる構成主義的な方法ってのも気になるなあ、って感じです(だって、直観論理の立場で、つまり、排中律と実無限を持ち出さないで、解析のほとんどを「構築」しちゃってんですよ! すごくないですか、これ?)。

で、事のついでに、実在論者の藤崎さんに聞きたいんですけど、たとえばダメットなんかの主張はどう思いますか? おれ自身、ダメットが言ってることがイマイチよく分かんなかったりするんだけど、何か手強い反論を実在論にかましてるような気がするんですよ。いや、ほんと、おれがよく分かってないのに聞くってのも尋ねるってのも恐縮なんですが。

……って、話はいつの間にか実在論と反実在論のことになってきたよ……。何かよー分からん!って人は、戸田山和久さんの『科学哲学の冒険』でも読んでね! おれの読書感想文はここ。
<a href="http
はやし 2005/07/08(Fri)07:30:00 編集
昨夜は市ヶ谷で飲みすぎた。吐き気がする。予約していた歯医者キャンセルしちゃおうっと!オエ。

…で反実在論のダメットですが、まったく読んでないので、すぐ返答できやせん。勉強しやす。オイラが卒論書いてたのは1982年冬ですが、その頃まででオイラの哲学の知識がいったん止まってます。

たぶん卒論で引用した論文で当時一番新しかったのは1981年にでた実在論とか科学知識の進化に関するもので、パラダイム論争って結局<実在論に対する立場の問題でしょ!>という総括期だったと思います。だからクワインの指示の不可測性なんかや、パトナムの実在論が登場して<科学史の議論から正しい哲学の議論へ移行作業>がほぼ終了した段階だったと思います。

まあ日本語の場合は、村上某がファイヤーアーベントのアンチ方法論を翻訳して、なぜか意味不明のフランス哲学とつるんでワーワー騒いでいたので、10年ぐらい遅れていたのかもせれんません。

簡単に馬鹿にすれば、英米のファッション雑誌を眺めると、ショートヘア&ボタンダウン・シャツのトラッドがはやっているのに、日本ではサイケなパンタロンをはいたヒッピー・ファッションが流行っていたとゆ〜わけです。

…とまた下らない前置きをしてだけではなく!今日はこの前置きだけで終わってしちゃおう!と自分に優しい決断した胡散臭い藤崎その人でしたあ。

しかし、次はオプション・ボラティリティーの本を書こうと思っていたのに、フーコーの知識考古学の英語版やダメットを読まなきゃいけなくなった。50歳過ぎたら哲学者で本格デビューすっか!
藤崎達哉 2005/07/09(Sat)10:06:00 編集
藤崎さん、大橋巨泉みたいに、コーヒーカップ持ってベランダから外見てそんなこと言っていたらだめですよ。まだ、日があがってないですから。
とはいうものの、私も4時起きがあたりまえ。金融に足を突っ込んだ人間というものは、朝が早くて当たり前なんですよ。はやしさん。
おかげで、眠れん、眠れん、今週は、帰宅が遅かったので、眠い眠い。

藤崎さん
私は、オプションをあきらめたというものの、実は、225の場合、SQ直後、SQ2週間前に、プレミアムが一気にはげることとかには、気づいています。先の資金管理と適正に組み合わせると、結構ボロクソ儲かったりしてとかとも思っています。
でも、この研究はまだ、先のこと。今のカイシャやめてからですね。流石に時間がないですから。
今度は、マートン=ショールズ藤崎と、メリーウェザー原作たそがれ清兵衛が組んで、98年に実現できなかった、国際金融資本主義の終焉を実現しましょう!! っていうけど、それなら、私も、藤崎さんも一文無しだ。こりゃ、大変。

はやしさん
フーコーが実は難解でないと教えていただいてありがとうございます。
フーコーの「吉」関係の歴史の研究だけはちゃんとおさえておかないとと思っています。これは、晴れてエロニートになった時にやりたいことに密接に関係していますから。
日本語で読むなら、フーコーって、どの本から手をつけたらいいか、もしわかれば教えてください。

微分差分、実在論非実在論の話をしておられるのに、また、半分ネタもので割って入ってすいませんでした。
一応、生存確認のためまでに。

はやしさん、どうやら、来週も読書会、忙しくて戦力外のようです。とほほ。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/09(Sat)18:08:00 編集
>さて、昨夜の続きですが<微分は所詮差分ではないか?>とゆ〜問題ですが、

いやいや、僕はそういう言い方はしてませんよ。で、0.0000000001、というよく知られているアプローチは別に間違っているわけではなく近似の一つの方法に過ぎないと言いたかったのですが。差分による近似でもいろいろ方法があるようで。でも、どうあれ「コンピュータ上では」微分は存在しないと僕は考えています。それはやっぱり、無限の問題で、ただ無限という言葉だけだとあれなんで、要は「無限級数」の処理なんじゃないかなあ、と僕は思うのですが。そういうわけで、一般に「微分は机上の空論あるいはレトリックだ」なんてゆ〜空恐ろしい主張は僕はしておりませんが。そうそう、はやしさんが言うように「寿司は寿司屋」で、ですよね。
かじい 2005/07/09(Sat)20:18:00 編集
かじいさん

オイラの返事がいまいちでしたあ。オイラは、かじいさんがそんな主張していると考えてはいません。あくまでも、かじいさんの問題提起をうけて、議論可能なように乱暴な定式化をしたと考えてください。

オイラの場合、<結局それってXXXでしょ!>という定式化/凡庸化?をします。なぜそんな安易な定式化をするのかといえば、それは問題の明晰化をするためです。それを批判的に吟味することで、理解が深まるし、場合によっては新たな問題が提出されるのではないでしょうか。

たとえば、弟子が師に<師匠、XXは△△とゆ〜ことでしょうか?>と質問する状況で、師が<そうでもあるし、そうでもない。>なんて曖昧な答えをするほうが、いかにも深淵であるように感じます。

ここで<そうなんだよ!もう理解しちゃたの。アッタマいい!お前ももうすぐ師範に推薦してやるよ。>なんて安易に答えちゃったら威厳がなくなります。ただ、それすら理解していない師も紛れ込んでいる可能性がありますが…。

同じようなことが、仕事でもいえます。無能な上司に限って<人生そんなに甘いもんじゃない!>とかわめきますよね。多くの場合、そのような無能な上司は、自分でも問題の整理&定式化ができていない可能性が大なんじゃないかな?

逆に明晰な定式化ができない分野は、正直に<オレもわからん>と告白したほうが、すくなくとも優秀な部下は尊敬してもらえると考えています。

そんなわけで、オイラのスタンスは、シロクロで割り切れるものは割り切ったほうが早い。そのための定式化だと思っています。まあ、定量化が可能な領域と同じで、そんな分野は1%もないと思うので、議論の出発点と考えてください。
藤崎達哉 2005/07/09(Sat)21:26:00 編集
そうだ! 原作たそがれ清兵衛さんにも返事しちゃおう。

本届きましたか?このブログで10冊放出決定でしたが、誰も申し込みがなかったので、少しめげて…原作たそがれ清兵衛さんの申し込みに3冊梱包しました。三冊ともサイン入りですが宛名はペンネーム、実名、奥さんの名前にしちゃいました。ガハハ!

…で日経225オプションですが、個人でショート・ポジションとれるのですか?ここ数年は、NYもそうですが、うだうだ行ったり来たりした相場なので、コールもプットもロングでは厳しいのではないでしょうか?オイラは金利系なので株式はあまり見てませんが、そんな感じがします。
藤崎達哉 2005/07/09(Sat)21:41:00 編集
藤崎さん、3冊もどうもありがとうございます。まだ、最初のほうしか読めてないですが、いきりガハハ調がありましたので笑ってしまいました。ブログそのままの文体で書いておられるのですね。
思考のチョンボのパタンを色々と指摘されていましたが、そこを読んでいて、
実は、昔為替であった「小宮―クー論争」を思い出しました。そのとき、貯蓄―投資=輸出―輸入 を 小宮氏が引っ張り出して、「円高の元凶はアメリカの貯蓄不足に原因があって、日本に責任は無い」と論じていて、小宮氏の教え子が霞ヶ関に沢山いるからか、官僚も本気でそう言ったものでした。
貯蓄―投資=輸出―輸入 ってのは、まさに事後の恒等式であり、事前にアメリカが貯蓄を増やす政策をとったとしても、それが投資、輸出、輸入にどう作用して、事後的に、貿易収支が改善するかどうか、一切何も語ってないのによくこんな「ト」を言うなあと思ったものでした。
「大金融哲学者」に限らず哲学をかじった人は、こういうチョンボだけは絶対にやらないでしょう。
哲学をかじっておくということは、それだけでも意味があると思いました。

藤崎さんの本、文句なしにとても面白いです。
そもそも各章の末尾に、その章の要点整理を「この章を読んでわかったことの整理」なんて「胡散臭」そうな表現をわざわざ使って書いてある本にはお初にお目にかかますの世界です。でも、私のようなアホにも、分かりやすいようにこういう、心配りもして書いてくださっているのだなと思いました。あと、登場人物もずべて藤崎さんなりの概略解説をつけてくださっていますので読みやすいと思います。
みなさん、O円で譲ってくださるので是非読んでみてください。
ただし、送料が藤崎さんもちにならないように、送料着払いでお願いします。
かくいう私も、送料を過剰に藤崎さんに負担頂いていると思うのですが・・・・・。どうさせていただいたらいいやら・・・。
それで思ったのですが、申し込み者ゼロだったというのは、送料はどうさせていただいたらいいかとか、申し込み方が分からなかったから、というのが大きいような気がしています。

本当に、面白い本です。
はやしさん、読書会でやりませんか。藤崎さんの本を。私がレジュメ作りますから。
ただ、経済、金融、相場、デリバティブに全く知識の無い人が、いきなりってのはちょっとしんどいかもしれません。
となると、参加者は、私と、はやしさんと、あと 可能性として、かじいさんでお仕舞いで、読書会は人数不足で不成立かも?

ところで、
225のオプションですが、個人でもショートできます。これだけの膠着相場って、私も経験がないのですが、SQの日に、500円アウト・オブ・ザ・マネーのコールとプットをショートしていたら、ぼろくそ儲かったでしょうね。
歴史的に見て225はコールのショートが一番儲かるはずです。
1ヶ月で1000円上のコールなんて、金融緩和とか、大型の政策発動でもないとまず、ロングしたら紙くずになります。(ただ、そういう時は、早くショートはカバーしないと致命傷になりますが・・・。)プットのロングは、時々、清原のホームランのごとく大当たりしますが、その一発でゲームの劣勢を回復するのは無理ですね。

絶対に、コールとプットって、非対称な商品だと思うのですが、つまり、225は上げのスピードと下げのスピードが決定的に非対称なのに、なぜかIVはいつもほとんど同じ。とても不思議に思えます。

それから、
はやしさん、フーコーの紹介どうもありがとうございました。まずは「狂気の歴史」から読んでみます。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/10(Sun)07:50:00 編集
いやいや、わざわざダメットを読んでもらって……なんてことは考えていません。ただ、もし藤崎さんがダメットの反実在論に関して何か思うところがあるなら、突付けばオモロイこと言ってくれそうだなあ、と無責任に思ったに過ぎないので。というか、ぼく自身、ダメットの反実在論のポイントって何なのよ?ってことがおぼろげですからねえ。

それで、「微分と差分」の話に突入しちゃいますけど、もちろん論点の単純化というか、まずは攻めやすいかたちに問題を分解・簡素化して、というのは、込み入った問題を扱う上での定石だとは思いますが、かじいさんの言わんとすることと、その単純化のポイントがちょっとずれちゃってるのかな?という気がします。かじいさんの言わんとするところは、「微分と差分、どっちなのよ?」という二者択一の問題ではなく、あくまでその両者の関係を問うもので、トンデモを承知でドゥルーズにぐっと引き寄せて言えば、「どうして不連続なものを前にして連続的な認識が得られるのか」ということだと思います(違うかな?)。だから、微分という操作の「実在性」も、差分という操作の「妥当性」も両方認めた上で、「微分が差分で近似できちゃうだなんて、すごくね?」という感じかな、単純化すると(って、単純化になってない?)。まあ、でも、この言明は何の問題提起にもなってないからダメか……。

ところで、本のプレゼントへの申し込み、全然ないんですか!? みんな、遠慮しいだなあ。おれだったら、いの一番に申し込んじゃうけど……おれはこの本、所有してるけど、サイン欲しさにおれも申し込んじゃうか!
はやし 2005/07/10(Sun)12:28:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん、新潮社から出ているフーコーの主著(『言葉と物』、『監獄の誕生』、『狂気の歴史』)はどれも、理解可能な日本語で書いてあるらしいですよ!(伝聞ですんません)でも、書いてあることが理解可能かどうか以前に、長いですよねえ……。

ということで、時期は晩年(『性の歴史』期)になりますが、『同性愛と生存の美学』(哲学書房)という本なんか、分かりやすかったような覚えがあります。

ほんとは『知の考古学』が理解可能な日本語で読めればいいんですけど……これは、藤崎さんの講義に期待、ということで。
はやし 2005/07/10(Sun)12:38:00 編集
>なぜそんな安易な定式化をするのかといえば、それは問題の明晰化をするためです。それを批判的に吟味することで、理解が深まるし、場合によっては新たな問題が提出されるのではないでしょうか。

あ、仰る通りだと思います。そういう明晰化をした方が刺激的です。それで、よくよく考えてみると、或る意味、微分は差分の特殊なケースと言えるのかもしれません。いずれにしろ、両者は(同じではないけど)似ていると思います。コンピュータの場合、どの段階で処理させるかとゆ〜ことだと思いますが。それで、はやしさんのドゥルーズがらみで一つ思いついたのは「コンピュータでは無限は劣化して表象される(re-present)」という表現なのですが。卑近な例で言えば、pi=3.1415926......ということですが。今の小学生はpi=3て習うらしいけど(飲み屋で聞いた話なので本当かどうかは分からないけど)。ベルクソン=ドゥルーズの「連続・不連続」というモデルはある意味「純粋数学での表現をコンピュータ上で再現representする際の問題」とも言えるのかなあ、と。ちょっと話がつながるかどうかは分かりませんが、マイクで現実音をサンプルしてそれをデジタル・フィルターにかけたりする音作りに対して、土台からexp()やsin()なんかの関数を使う行為をピュアな音作りとか言うじゃないですか(言わないっけ?)。あと、原作たそがれさんが指摘されているように、藤崎さんの「超越論的〜」ですが、申し込み方が分からなかったから、というのが大きいですよ。たぶん。
かじい 2005/07/11(Mon)22:26:00 編集
ね、原作たそがれ清兵衛さん、『超越論的金融哲学論考』、ほんとのほんとに面白く、かつ啓発的な本だったでしょ? だから、みんなもオネダリした方がいいですよ! 申し込み方については、とりあえずここに「欲しいんですけどぉ」って書き込めば、藤崎さんが指示してくれますよ(無責任)。

それで、『超越論的〜』、読書会で読みますか? どうせだったら、「経済、金融、相場、デリバティブ」に関する説明も込みでやりましょうよ。ここら辺、みんなそれなりに気になる領域ながら、何をどう、どこから攻めていけば分かりにくいとこだと思うので。

で、『狂気の歴史』、読んでいてもし、「ん? んんー?」って箇所が出てきたら、読書会の方に書き込んでもらえれば、みんなで議論できるので、是非。
はやし 2005/07/12(Tue)05:25:00 編集
おはようございます。昨夜は新会社設立パーティーでまずいワインを飲んでしまいました。家に帰ったら、アマゾンから大学時代に買ったジョージ・ベンソンのLPの復活CD2枚と、大学時代に理解できなかったミシュ〜ルの英訳が2冊届いてました。

一冊は直訳すれば「知識の考古学」、中村某は、サボワ〜ルを<識知>なんて訳(捏造)してたように思う。しかし、英訳ではナレッジ。これは知識でしょ!あとドイツ語なんかでもビッセンシャフトも<学>と訳すヤツが多いが、あれはやっぱ科学である。カントの時代はもっと広い意味だったから<学>と訳すとゆ〜言い訳はダメだとおもいまっせ。それなら注釈をつければいいのでは?
サボワ〜ルだってフーコーのときだけ<識知>?アホか!共通感覚なんていいながら、そういうオマエさん!チョッとずれてんじゃないの?と言いたくなるね。

2冊目は「物事の秩序〜人間科学の考古学」。ここでも日本では<人間概念の死>とか…わけわかんないこと言って、原稿料稼いでいた輩(やから)が多かったみたいですが、そもそも科学的分析では<人間>なる概念は分析の邪魔以外の何者でもないでしょう。<ブラック・ショールズ・モデルの人間主義的解釈>とか、<意識中心の伊藤のレンマ>あるいは<実存のデリバティブズ>なんて、オイラ以外は講義できないぜ!

…で、またまた前書きを書いているうちに6時半になっちまった。朝ズッバ!今日は<微分と差分>やコール・プットの非対称性について登校じゃなかった投稿しようと思ったのに。

それにしても、オイラの本がそんなに面白いなら50冊まで放出しやっせ!送料はオイラ持ちでもかまわんが、気が引けると思うので着払いにしやしょう。送付方法はユ〜パックにしましょう。原作たそがれ清兵衛さんで前例をつくったので、1人最大3冊まで、サインの有無等をオイラの個人メールに送ってください。ただ、送付は休日になります。
宛先はここ。


tf01123@pop21.odn.ne.jp
藤崎達哉 2005/07/12(Tue)06:48:00 編集
おっと、一箇所かじいさんのコメントで気になった点。これは新たな問題提起となるかもしれません。

>それで、はやしさんのドゥルーズがらみで一つ思いついたのは「コンピュータでは無限は劣化して表象される(re-present)」という表現なのですが。

実はポパー学派の切れ者の一人にバートリーというスタンフォード大学の哲学者がいたのですが、彼は現象主義/実証主義をPresentationalismと総括・批判しています。日本語では表像主義と訳されています。

ここでバートリーが言いたいことは、微分方程式のような表現は、世界がそのまま反映されたものではなく、あくまで世界を描写したものであるという立場をとっています。これが反実証主義であるポパーの立場であるとし、これをRe-Presentationalismとし訳者はこれを描写主義としています。

この辺って<訳語>から醸し出されるイメージによって学習者はけっこ〜混乱しそうですなあ。
藤崎達哉 2005/07/12(Tue)07:22:00 編集
日銀が0金利をやる前、クルーグマンまで、ヘリコプターで日銀は日銀券を撒けといいました。このとき、このおっさんにはノーベル賞はやったらあかん、こいつにやるくらいなら日銀の事務方にやれと思ったものでした。
結局この勝負は、藤崎さんの勝ち、クルーグマンの負けです。(これは、別名 扇−岩田論争とも言いまして、一時論壇でかなり幅を利かした岩田氏の負けだと思います。)
と書いても、やはり、藤崎さんの、今の社会的お立場から、コメントはいただけないでしょうが・・・・・。(笑)
でも、私は、はっきりいいます。
「藤崎さんは、小宮氏よりも、岩田氏よりも、水野氏よりも、極めて正当的な金融論者であると。」
藤崎さんが、本当は、まったく胡散臭くなく、いかにして藤崎さんが胡散臭くなくていられるのか? その藤崎さんの思考の源泉がこの本に書いてあると思います。 

数学、物理、哲学に結構うとい私には、ずぶの金融の話以外は、一読しただけでは難しくて深いところまではまだ理解できていません。

しかし、ここに「金融を研究あるいは実践(=相場を張る)している人は必ず、絶対に読んでおかないといけない」ことが書いてある、つまり、「この本を理解することなく研究、あるいは実践(=相場を張る)をやってはいけない」本であるのは絶対に間違いないと思います。

実は、実践者(=相場師)の中でも、論争というか、永遠の喧嘩みたいなものがありまして、テクニカル分析について、マネーマネージメントについて、長期運用か短期運用か、心理か技術か、システム運用か自由裁量運用か、これらについて、色々論争があり、面白いのは極論すればほとんど全員「自分がほぼ絶対正しい」と言っていることなんです。私は、皆同じ程度は間違っていて、そして、他人の間違いが見えて、自分の間違いが見えないのは、藤崎さんのような思考態度が完全に欠落しているからだと思います。

それくらい、金融という世界をどう認識していくべきかが、書いてある素晴らしい本です。

藤崎さんの本は、混沌としたものに対し、傍観者的に哲学することに意味を見出す人には意味がないかもしれません。
でも、その中で、本当に泳いでみようと思う人は、金融関係者に限らず、絶対に読むべき本だと思います。

はやしさん、読書会でやりましょう。経済、金融、相場、デリバティブに関する説明も込みでやりましょう。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/12(Tue)22:14:00 編集
原作たそがれ清兵衛さま

クルーグマンと比べられてビビっている藤崎です。さて、お金ばら撒き論争ですが、いわゆる市場関係者と呼ばれる人たちは、<日銀は受動的にしか貨幣供給ができない!>という貨幣内生主義の立場をとっていると思います。だから有名どころの経済学者が、ここ数年、次々とお金ばら撒き派になった現象に当惑しています。

またまた乱暴に単純化しますと、お金ばら撒き派は、<貨幣とはお札とコインなり!>という貨幣主義と<供給は自動的に需要を喚起する!>というセイの法則から成り立っています。

いっぽう、オイラ達は、現代の経済システム全体では、お札とコインのやり取りよりもクレジット・カードなんかでの決済が圧倒的に多いんじゃないの?だから信用の収縮・拡張を考慮しなきゃいかん!そしてセイの法則はお金のシステムでも成立しないんじゃない?という立場です。

ここでお札やコインにような現金をマネタリーベースとかハイパワードマネーと呼び、この部分のみをコントロールするのが日銀です。それじゃあ、それ以外の貨幣って何なの?そしてそれは誰が供給するの?という…本を読めばなんとか理解できそうですが、実感するのがケッコー難しい問題が登場します。答えは銀行預金であるり、貨幣供給者は普通の銀行です。そして普通の銀行は金貸しがビジネスですから、お金の需要がなければ供給しやせん。

こうなってくると、もう打つ手は限られてきます。再び公共事業をやってしまえ!という財政派と普通銀行に強制的に融資させろ!という恐喝派です。だけど恐喝は犯罪ですから、アナウンス効果を狙って、期待形成しやしょうとゆ〜のが、最近の論調ではないでしょうか?しかし、期待なんて期待通りに形成できないから<期待>なんですね。
藤崎達哉 2005/07/13(Wed)07:16:00 編集
藤崎さん、
通常の経済なら金利を引き上げても、ベースマネーが増えることもあるし、金利を引き下げても、ベースマネーが減ることもありますね。前者は、主に景気がいいとき、後者は悪いとき。これが、何を表しているかというと、ベースマネー(の需要)は、結構モノの世界が生み出す資金需要により左右されるということだと思います。
翻って、昨今のように債券をオペでボンボン吸い上げて、経済の口をこじ開けて、漏斗で水を注ぐがごこと資金供給する日銀の態度ですが、悲しいものは感じますが、仕方ないと思っております。
日銀が資金供給に消極的であるよりは、積極的なほうがデフレを深めないのには効きます。
1932年の世界恐慌は、FRBが、かなり引き締め態度を続けたのが原因であるという、フリードマンたちのマネタリストの主張には、一理はあると思います。
しかし、ベースマネーをじゃぶじゃぶにして、それで、デフレが克服できるかとは、また別問題だと思っています。
マネーばら撒き論者のロジックが?がつくところは、「中央銀行が資金供給を渋るとデフレがきつくなる」(これは正解だと思います)ということから「中央銀行が資金供給に積極的になるとデフレが克服できると」という、トンデモ演繹をしてしまうところです。
このトンデモ思考バタンは、藤崎さんが著書で指摘されていたトンデモ思考パタンそのものであります。
だから、私は、金融関係者は、藤崎さんの本でちゃんと勉強しておかないといけないといえるわけです。

モノの需要がないところに、いくら資金供給しても、それだけは、デフレをましにできても克服はできないでしょう。
それから、日銀のじゃぶじゃぶ政策、今は景気も株価もそこそこですが、今度また景気と株価が、落ちたら、「日銀が株買って、土地買って資金供給を」という声が出てきて、その声が絶頂に達するころアメリカと中国の景気が立ち上がり、なんか、また、日本の株も景気も浮揚してくる。そんな気がしています。
ただ、また、1999年初頭同様に、日銀の国債引受を要求するアホな政治家がでてくるでしょう。あのとき、速水総裁は、よくアホ政治家の要求をかわしたと思います。
0金利や量的緩和は、あのアホ政治家達がいる限り、日銀はやらざるを得ないでしょうね。国債引受よりは絶対にましですから。
もっとも、財政赤字の半分近くにあたる長期国債を日銀がオペで吸い上げている現状は、日銀の国債引受に近いともいえるのでしょうが。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/14(Thu)05:44:00 編集
藤崎さん、原作たそがれ清兵衛さん、おはようございます。何も分かっていないにもかかわらず、お二人の話に割って入っちゃいます。

ぼくの理解する範囲では、クルーグマンを含むいわゆる「リフレ派」の主張というのは、「需要を喚起するために中央銀行は金をじゃんじゃん刷れば?」ということにあるのではなく、藤崎さんが「打つ手」の一つとして挙げてらっしゃる「インフレ期待を形成せよ」というものにあると思われます。ですから、彼らは「実際に金をじゃんじゃん刷れ」と単に主張しているわけではなく、それはあくまで「インフレ期待」を煽るための方便として言われているわけです。

確かにクルーグマンは一時期、単に「日銀は金をじゃんじゃん刷れ!」とだけ主張していた(ように思われても仕方がない)論文を書いていますが(「日本さん、どうしちゃったの?」)、後に自説を批判し、「日本がはまった罠」で明確に「インフレ期待」というものを打ち出しています。原作たそがれ清兵衛さんのクルーグマンへの批判は前者の段階までには確かに当てはまるのですが、後者の段階ではかわされているように思われます。どうでしょう?

とはいえ、この「インフレ期待形成論」だって、そもそもどうなのよ?って話でもありますけどね。


参考URL:
「日本さん、どうしちゃったの?」
<a href="http
「日本のはまった罠」
<a href="http
はやし 2005/07/14(Thu)06:48:00 編集
はやしさん 原作たそがれ清兵衛さん

オイラは金融論者ではないのですが、金融政策って、基本的には綱引き理論だと考えています。あるいは非行化しないように教育する親の立場ともいえるでしょう。フーコーが権力を「それやっちゃダメ!という存在者」であると定義?してたと記憶していますが、そんな立場を体系化したものだと思います。

ところが、相手がゼンゼン綱を引かない…とか息子が思春期を過ぎてもムチャクチャ良い子で夜間に外出もしなけりゃ、彼女がいる気配もまったくないとゆ〜場合、逆に親は打つ手に困ったりします。綱の場合だって、押してもダメですし…息子といっしょに銀座のキャバクラに出撃するのも親としていまいちです。

そんなわけで、需要喚起の理論は今のところ、よくわかんないとゆ〜のが経済学の現状ではないでしょうか?だから、みんな経済理論の期待しすぎなんですよ!だからうまくゆかないと、「あの時ああすればよかった!」とかいうにわか評論家が大増殖するじゃないかと思います。これってジーコとか堀内監督の采配を、ワーワー批判する運動音痴と同じレベルだと思うんだけど…。
藤崎達哉 2005/07/14(Thu)17:02:00 編集
クルーグマンの話、まだ、斜め読みをしただけですが
言っていることは、期待インフレ率をあげて、実質金利をマイナスにしろ、そうしたら流動性の罠から抜け出せるということだと思います。
甘いと思うのは「期待インフレ率をあげて」なんですけど、もし日銀が、インフレが起きても引き締めませんと宣言するとします。
さて、それで、期待インフレ率が本当に上がるのか?
この世が、はやしさん、かじいさん、藤崎さん とういう聡明な人ばかりなら、多分上がります。
でも、1兆円、日銀がヘリで、日銀券をばらまいても、そのニュースを見て大半の人間はインフレが起こることを想像するより、「ああ、あの天から降ってきた一万円札の一枚でも拾いたかったな」という感覚しかもたなく、実際のインフレ期待が芽生えるのは、実際のインフレが起こったときですね。でも、インフレが起こる前提が、インフレ期待にあるなら、インフレは起こらない。

クルーグマンは、さすがにフリードマンのようなマネタリストのような粗雑な議論はやっていないですね。つまり、資金供給すればそれと同じ資金重要ができるとは思っていない。

あと、クルーグマンの議論で、吹き飛んでいるのが、日本政府の債務の異常な大きさ。
インフレが起きたら、長期金利は結構跳ね上がりますよ。そうすると、ただでさえ、利払いだけで、雪だるまの財政は、利払いすらできなくなる可能性すらあります。

ということで、日本の将来、あんまりいいことないですよ。

それにしても、クルーグマンの慧眼は、日銀は、インフレが起きても引き締めてはいけないと言い切っていること。
消費者物価の上昇率がプラスになったら日銀は、国債管理政策をやめて、本気で締めにいくと思いますが、そのとき、また、デフレ再発、株の暴落は、結構硬い路線だと思います。
ただ、外国の経済がどう日本に影響するかが読めないので、決して断言はできませんが。

ちなみに、株の売買に私は、この手のファンダメンタル分析は、ほとんど全く用いていません。

むしろ、クールグマンが凄く嫌う、リアルビジネスサイクリストに近いかも?(笑)
原作たそがれ清兵衛 2005/07/14(Thu)21:50:00 編集
クルーグマンの話読み直して思ったことですが、1期モデルならデフレ脱却は不可能でも多期モデルなら可能としているのが面白かったです。
HP掲載が1998年5月ですから、彼はこの話を掲載してから1998年末から1999年初頭に「ヘリコプターマネー」騒ぎに加わってますので、彼の当時の主張を、マネタリスト的な発想からと思っていた私の記憶はあきらかに間違っています。
そして、まだ、当時の財政は、現在ほど悪化はしてなかったですから、インフレ発生による財政の雪だるま化も、そんなに気にせずにいられたと思いますので、まあ、言っていることは正論だと思います。
ただ、インフレ期待は、インフレが起きる以外に、なかなかつくれないですよ。

クルーグマンも ほとんど日本に打つ手なしだろうが、それ以上に、本当のところは、よくわからんといってますね。
私も同感で、多分もう手遅れなんでしょうが、本当のところよくわからんというのが本音です。
といって、いずれ、ハルマデドン的なことが起こるかというとそれもよく分かりません。
世界の景気が上昇して、それで、経済が改善することはあると思います。
まあ所詮、アメリカや中国頼りなんでしょうね。
でも、長い目でみたら、ああやっぱり、静かなる緩慢なる死が待ってたんだなってみんな後で思うのでしょうかね。
唯一の期待は、インターネット。こいつが、どれだけ経済の構造を変えて、生産性を上げてくれるかでしょうか。
生産性の急激な上昇があれば、人口減もカバーできるかもしれませんね。
しかし、インターネットって、そこまで凄いものか、半信半疑なところでもあります。
ただ、なんとなく、凄そうってのは、IT音痴の私でも感じます。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/16(Sat)03:09:00 編集
藤崎さん、相変わらず絶妙な喩えを出してこられますねえ。綱引きやってんだけど、相手が綱を全然引かねえ!って、それほんと困っちゃいますよね。ただ、今現在、綱引きの参加者が両者とも綱を引くことを投げ出したような、一種レッセフェール状態に入っていて、それもどうか、という感じもするんですが……とはいえ、ほんと理論的にいくら対策が立てられても、いざそれを実行したときの効果ってのは分からんですからねえ。まあ、ぼくは全き外野として、野次飛ばしを愉しもう、というクチですが……。
はやし 2005/07/16(Sat)07:25:00 編集
ぼくがクルーグマンに関していいとおもうところは、分からんことは分からんと言い切る潔さにありますね。クルーグマンのような立場にいる経済学者は、分からんことにも理屈をでっち上げて、それを元に処方箋書いたりということもなきにしもという感じなので、その点だけでもなかなかエライのでは?と思うのは、甘い評価でしょうか?(って、アマアマですね)

ただ、まあ、ケインズが言うように&quot;In the long run,...&quot;なんでしょうが、そうは言っても何もせず手をこまねいてるってのもあれだし、とはいえ、下手に手出しをしたゆえに……っていう可能性もあったりして、難しいですよねえ、ほんと。けっこう他人事ですからニヤニヤしながら見てたりしますけど。

で、「インフレ期待」ですけど、原作たそがれ清兵衛さんの「インターネット期待論」が、図らずもその可能性を示唆しているように思います。インターネット、あるいはIT関連の諸々というのも、現時点では大して生産性を引き上げておらず、まさに「期待先行、実績後追い(しかも、実績が追ってくる保証も無し)」なわけです。そういう風に、今のIT業界に見られるような、向こう見ずなプレスリリースを、みんな一丸となってぶち上げれば、「インフレ期待」も醸成できるのかな、なんて思います。ま、話の性質が違う!と言われれば、ごもっとも、なんですが。
はやし 2005/07/16(Sat)07:33:00 編集
日曜日は3時半に起きて印旛沼へ急行。事前調査なしだったのでクヌギ林発見に手間取る。やっと発見して、クヌギに蹴りを入れたがコクワガタにしか落ちてこなかった。まあガキは喜んでいたのでいいか。8月は九州遠征でカブトブシとノコギリクワガタのGETを目指す!

…で、昔自分のサイトにアップしたことがあるんだけど、需要喚起に理論は1930年代に成立したんだよね。なぜかといえば、当然ながら、大恐慌がその原因。ここで需要喚起の理論とは何かといえば、多くの人はただちに<ケインズの有効需要理論>と答えるはずだ。正解である。しかし、正解はもう一つあるのだ。実はマーケティング理論が成立した時期でもあるんだよね。オイラは<建前としては>経営学説史が専攻なので、意外と詳しい!とエバる。

さて、またまたマーケティングとゆ〜分野に乱暴な定義をすると、<市場のないところに無理やり市場を創る!>方法論であるといえる。具体的にいえば、韓流ブームのように広告代理店(デンツ〜)とTV局が煽れば、うまくゆく場合がある(もちろん、大半は企画倒れ!)ってわけだ。

そんなわけで、政府や日銀も電通のスタッフ(あるいはテリー伊藤なんか)を金融政策のメンバーに入れて、<向こう見ずなプレスリリース>を乱発してはいかがかな?と主張したい!

おっと、今日はその日銀に新会社設立の挨拶に行く予定が入っていた。まさか、このブログ見てないよね。広告代理店の回し者と勘違いされては心外なので、オイラの主張は控えておこう。
藤崎達哉 2005/07/19(Tue)06:14:00 編集
需要喚起に限らず、うまい具合に金融政策を回すには、マーケッターってのはもっと使い道がありそうだよなあ、とぼくも思います。今でも世論操作の一環として電通やら博報堂やらに何らかの役割が与えられてるんでしょうが、やるならもっと本気にかつえげつなくやればいいのに、と思ったりも。何か、日銀やら省庁やらの役人って、変な意地やら矜持やらがあるのか、そこら辺の使い方が煮え切らない感じがします。
はやし 2005/07/20(Wed)05:12:00 編集
ポパーの哲学思想のコンポーネントにひとつに可謬主義ってのがある。まあソロスもそうだけど…<誰だって誤りうる!>とゆ〜当然のことを主張している。問題は、誤ることは不可避だとした上で、誤りが発覚した合理的な対処の仕方を提示しているのが彼の方法論なんだけど…これって頭で理解するのは簡単で実行するのは難しいんですよね。

原作たそがれ清兵衛さんじゃないけど、金融関係の人は胡散臭いというのは、自分でもよくわかってないのに「こうなる!」って断定的に宣言する輩が多いからなのかもしれないですね。

まず世の中で、天体の運行のようによっぽどのことがない限り安定しているシステムはほとんど存在せず、大半は複雑なシステムであるにもかかわらず、一般に人は科学理論に天体運行の予測にような<確実性>を夢見ている事実。

そこに半端な自称知識人が登場して、科学理論を援用して確実性を謳う。これが自然科学コンプレックスの文系型知識人に胡散臭さでしょう。このような似非知識人の誤謬は、科学理論には過大な確実性=予測可能性→人為的制御可能性を夢見ていることです。

…でも火山噴火や地震予知を見てもわかるように、自然にだって、人為的制御可能なシステムってそんな多くないと思うけど。(まず続く)
藤崎達哉 2005/07/21(Thu)10:31:00 編集
(続く)うろ覚えだけど、ポパーは「推測と反駁」の中で、科学が発達すれば、どんな分野でもいずれは天体の運行のように、かなり正確な予測が可能となると考えるのは<19世紀的誤謬>であると書いてたと思う。

そんなわけで、相場の予測も金融政策も需要動向も、実は出たこと勝負の部分がかなりあって、それをなんか理論武装しすぎるから逆に胡散臭いだよね。

クルーグマンは読んだことがなく、すごいヤツだという評判しかしらないけど、<わからんことはわからん>と言えるとしたら、かなり凄腕かもしれん。
藤崎達哉 2005/07/21(Thu)14:05:00 編集
「風が吹けば桶屋が儲かる。」これで、投機の世界ではこれで十分演繹といえるみたいです。かくいう私も相場のことを言い出すと完全にこのパタンです。でも、よーく考えるとソロスもそうなんですね。彼の有名なブームバーストモデルとは、不均衡理論であり、永遠に「風が吹けば桶屋が儲かる」の連鎖を彼なりに考え続け、実際の結果系の相場の世界を見て、こりゃ超トンデモ演繹をやってしまったなと思ったら、素直に間違ってましたと認める それだけのように思えるのですが、それが彼には「実践できた」からこそ凄かったんですね。

金融業界とは、やはり文系の奴が大半の世界で、理系というとほとんどクオンツになって裁定屋以外の仕事はまずしない という暗黙の了解みたいなものがあるのでしょうか。
科学の先端を見てきた理系の連中が、本当に投機の世界に入ってくると、多分ズブの文系出身者の仕事はなくなると思います。連中は、この世はアンロジカルにできているということをちゃんと理解している極めてロジカルな人間ですから。(・・・これは、理系音痴の私のイメージ先行議論かもしれません。)
そういう意味で、まだまだお若い、はやしさんとかじいさんは、本当は相場向きの逸材なんです。お二人とも絶対に相場だけはやらない気がしますが。

最近は、相場張る文系の連中も少しは、賢くなって、偶然性を蓋然性にもっていく研究をあれやこれやとしだした。まあ、この試み自体はいいのだと思いますが、蓋然性を見つけた途端、それは永遠の必然だと言い出すやつがほとんどです。期待値と確率を導入すると蓋然性が必然性になる、そして損することが多少あっても、最後は勝つべきして勝つとか、言い出す。
なんか、変だと思うのですがね。問題は、蓋然性が帰納によるもので、何ら本当の演繹性がない、そして何の演繹性がないものに対して、いくらそこに期待値と確率を導入しても必然性になるはず無いと思うのですが。
だから、首をつる気が無いなら、相場を張らないほうがいいですよ というんですが、どうも僕の論法が、みんなの癇に障るみたいです。

せめて、首をつらないで済ます確率を上げるにはどうすべきか。それは「超越論的」に自分の手法を見てみることぐらいかなとも思うのですが、そう言ってうなずいて下さる金融業界の人は藤崎さんだけなんでしょうね。
ショールズやマートンをもってしても、完全に負けた原因について、あれは1万年に一度の珍事だと言って憚らなかったと聞きましたから。

なんか、とりとめのない話になって申し訳ありませんでした。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/21(Thu)21:26:00 編集
すげーー!! カウンター大暴落。 超ファー・アウト・オブ・ザ・マネーのプットを密かに買い集めておくんだった。しまった。相場師やめる絶好のチャンスだったのに。
原作たそがれ清兵衛 2005/07/24(Sun)17:07:00 編集
あっ!本当だ!地震の影響か?独走態勢だったのに千の桁は1しか表示できなかったりして…。
藤崎達哉 2005/07/24(Sun)19:42:00 編集
原作たそがれ清兵衛 さん

カウンターに絡めていえば、もしかして、日経平均も千の桁が1か0しか表示できなかったりして…。12000円直前になると、またまたシャッフルされて11000円に逆戻り。

まあ、そんなこたあ〜どうでもいいのですが、LTCMに関してはショールズさんやマートンさんは被害者だった思います。辣腕プロデューサーであるメリウエザーの甘い勧誘にのちゃったのが躓きのきっかけですね。

おそらく当時のLTCMのポジションって、外部からの見た目では、集めたファンドの大半を<世界で一番安全な>米国債の購入に充てていたじゃないかと思います。

…でそれを担保にして(レポ市場で)資金調達して、ロシア国債を購入した。いわゆるロング/ショートってヤツだと思います。当時このようなオペレーションをグローバル・アービトラージなんて呼んでましたが、これがアービトラージなわけありません、あれは投機(スペキュレーション)なんですね。これこそ言葉の意図的な御用の典型です。

最近、年金基金の外貨運用なんかで登場する、カレンシー・オーバーレイというヘッジ手法がありますが、これもヘッジではなく投機だと思います。

まあ、確実性のない世界で、営業しようとすれば、言葉のすり替えで顧客の気をひきつけるしかないのかも。だから、金融は胡散臭いと思われるのでしょうね。
藤崎達哉 2005/07/24(Sun)21:57:00 編集
藤崎さん、実は、あれは裁定でなくて、ほとんど投機だったのではないかと実は感じていました。
そもそもロシア国債は、取引の歴史が浅く、値動きのテーダーを検証するにも、裁定の基礎となる統計学的に十分有意なデーターがなかったはずだと思いましたので。
それに、私の感覚では、米国債の長期債、短期債の裁定だって、モデルを超えた仮説の世界でも導入しないと、似非的な意味における裁定すらできないはずなのに、ましてや、ロシア国債と米国債とで裁定なんて、一体どうやっているのだろうと思っていました。
実態は、裁定と称して、実際は投機のロング/ショートを作っていただけなんですね。

レバレッジ50倍かけて、年率40%が危機を起こすまでの実績。
まず、とんでもないレバレッジでもかけなきゃ、普通に考えて、年率40%なんて裁定だけでいくはず無いでしょう。それを、ご当局や、銀行はどう考えていたのか不思議です。
まあ、実際とんでもなりレバレッジは、かかっていましたが。

だいたい、理論上は、本当にノーリスクでも、実際やって、ノーリスクなんてまずありません。
例えば、株と指数先物オプションの裁定でですが、2003年5月のSQの前日の東証の大引け後ソニーがとんでもなく悪い決算をだして、SQ当日ソニーがストップ安比例配分となりました。それで、裁定で、買い持ちしていたソニー株は売れないのに、SQ清算値が算定され、裁定屋は、結構大損こいたとか。一体、市場に、本当にノーリスクの取引って、どれだけあるのでしょうね。
そんなこと、ご当局も銀行も知っているはず。でも、ノーリスクではない超高レバレッジポジションが野放しにされていた。伝説のメリウエザーの顔とか政治力みたいなものでくぐりぬけていたというのは十分に考えられると思います。

それにしても、LTCMの50倍というレバレッジで、年率40%というのは、なんともショボイ成績であります。


あと、株では、偽裁定の疑いがあるものに、NT裁定ってのがあります。要は日経平均をTOPIX(東証株価指数)で割った数が10前後になる特性を利用して、日経平均先物とTOPIX先物の間で、逆のポジションをつくるのですが、これなんかも怪しい怪しい。買い持ちの値段が下がって、売り持ちが上がるなんて、普通に考えても、十分あり得ます。

なんか、一般ピープルが、「よーわからんなあ」と感じているものを、さも分かったような証券マンに売りつけられてそれで、しっかり損をするというのが、悲しいかな金融の歴史です。それで、金融業界が胡散臭く思われるのでしょうね。
原作たそがれ清兵衛  2005/07/24(Sun)23:30:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん

オイラは、LTCMのポジションを調べたことがなく、ロング/ショートと投稿した後で、慌ててネットで調べてみましたが。やっぱ、ロング/ショートのスペックでした。あったり!

ただ最初は、米国財務証券のショートとドル金利スワップのロング(=固定金利のレシーブ)といった、結構スタンダードなポジションだったようです。財務証券と金利スワップの金利差をTEDと呼び、基本的には国の信用力と(一流)銀行の信用力の格差が反映されると考えられています。通常、両者は平行移動するので金利の絶対水準変動のリスクを回避できます、そんなわけで、互いにヘッジし合うには格好の商品です。

とはいえ、国際金融システムが危機に晒されるケースでは、急速にスプレッドが拡大しやす。オイラはこれを<TEDの股裂き>現象と名づけて流布させようしましたが、いまだにオイラ以外の使用例を発見しておりません。そんな股裂きで崩壊したのがLTCMですが…最後はお金が集まりすぎたので、いろんなもんに手を出してしまったようです。ア〜メン。
藤崎達哉 2005/07/25(Mon)13:06:00 編集
藤崎さん、
このポジションって、内容的には、国の発行する借用証書をショートして、それと同じ額面金額分の(平均な)一流銀行が発行する借用証書をロングしてた ってことですか?
それなら、とてもおいしそうですね。確かに国はデフォルトリスクゼロ。一流銀行のデフォルトリスクはゼロに近いがゼロではない。それに起因する金利差は、確実に存在するはずですし。
この取引って、安全でおいしそうだから、みんなが追随しそうですね。そうすると、国の借用証書と一流銀行の借用証書の値段が、どんどん接近するはず。それでも、国の借用証書と一流銀行の借用証書(の値段差というか)の金利差が一定ということは、裁定が後から後からどんどん入る状況においては、なーーんか景気がよかったりして、一流銀行がさらなる借用証書の発行を行い需給が緩んで、一流銀行の借用証書の値段が先の裁定取引で上がった分は、必ずその圧力で下がる、ってことなのでしょうか???  そうこう考えていると頭が痛くなります。

この話とはまた別に金利債券のテリバは、株のデリバと違って難しいです。株のデリバなら、金利が系の外で生まれるので、語りやすいんだと思いますが、金利債券のデイバは、金利が系の中で生まれるために、なんか自己言及しているみたいに見えてきたりもする。

デュレーション、コンベクシティー、コンバージョンファクターやらなんやら、数式の意味もろくに分からず、ほとんど丸覚えしたことがありましたが、丸覚えゆえに、全部きれいすっかり忘れちゃいました。とほほ。

この通り、債券金利については、無知無能ですから、間違っていることは、私の将来のため、ビシバシ指摘してやってください。お願いいたします。
原作たそがれ清兵衛  2005/07/25(Mon)21:54:00 編集
なんか、この自分のカキコ読んでみて、一昔前までなら、ちょー真面目系話だったのに、いまじゃ、完全にネタ系にしか見えないですね。
はやしさんのブログのコメント欄、結構、急激に様変わりしたような気が・・・。
原作たそがれ清兵衛  2005/07/25(Mon)22:12:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん

自意識過剰な藤崎です。自意識過剰なオイラが推測するに…オイラが参入したので、みなさんの論調が<ネタ系>になったと考えとるでゴワス。オイラの著作の文体も少なからず影響がある、それにタイプミスで助詞がいい加減である。これも、それも、オイラを巻き込んだはやしさんと原作たそがれ清兵衛さんが悪い!ガハハ!
藤崎達哉 2005/07/25(Mon)23:22:00 編集
あのう、タイプミス、それに加え誤字脱字は、私の「専売特許」です。
私の「借用証書」云々の書き込みについて、一字一句全く相違無い書きもみを行っても、一昔前なら「ちょー真面目系話」に見えたはずなのに、今では完全に「お笑い系ネタ」にしか見えなくなったなあという意味合いです。今は自分の周りには真面目系話しかないですから。
相変わらず、表現が悪かったなあ、俺。
原作たそがれ清兵衛  2005/07/26(Tue)06:29:00 編集
原作たそがれ清兵衛さんの意見とは逆に、おれはむしろ最近の方が「ちょー真面目系話」にコメント欄が流れてるなあ、と思います。ただ、あくまで直近の傾向を取ればそう見える、というだけのことであり、今も昔も、「チョー真面目系話」もあれば「ネタ系」もありという感じで、つまりは「急激に様変わり」という原作たそがれ清兵衛さんの感慨は共有できません。もっとも、原作たそがれ清兵衛さんだけに話を限って言えば、書込む内容が「真面目→ネタ」という推移を示している、というのはそうなのかもしれませんが(ただ、この点についてもおれは「そうかぁ?」です)。

あと、それこそ「ネタにマジレス」になっちゃうんですが、藤崎さんがいらっしゃる前から元々、このブログは藤崎さん的文体の統べる地だったのです。だから、誰も悪くない!
はやし 2005/07/26(Tue)12:27:00 編集
あ、なるほど、周りが「ちょー真面目」化しているがゆえに、原作たそがれ清兵衛さんの書込みが、相対的に「ネタ系」として際立ってしまっている、と。

ただ、やはり「コメント欄の急激な様変わり=ちょー真面目化?」については肯んぜません。たとえば、理系/文系を巡る下記の遣り取りなんて、「ちょー真面目」以外の何ものでもありません。
<a href="http

だから、まあ、周期があるってこってすよ! というか、急激に様変わりしようが何だろうが、おれはどーだっていいんですよ!(いや、ほら、原作たそがれ清兵衛さんの言いっぷりが「昔日を偲ぶ」みたいな口吻だったから)
はやし 2005/07/27(Wed)02:24:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん

&gt;&gt;&gt;
このポジションって、内容的には、国の発行する借用証書をショートして、それと同じ額面金額分の(平均な)一流銀行が発行する借用証書をロングしてた ってことですか?
それなら、とてもおいしそうですね。確かに国はデフォルトリスクゼロ。一流銀行のデフォルトリスクはゼロに近いがゼロではない。それに起因する金利差は、確実に存在するはずですし。
&gt;&gt;&gt;

金利系デリバが難しいのは、金利の期間構造なんかが登場して複雑になっちゃうからですね。でも、デリバに限らず金利系商品が、難しく感じられるのは…実は金利系商品のトレーディングは<金利をトレーディングしてない!>とゆ〜事実をプロ以外なかなか体感できないからだと思います。

簡単な例で言いましょう。為替をトレーディングをする場合、為替水準(=レート)を、株式では株価を取引します。定期預金や債券のような金利系商品で元本と呼ばれる部分です。

ここで金利系の場合一般には、デフォルトしない限り元本は変動しないと思い込まれていますので、運用する場合は、誰でも、できるだけ高い金利、調達の場合はその逆を選好するでしょう。

しかしながら、この金利差は金利系商品を償還時点まで保有した場合にのみ実現できるの差益(インカムゲイン)であって、短期間で勝負するトレーディングでは重要ではありません。

そんなわけで、金利系でも結局のところ元本の変動性に賭けているわけで、その場合2つの金利系商品の金利水準の差は問題ではなく(…もちろん、同じ信用力なのに金利差があればアーブできますが、プロの世界ではその機会は基本的に存在しないと考えてOKです。)、2つ金利の<相対変化速度>に着目してトレーディングします。これがスプレッド・トレーディングです。ロング/ショートも同じです。

…で、現時点の金利水準は市場で観測可能ですので、これを基礎データとした演繹モデル(通常これをデリバティブ・プライシング・セオリーと呼びます)はギュ〜サン存在します。でも、将来の金利変化速度を確実に予測するなんて不可能です。だから投機なんですよ。

金利商品の短期トレーディングに関しては、オイラの大学院講義レジュメの4と5講をダウンロードしてください。

<a href="http
藤崎達哉 2005/07/27(Wed)07:14:00 編集
突然ですが、藤崎さん、「超越論的〜」有難うございます。不在届の郵便が今日届きました。いや、ホントに今日初めて拝見したのですが、プロッグ上と全然変わらない文体で。非常にノリのいい啓蒙書なのでみなさんも藤崎さんに一冊お願いした方がいいのではないかと思います。先にこれを読んでおけば、藤崎さんの主張がよく分かったのかもしれません(金融関連のところは除きます)。
かじい 2005/07/27(Wed)15:55:00 編集
あ、先の「金融関連のところは除きます」という末尾は、自分がその分野について全く知らないからということです。念のために。
かじい 2005/07/27(Wed)16:11:00 編集
かじいさん

遅れてすいません。かなりいい加減な本なので、書き直し作業をしたいのですが、他にやることや飲むことが多すぎてはかどりやせん。

↓書き直し作業

<a href="http

みなさん

いや〜それにしても、オイラが利用しているYahooBLOGはコメント欄の字数制限がきつすぎてだめじゃ、ちょっと引越ししようっと!どこがいいかな…。
藤崎達哉 2005/07/27(Wed)16:25:00 編集
藤崎さん、どうもありがとうございます。
実は貼っていただいたリンクですが、「お気に入り」にもう取り込んでおりました。
しかし、しかし、しかし、なんと、いかにも私らしく、まだ、なーーーんも、読ませていただいてませんでした。
すいません。m(_ _)m

わざわざ、金利系の思考パタンの「いろは」を教えていただいて恐縮であります。
とても助かりました。
金利系デリバのこと、ちょっと、ちゃんと勉強してからまた出直して参ります。

それから、ちょっと睡眠不足気味ですので、はやしさんのブログのカキコの数、減らさせていただきます。
すいません。m(_ _)m
原作たそがれ清兵衛  2005/07/27(Wed)20:02:00 編集
一週間のご無沙汰でした。藤崎ですぅ〜。

昨夜、名古屋城、彦根城、実物大の戦艦大和模型、松山城を視察して帰還しやした。…で、いまこのブログって何が旬なんだ!
藤崎達哉 2005/08/08(Mon)07:17:00 編集
藤崎さん、それなりにお久しぶりです!

で、何が「旬」なんでしょうねえ……ちょっと自分でも(というか、自分だからこそ)皆目分からんのですが。まあ、この間からの流れで、一連の民主的決定ものがそうかなあ、とも思うけど、「旬」ってのとはちょっと違いまさあね。

それはそうと、オンライン読書会の方で『超越論的……』のセクションがゆるゆると始動し始めました。著者として突っ込みよろしくお願いします。とりあえずリーディングマスターを原作たそがれ清兵衛さんにお願いしています。
はやし 2005/08/09(Tue)01:31:00 編集
オイラが復帰したら…はやしさんがどっかにバックレちゃったな。バックレると言えば俳優渡辺某をまきこんだ投資詐欺疑惑がお茶の間を賑わしてるようだ。

実をいうと、オイラはこの事件が顕在化する数週間前に、デリバティブ・トレーディング経験者から話を聞いていたのだ。話によると失踪中の投資会社社長はもと大手都銀の銀行員だとか?とはいえ職務経歴から見てデリバティブ経験はおそらくゼロに近いようだ。

そんな御仁が渡辺某を含めた浮遊じゃなかった富裕層(政治家やその筋の方もいるらしい…)を感動させた、投資スキームは、オイラの目からだけでなく、シロートが見てもムチャクチャだと思う。…でも、儲け話には乗っちゃう人がいるんだよね。オイラをアドバイザーにしていたらこんなことにならなかったのに。

実際、難解とされるデリバティブ理論が主張しているのは、リスクのない投資は、その国の国債利回りでしかありえない!とゆ〜ことである。やっぱ投資家教育って重要だな…。
藤崎達哉 2005/08/09(Tue)20:09:00 編集
藤崎さん、
いつぞやは行き違いが発展してなにやら怪しげな事になってしまい、恐縮です。(ウソですけど)

はやしさんが帰ってきた時にがっかりさせないため、ここでもう一回議論を!
とも思ったのですが、場所を変えて苦手な「経済/金融」について議論しています。

是非アドバイザーとして参加してください。
&gt;<a href="http
宮本浩樹 2005/08/11(Thu)23:34:00 編集
宮本さん おはようございます!

オイラの場合、あまりいろんなサイトに投稿する暇ないので、とりあえずはやしさんの処で行きます。宮本さんのことは、オイラもある程度的確に理解しているつもりなので…行き違いもまったくなかったと認識してます…。

いちおう↓の掲示板には返答しときますた。宮本さんの問題意識は早大じゃなかった壮大で敬服しますが。オイラのようなビジネスマンにとってみれば、もう少し問題を切り分けなければ議論ができないテーマでごわす。
藤崎達哉 2005/08/12(Fri)08:08:00 編集
藤崎さんを慶応、いやKOしとけばよかったと思ってる宮本です。
問題を切り分けてもらえれば、何処までも食らい付いていきます。

ご著書、送っていただけませんか?
宮本浩樹 2005/08/12(Fri)22:09:00 編集
みなさん、ただいまっす。にしても「バックレちゃった」とはひでー言われようだなあ。

で、投資家教育、っつーか、騙されないためにも最低限の金融のいろはは中等教育で教えるべきでしょうねえ。というか、金融以前に、経済に関する基本的な知識も大抵の人は欠如してはいまいか?と、自分のことは棚に上げて思ったりもしたりもします。んで、ここは藤崎さんが立ち上がるときだと思いますよ!

で、「お金」に関する議論は、結局あっち(ATLSの議論板)で続行?
はやし 2005/08/13(Sat)03:00:00 編集
リスクばかりとっているアホの私がこういうのも何なのですが、本当の投資家教育は「ノーリスクを選好するなら、国債の金利しかりターンがないこと」「超過収益の源泉は、超過リスクの選好にあること」「超過収益の実現には、どこか必ず、「結果オーライ」がつきまとっていて、超過収益とは決してうらやましがる代物ではないこと」という非常に簡単なことだと思います。で、こんなこと、普通に考えたら誰でも(といったら言い過ぎかもしれませんが・・・)分かるレベルの話ですし、まあ、中学生のときにでも普通のガッコーの先生が教えておいたら、わざわざ藤崎さんのようなハイレベルの方のお手を煩わせるような話でもないと思います。
しかし、今世間で言われている投資家教育とは、こういう次元の話ではなくて、「リスクを適度にというか、積極的にとることを煽る」ことになっていてちょっと危険な気がします。アメリカの投資家教育みたいに、中高生がどんどん投資に夢中になるというのも尋常ではないと思います。1982年から、アメリカは株が基本的に右肩上がりですから、かなり放漫な教育が黙認されているような気がします。1982年の前15年はダウが600ドルと1000ドルを行ったりきたりで、投資なんて何も儲からなかったって、多分ちゃんと教えていないでしょうね。アメリカ人は、現在のアメリカを自画自賛するのが好きみたいですから。
原作たそがれ清兵衛 2005/08/13(Sat)11:56:00 編集
ところで、またカウンターが暴落してますね。こういうのって、ポジション持つと結構しんどいですよ。ロングしたらしたで、いつまた暴落に巻き込まれるか分からなくておっかないですし、ショートしたらしたで、毎日ゆっくり上に踏みあげられる日々が続いて・・・。
原作たそがれ清兵衛 2005/08/13(Sat)13:21:00 編集
はやしさん

ご無沙汰してます。さすがにまだ会社がスタートしたばっかだったので忙しく…たまに書き込もうと思ったらBLOCKBLOGが落ちてるし…そんな感じでした。まあ、このノリがBLOCKの良さだったりして…。
…で、一応仕事も落ち着いて10月からはまた胡散臭く哲学しようと考えます。それに、全然このブログじゃ宣伝になりまへんが、久々に東京フォーラムで公園じゃなかった後援じゃなかった講演しますので…暇な方々はどうぞ<胡散臭い本>の合言葉でオイラの特典がありやす。

申し込みはオイラの会社ではなく…ここです↓

<a href="http

オイラ(藤崎)の枠でいえばOKです。
藤崎達哉 2005/09/21(Wed)21:09:00 編集
おお! 藤崎さん、お久しぶりです!

で、時間の都合がつく限り、「生藤崎さん」に是非お目にかかりたい、と思うんですが、やっぱりちゃんと申し込みしないとあかんですかね? 当日いきなり会場に、とかはアウト?

何にせよ、早いとこ「胡散臭く哲学」した成果を開陳してください!
はやし 2005/09/21(Wed)22:08:00 編集
それじゃオイラの招待枠で<は><や><し>の3人分とっときます。期日が迫ったら連絡ください。
藤崎達哉 2005/09/22(Thu)13:38:00 編集
藤崎さん、どうもありがとうございます。月明け、予定がはっきりしてから可否を連絡します。連絡先は以前ここで開陳していただいたメールでOKですよね?
はやし 2005/09/23(Fri)01:27:00 編集
昨夜オイラの本を放出したミルプラト−さんからブログで名前をさらすのは勘弁してというメールをいただいたので訂正…。ここ数ヶ月多忙を極めてアップしなかったブログをアップしやした。オイラの5月の新刊はまだ紀伊国屋と八重洲ブックで平積みじゃ!

…で最近のはやしさんは哲学ネタからコンピューターネタに傾いてるので用語がついていかない!まあ両方とも論理学なので…チョットまじめに読めばわかんないことはないのですが…11月から暇になる予定なので…たそがれさんとシステム売買と論理学で話し合いたいと思ってますが、今後は、たそがれさんが〜久々の大相場なので〜このブログをお休みする可能性があるのではと思っています。
藤崎達哉 2005/10/07(Fri)22:25:00 編集
あらら、ミルプラさんからストップかかっちゃいましたか。あれ、ネタ的にオモロかったんですけどねえ……。

ま、それはさておき、ほんと久方のブログ更新、ですねえ。しかも、結局ヤフーのほうに落ち着かれるんですか?

で、おれのブログ、けっこう何度も言っちゃってますけど、もともと「哲学ネタ」はそんなにないんですよねえ……とはいえ、ご指摘のように最近コンピュータネタばかり、という感じであることは確かなので、まあ、もうちと拡がりは持たせたいなあ、とは思ってます(が、もうしばらくはこういう路線が続いちゃうでしょう)。
はやし 2005/10/08(Sat)02:59:00 編集
藤崎さん、はやしさん、すいません。
思いっきり、「おめでたく」 私は藤崎さんの文意を取り違えている可能性が高いですね。
恥ずかしいやら何やら。
本当に、すいません。m(_ _)m
原作たそがれ清兵衛 2005/10/09(Sun)06:09:00 編集
人の脳って、やはり、そこそこの時間は寝ないとダメだなと思いました。
藤崎さんの文章を、完全睡眠不足状態ではじめて読んで、あとちゃんと読み返していなかったらこの有様。
でも、不思議と文意の取り違いの可能性について、起きた瞬間気がついていました。寝ている間に脳が頭の中で情報の整理をしたのか、考えたのか、何なり活動していたのは、間違いないと思います。
もともと、私って睡眠時間が8時間はないと頭が動かない人ですので、相場やっていて睡眠不足が続くのは結構辛いです。
だったら、カキコしている場合ではないって、言われるとその通りなのですが・・・。(笑)
昔は、結構起きた瞬間に、ひらめいた、気がついたという経験が山ほどあったのですが、最近ではとんと減りました。まあ、年が年だと言えばそれまでですが。
皆さん、ちゃんと寝てくださいね。相場はやったら、ダメですよ。私みたいな兼業相場師なんてやろうものなら、睡眠時間がなくて、本当にアホになりますから。(笑)
はやしさん、ANKKの発明もいいですが、アホを治す薬の開発でノーベル賞ってのも ついでにお願いします。
原作たそがれ清兵衛 2005/10/09(Sun)06:41:00 編集
はやしさん、一個だけ意味を理解できました。ATLS=after the last sky ですね。
ああ、俺の頭のなんと、とろいこと、とろいこと。
原作たそがれ清兵衛 2005/10/09(Sun)09:45:00 編集
藤崎さん、お誘を頂戴しまして誠にうれしく存じます。
著書をお譲り頂いた上に、お誘いまで頂きまして、身に余る思いです。
ただ、私の書いているシステムの話は、もう結構カビが生えたようなことばかりです。
システムと縁を切って5年以上経ちますし、また、お分かりのことだとは思いますが、かつて、私が取り組んでいたシステムとはデリバティブ関係の裁定とは何の関係もないシステムであります。それで、実際のところ藤崎さんにとって、面白そうなお話の一つもできないのではないかと心配しております。
できれば、数理やCSに強いはやしさんにも入っていただいたほうが、システムの話だけにしても、結構面白く盛り上がった話になるのではないかと考えております。

それから、一つだけ、先にお願いしておきたいことがあります。
昨日から、心理面の話を書いていますが、私は凄い小心者でして、ちょっと、相場観を口にしたら、途端にその口にした内容が自分のトレードに影響してしまうという まあ、何とも情けない人間です。
ネット上での相場観や分析の書き込みをやめたのも、ネット上で書いちゃうとそれだけで、自分に対してプレッシャーとなり、トレードを崩すことがあるからなのです。
そういう訳で、これからの相場観に関する話と、今のポジションに関する話の深入りだけは、どうぞご勘弁くださいませ。

藤崎さんのご好意、素直に賜りたいと思います。できれば、はやしさんにも入って頂ければ幸いかと思います。
原作たそがれ清兵衛 2005/10/09(Sun)12:05:00 編集
いやあ、おれ、数理とCSはともかく(これらだって、ほんとの玄人の人たちからすれば、甚だアヤシいもんだと思いますが)、相場のことが分かんないですからねえ。

それで、ってこともないですが、この間からちょっと考えてたんですけど、原作たそがれ清兵衛さん、一つATLS上で「百万人の投資」みたいな講座やりません? もちろん、諸々忙しいのは分かってるし、何つーずうずうしいお願いをしとるんじゃ、とも思いますけど、前にも話したように、この手のことって学校じゃちゃんと教えないし、でも知っとくべきことだよね、ってことで、やる意味はあると思うんですよ。

で、執筆の形式としては(って、もういきなりそんな話しちゃいますけど)、とりあえずオンライン読書会の方に草稿上げてもらって、それに対しておれなり何なりが色々突っ込みを入れながら……っていう、「擬バザール方式」を考えていますけど……どうでしょ?
はやし 2005/10/09(Sun)12:14:00 編集
はやしさん、
実は、藤崎さんの専門の裁定取引とか、それがらみのデリバってのは、結構、本当に数理とかCSで勝負の世界で、僕のやっている相場観やテクニカル指標を見て張る手法ってのは、同じ相場の世界でも、全く異質といっていいほど異なります。
ですから、藤崎さんの専門領域は、私の専門領域より、むしろはやしさんの専門領域のほうが近いです。
言い方によれば、3人の専門分野の位置というのは、ちょうど三角形の頂点みたいな関係だと思って頂いてもいいと思います。
ですから、相場を知らないはやしさんが入ってくださらないと、本当に、あんまり面白い話はできないと思いますよ。

講座はやってもいいですが、でも、なんか、僕って、ものぐさが極まった人なので、いつまで続くやら。
それ以前の話ですが、ATLSとか、擬バザール方式とかって、IT音痴の私には、「それ何?」の世界なので、引き受けていいものかどうなのかってのがいまいち分かっていません。情け無し。
原作たそがれ清兵衛 2005/10/09(Sun)12:51:00 編集
ああ、原作たそがれ清兵衛さん、すんません! いつもの悪い癖で、ごく一部の狭いサークルでしか通用しないであろう(かもしれない)言葉を、さも一般に通用するかのように使ってしまいました! だから、これは原作たそがれ清兵衛さんが「IT音痴」とかそういう話ではなく、偏にぼくの責任であります。

で、ATLSの方は疑問が氷解したようなので、「擬バザール方式」というものについて解説すると、元々はソフトウェアの開発モデルで、その開発工程をオープンにして、寄ってたかって誰でも開発に参与できる、というものなのですが(激烈に有名なのがLinuxの開発、ですね。というか、「バザール方式」という呼称自体、そもそもこのLinuxの開発モデルを表現するために作られたもの)、そこからの転用で、ソフトウェア以外の制作物も、その製作工程をオープンにして、みんなで手を加えられる、というものをイメージしていました(「擬」と付けたのは、みんなが手を加えられる状態にはあるが、あくまでイニシアティヴを取り、成果物に対する最終決定権を持つのは原作たそがれ清兵衛さん、ということを表すためです)。で、この「バザール方式」に対するものとして「伽藍方式」というのがあるんですが……詳しくは以下参照。
<a href="http

というわけで、「執筆了承」なので、こっちの方で執筆体制を整えます。
はやし 2005/10/09(Sun)16:15:00 編集
原作たそがれ清兵衛さん、オンライン読書会の原作たそがれ清兵衛さんのページに、「百万人の投資」コーナーを作りました。まあ、楽な気持ちで、ぼちぼちやっていきましょう。
はやし 2005/10/09(Sun)18:48:00 編集
はやしさん 原作たそがれ清兵衛さん
当日はアヤシ・ネットワーク金融工学で2人枠をもうけました。
藤崎達哉 2005/10/12(Wed)09:59:00 編集
↓追伸
姓名がいるらしいので林 博士(はやしひろし)と黄 昏清(こうこんせい)にしやした。
藤崎達哉 2005/10/12(Wed)14:52:00 編集
藤崎さん、ありがとうございます。

ってか、ほんとに「アヤシ・ネットワーク金融工学」の「林 博士」と「黄 昏清」で枠用意、なんですか? おれはともかく、原作たそがれ清兵衛さんの「黄 昏清」、ぱっと出てこなさそー。
はやし 2005/10/12(Wed)15:52:00 編集
↓ちょっと無理があるか!それじゃ中国人やめにして<たそがれきよし>にしましょう。おっと本人の了解とってなかった。
藤崎達哉 2005/10/12(Wed)22:11:00 編集
つうか、普通に本名でいいじゃないですか!
はやし 2005/10/12(Wed)22:15:00 編集
藤崎さん、本当にご無理お願いしてしまいまして申し訳ありません。
本当にありがとうございます。また、結構なお名前まで頂戴しまして恐縮いたしております。(笑)
この「アヤシ・ネットワーク金融工学」の「黄 昏清」って人物、究極までにアヤシいですね。
藤崎さんから頂戴いたしましこの名前、まるで、青木雄二の「なにわ金融道」に出てくる「プルトニウム先物」でも扱っていそうな会社の詐欺営業マンみたいですね。 ああ、やばい、やばい。 とても気に入りました。
とても気に入りましたので、本当にこの会社名の入ったこの名前の名刺、作っちゃおうかな?(笑)
でも、本名でも勿論結構です。
「アヤシ・ネットワーク金融工学」の「黄 昏清」って名乗っただけで、受付でテロリストと間違われそうですね。

遅ればせながら、「Excelで学ぶデリバティブとブラック・ショールズ」を読み始めさせていただいております。この本の「Excelで学ぶ」ってのは、ほとんど釣り文句みたいなもので、凄くしっかり書いてあるデリバティブの実践的な解説書なのですね。!
でも、私、数学脳が最近腐っているのでANKKを使って、はやしさんの数学脳を少し感染させてもらわないと、なかなか前に進みそうにありません。(涙)

明後日、とても楽しみにしております。
それから、今別に、お礼のメールを入れさせていただきました。
原作たそがれ清兵衛 2005/10/12(Wed)22:58:00 編集
みなさん メリ〜Xマス!

会社の立ち上げも順調に終了。なんとか食っていけそうな収益予想なので、ひさびさにウエブサイトを整理しやした。胡散臭い本を全文アップしときやした。
藤崎達哉 2005/12/24(Sat)17:16:00 編集
URL書き損なった。<a href="http
藤崎達哉 2005/12/24(Sat)17:18:00 編集
メリークリスマス!

って、遅過ぎだ、っつーんですよね。ま、それはともかく、な〜んか瀟洒な感じのリニューアルじゃないですか! しかも、「胡散臭い本」の全文公開や、各種エッセイも取り揃えて……いいですね。読んだことのないエッセイもけっこうあるんで、楽しみに読まさせてもらいます!
はやし 2005/12/26(Mon)23:13:00 編集
藤崎さん、このNHKの番組作成に一枚噛んでいたというのは本当ですか?
<a href="http

あの番組、だいたいを見たのですが、マスコミが特集するマーケットものにしては、極めて良くできていたと思いました。
しかし、胡散臭いのは、胡散臭い。
システム運用している投資顧問で、トレーダーが、売買をコンピュータの指示通り執行しないと、コンピュータが「買い、買い、買い」って大声出してわめいたり、
CBOTの債券の値段の表示が、オフィスでは遅れるから、CBOTに携帯電話を使って、「価格」じゃなくて「雰囲気」を、常に「システム」トレーダーに伝える奴が常駐して、それで、「システム」トレーダーが携帯の音を聞いて先回りして儲けるとか。
前者については、「買い、買い、買い」ってわめくようにするには、大量のコンピュータが必要なわけで、狭いオフィスでそんなことしたら、熱でコンピュータがやられるから絶対にそんなことするわけないだろうし、後者は、携帯で雰囲気を聞いて売買すること自体がもう、「システム」トレードの定義に反している訳で。
あの、投資顧問会社、かなり大げさな演出で、日本人客でも集めようとしたのかと思いましたが、実は、あの演出を考えたのは、藤崎さんだったりして。
それなら、本当に胡散臭いですね。(笑)
しかし、なかなか、よくできた番組だったと思います。
Kaizer Soze 2006/06/22(Thu)22:19:00 編集
カイザーさん

藤崎関連が独占していた上位エントリーが、京都大学=MITの猛追をうけているので、<てこ入れ>ありがとさん。

そもそも、このエントリーは何度もアクセス数が暴落しているので、実際は1万回くらいで断トツだね!はやしさん!

…で、NHK「マネー革命」の件は、1998年当時ドリームチームと呼ばれたLTCMに、ノーベル経済学賞を受賞したばっかのマートンとショールズが参加していることに関して、コメントを求められたのが発端です。

オイラの見解は、マートンとショールズはデリバティブ理論の基礎を完成させたのであり、投機の理論を作ったのではないから、ヘッジ・ファンドに参加しても広告塔じゃないの?とコメントしました。

すると、ヘッジとか裁定(アービトラージ)というのは、リスクを回避しつつ利益を確保する手法でしょ?と質問されたので、効率的な市場において、<理論的には>ヘッジをすれば利益はゼロだし、裁定の機会も無い!と答えました。

それに対して…では、なぜLTCMは年利40%といった収益をもたらしているのか?と問われたので、LTCMの手法は、(おそらく)ヘッジでも裁定でもなく、投機(スペキュレーション)なんじゃないの?と答えておきました。

すると…ほんとに1998年の秋に破綻してしまったので、NHKのディレクターが驚いてました。実際あの番組の取材途中での破綻だったので、NHKも番組構成は大変だったかもね。

それと、もうひとつのNHKの依頼は、シカゴ大学でのオプション理論の確立とほぼ同時に、シカゴの取引所で通貨先物オプション売買が開始されたけど、当時オプション価格はどのように計算されていたのか?

…実はNHKは当時の計算機(=電卓)をオイラに見せてくれたのだ。でも、オプション理論が確立した1973年って、オイラは13歳の中学生じゃね〜か!

そんなわけで、オイラはすでにスプレッドシートで計算してまひた!と答えておきました。
藤崎達哉 2006/06/23(Fri)06:06:00 編集
藤崎さん

あなた、自分の胡散臭い部分しゃべってないあるね。カイザーさんは、今でもはびこっている業者取引の胡散臭さを指摘しているあるよ。そこんとこ、アナタの知ってる部分でもいいからしゃべってよ。
黄 黄昏 2006/06/23(Fri)06:35:00 編集
CBOTって、ほんと胡散臭い取引所ですね。今時、場立ちのおっちゃんが、紙と鉛筆持って、手を挙げて、ぎゃーぎゃー、売ったの買ったのだの言って。
おっちゃん達は、自分がドジこいたら、そのポジションを、お客に移し替えたり、お客の大口注文が入るのが分かったら、自分がフロントランニングして一儲け って、やりたい放題じゃないんですか。あの取引所は。
場立ちのおっちゃんは、絶対に儲かる仕組みになっている。

それはそうと、何年か前、NYの為替のディーラーが、全員共謀して、お客に全部不利な執行レートを付け替えて私腹をこやして、それが摘発されていましたね。

アメリカの債券の取引は、CBOTに集まっていると思うのですが、しかし、あんな場立ちのおっちゃんを介して、どうやって、裁定取引なんかするのでしょうか?
裁定なんて、ほんと、コンマ何秒の争いになると思うのですが、あんなえーかんげんそうで、とろそうな、おっちゃんを介して、どうやって裁定取引をやっているのでしょうか。・・・これ、ド素人の素朴な疑問であります。

藤崎さん! 黄さんがおっしゃるように、業界の胡散臭い話を、この際、全部ばらしてしまいましょう!

村上さん程度のインサイダー取引は、はっきり言って、「プロ」の世界では、全員が全員やっているけど、彼は、運悪く、マスコミに目だって、業界人以外にも名前が知れ渡ってしまったから逮捕されただけだとか。業界人から見れば、村上さんがいけなかたのは、インサイダー取引をやったことでなくて、一般人に余りにも目だってしまったことだとか。・・・まあ、素人の私には、この程度のことしか分かりませんから、胡散臭い業界の胡散臭い話のディスクローズを是非是非お願いいたします。
Kaizer Soze 2006/06/23(Fri)22:56:00 編集
ここ一時間で、大口の買いが入りましたか? 藤崎さんのこのコーナーのカウンターが100ほど一気に暴騰して、ついに前人未到の4000台に。

藤崎さんは、LTCMの問題を把握されていた、お一人だったのですね。

実は、私は、グリンスパンンや、ルービン同様に、問題が発覚するまで、全く気にしていませんでした。

実は、高尾義一さんが、1998年2月出版の著書で「レバレッジを50倍もかけているファンドがあり、そういうファンドへの資金供給源になった日本の超低金利と、外銀が邦銀へ行った取り付け騒ぎに乗じた円キャリートレードのせいで、きわめて資本主義自体が不安定な状態にある」と指摘されていたのですが、私は、「ああ、また、悲観好きの高尾さんが悲観的なことを言っているなあ」と軽く読み流してしまいました。

1998年にNHKが見せてくれたものが「電卓」だったというのも凄いですね。普通の人でも、もう表計算ソフトを普通に使っていましたから。
N分の1乗の計算なんか「関数電卓」でないと不可能だと思いますが、しかし、まさか藤崎さんが見てしまったものとは「普通の四則演算しかできない電卓」ではないですよね。(笑)
Kaizer Soze 2006/06/24(Sat)18:35:00 編集
カイザーさん

カイザーさんに、若干オイラの文意の誤解があると思われるので確認しやす。NHKのスタッフは、1973年当時の電卓の使い方をオイラに聞きに来たので、オイラはそんなもん知るわけね〜だろ!と答えたわけです。

東京でデリバティブ市場が形成されつつあった1987年当時では、IBMのパソコン+ロータス123で計算しましたが、ヒューレットパッカードのHP12という電卓を利用することもありました。

オイラは電卓嫌いなのでマスターしませんでしたが、1970年代はその原型のような電卓(HPなんとか?)だったのでしょう。ローカルズと呼ばれるシカゴ市場の場立連中は当然電卓だったはずですね。

次にシカゴ先物市場ですが、確かに債券先物はCBTですが、通貨や短期金利はCMEのほうが活発です。それと債券取引に関しても、シカゴは先物の本場であって、実物の取引はニューヨークが中心です。実物取引は基本的には、外国為替と同様、相対(あいたい)取引であって、24時間いつでも可能です。

米国債券の最大の仲介業者は、キャンター・フィツジェラルドと呼ばれるブローカーで、911まではワールドトレードセンターの展望フロアーの真下である104階と105階に事務所を構えてました(911でどうなったかは想像にお任せします)。

次に、リアルタイム価格情報ですが、最近は株式同様、外国為替でも、一般個人投資家は取引先の証券会社か会員専用のWEBサイトで閲覧できるようになりました。だからプロとアマの間での情報格差はこれまでとは比べ物にならないほど縮まっていると思います。

このような状況を受けて、最近では<真のリアルタイム>配信の技術競争も始まっています。

もうひとつコメントで…リアルタイム価格といっても、株式や先物は、価格情報の出処は同じ…つまり取引所ですね。ところが、相対である外国為替レートの出処はひとつではありません。したがって、ソースがどこか違うレートになります。現時点で業者(銀行)間の取引を支配しているのは、主要通貨ではEBSと呼ばれる電子ブローカーであり、このレートはEBS参加銀行しかモニターできません。次に旧大英帝国関連通貨ではロイターの電子ブローキング・システムであり、これも銀行のみの配信です(ロイターの為替情報といっても松竹梅がある!とゆ〜ことです)。

ここで、もしEBSやロイターの松情報をモニター可能な、個人投資家がいるならば…、相場が瞬時に大きく動き可能性のある米国雇用統計の日なんかに、情報裁定が可能でしょう。もっとも、モニター可能な人はコンプライアンス上できないはずですが…。
藤崎達哉 2006/06/24(Sat)21:54:00 編集
藤崎さん、えらくご丁寧に解説していただきまして、恐縮しております。
雇用統計の日の、為替は凄いですね。日本の21時半ジャストに1分以内で簡単に50銭や1円簡単に飛びますからね。雇用統計は必ず金曜日で、NYでどう市場が動こうとも、次の東京が開くまでには土日という、ゆったりした時間があるわけで、為替をやっていない私はせかせかと気にする必要もないのですが、ついつい気にしてしまいます。

先物市場の電子化は目を見張るものがあると思います。日経平均先物もそうですが、現物株ですら、たまに家で売買したら、自分が執行のボタンを押したほとんどその瞬間、思った値段でちゃんと約定が帰ってきていますから。

藤崎さんに解説していただきまして、えらく誤解に基づいて書いていたのが良く理解できました。ありがとうございます。

ところで、ところで、実は3年ほど前に作って放置している、為替でもっとも上手く通用するシステムがあります。(一応、JGBや225でも通用しました。3年前のバックテストでは。)
内容はというと、計算式は1行以内で書けて、パラメータ(定数項)は1個しかなくてその最適化を一切行わずに、「5本程度同時並行して走らせれば」という条件がつきますが、
スリップページなし、そして、手数料なしという相当無理な仮定の上ですが、50%乃至70%のリタンは上がりました。それに、適正な資金管理をマッチさせれば、勿論、もっといい数字が出ます。

当時は、為替の短期売買といえば、商品先物業者の独断場で、その胡散臭さたるや、証券会社の比ではありませんでしたから、投入するのはやめておきました。しかし藤崎さんのご説明を読ませていただいて、そろそろ投入すべき時期かなと思いました。
気配の乖離が5銭、手数料片道1銭でやってくれる証券会社が、今では結構ありますし、「価格情報がしっかりしていたら」、スリップページや手数料込みで計算しても、十分採算がとれるはずですから。

日経平均先物(レバレッジかけて、ロング・ショート両方あり)と、中小型株(現物でロングだけ)に分散させているだけで、それなりの分散効果というものはあり、今回の暴落も、それなりに何とか事なきを得ていますが、分散効果を高めるために、システム嫌いの私が、藤崎さんの解説を読ませていただいて、為替のシステムをちょっとやってみようかという気を起こしております。
Kaizer Soze 2006/06/26(Mon)12:10:00 編集
書き忘れです。
このトラックレコードは、レバレッジ率1で、バックテスト期間の為替の値段の平均値に対して上がったパフォーマンスです。
Kaizer Soze 2006/06/26(Mon)12:19:00 編集
はやしさん

ご無沙汰してます。最近はセミナーばっかで…喋るデリバ伝道師状態です。…で、2年ぶりに例の東京フォーラムで講演(FIT2007)することになりやした。このブログ見ると留学中(何処で何学んでんの?計算機科学?)みたいだけど…10月17日に東京にいたらよろしくね!

昨年出した本ははじめて重版になり、Excel本は武蔵大学の教科書となり、哲学本はアマゾン中古市場であいかわらづ14000円ですが…はやしさんのブログで哲学本の第二次放出しようかと思ってます。

このコメントで6000を目指す!
藤崎達哉 2007/09/12(Wed)14:15:00 編集
そうだ忘れてた。今年から連載中の<新古典派経済学の科学性>の抜粋をアップしたんで読んでね!
藤崎達哉 2007/09/12(Wed)14:50:00 編集
どもですでもですおひさしぶりです。

研究はけっきょく、いろいろ考えたすえ、数学科でも計算機科学科でもなく、ふつうに哲学科ですることにしました。というか、ぼくがやろうとしているようなことは、べつだん「〜科」という区分けにしばられるようなものではなく、どこでもいいと言えばよかったのですが、哲学科がやはり「何でもあり」風味がつよかったので。

『超越論的金融哲学論考』第2部、抜粋ではなくちゃんと読みたいですねえ。いずれ書籍にもなるのでしょうが、今の時点で電算化されたデータがあればいただけないでしょうか? って、あいかわらずずうずうしいですが。

てなわけで、国際フォーラムでの講演には残念ながらぼくは行けませんが、ぷっつん大吉さん、どうですか?
はやし 2007/09/13(Thu)09:59:00 編集
藤崎さん、おひさしぶりです。
うつりぎで、すぐに なまえ かえちゃう 原作たそがれ清兵衛 こと ぷっつん大吉です。さいきんは、書くことに むなしさを感じるあまり ほどんど 書かなくなりました。 ってのは99%は嘘ですが、1%は ほんとうかもしれません。真実は、高血圧のせいで書く体力がなくなってきたのであります。で、今、治療中でして、折角なのですが ちょっと 東京にお伺いするのは今は体力的に無理だと思われます。 あべさんのように、虚ろな目で、お粥を食べて血圧を下げるために 頑張っています。そう、どどどメタボの治療こそ、高血圧を克服する道だからであります。
ぷっつん大吉 2007/09/13(Thu)23:57:00 編集
オッ!断トツで一位だと思っていたら…二位が急追じゃないの!オイラの脳もエモーショナル。なんか発言しようっと。量子論かルーマンか…そんじゃなきゃ国際金融市場か…。
藤崎達哉 2008/03/11(Tue)05:09:00 編集
この「追込み」がですねえ、違ってたら「申し訳ない」なんですが、ぷっつん大吉さんが、キリ番を取るために当該エントリにアクセスしまくった結果、なのではないかと思うんですよ(違いますか?)。だから、もしそうであれば、これはじっさいに「見られてるページ」ってのとはちょっと乖離したリストになっちゃってるんですよね。しかも、この方途を使うと、手間さえ惜しまなければ任意のエントリのランキングを持ち上げることができてしまう。なもんで、近日中にいったんランキングをクリアして、もっと実測に近い値(というのは、できるだけユニークアクセスでカウントした値)でランキングが行なわれるようなものにしようと思っています(でも、けっきょくこのまま、という公算がいまのところは高いですが)。

ともあれ、エモ脳でも量子論でもルーマンでも国際金融でも、思う存分ぶちまけてください!
はやし 2008/03/11(Tue)08:18:00 編集
藤崎さん、本当にすいません。日曜日にバルカン砲を乱射したのは事実で、その影響かと思われます。ただ、もうその影響も消えるのではないかと。ある日、まとめて打ち込んだものですから、その影響もある日突然消えて大暴落するかと。とにかくSECがいなくてよかったです。こういう行為はアメリカなら後ろに手が回りそうですしね。次にもしバルカン砲を乱射するなら、藤崎さんのコーナーで乱射させていただこうかと思いますので、今回はどうぞお許しくださいませ。
ぷっつん大吉 2008/03/11(Tue)20:43:00 編集
今、藤崎さんのこのコーナーにバルカン砲を撃ちまくろうとしたのですが、どうも平日専用のPCは弾詰まりが多くて、なかなか弾数が出ません。 土日に使えるバルカン砲は、1分に3000発とは行きませんが、恐らく100発近く撃ち込める結構性能がいい代物ですので、次の土日にこちらのコーナーで適度に乱射させていただこうかと思います。どうぞお許しを。
ぷっつん大吉 2008/03/11(Tue)20:58:00 編集
そういう「実質閲覧数」を擾乱させるような行為は、なるだけ止めてください。
はやし 2008/03/11(Tue)21:00:00 編集
はあい m(_ _)m
ぷっつん大吉 2008/03/11(Tue)21:03:00 編集
はやしさん、馬鹿やらかした私が言うのも何なのですが、ランキング20のカウンターの数自体がちょっと不自然だと思いませんか?私が「エモ脳」にバルカン砲を打ち込んだのは1週間前。しかし、まだ上がってきている。そして、何よりランキング20全体が示している数字がどれもこれも上がってきているような感じをうけます。
はやしさんが、こういう馬鹿な行為はやめてください って 言っても目立たないように弾丸を広範囲に打っている馬鹿がいるんじゃないでしょうか????
ぷっつん大吉 2008/03/15(Sat)13:13:00 編集
このランキングは、ほとんど「個人」と言っても差し支えないかたがやっているものなので、サーバの安定性や何やで、集計がちょっとおかしいことがありますので、そうした要因がまずあると思います。また、集積効果(ある閾値を超えたものは、その閾値以下にとどまるものよりも、成長率が高くなる)もばかにはできないんじゃないでしょうか(とはいえ、こんなランキングなんて気にしている人は、じつはごくわずか、だと思いますが)。ともあれ、繰りかえしになりますが、意図的にランキングを操作するようなことは、みなさんできるだけ慎んでください。
はやし 2008/03/15(Sat)20:45:00 編集
そういや、藤崎さん、最近はやしさんのブログを見ておられないのでしょうか?
ぷっつん大吉 2008/10/18(Sat)23:44:42 編集
藤崎さん、以下、一ド素人の考えです。
今回、CDSというデリバの技術で債務をオフバランス化できたせいでBIS規制にひっかからずに信用がどんどん膨張したというのは事実だと思います。
ところで、CDOといいCDSといい この手のデリバが今回の金融危機を招いたのだし、虚業のデリバを生んだ金融工学は死をむかえるだろうという論調を最近日本ではよくみかけるようになりました。
確かに、商売を派手にやっていたインベストメントバンクは大きく戦線縮小しましたし、インベストメントバンクがヘッジファンドに貸し込んで、その引き換えに同じようなポジションを作って、そのポジションで儲けまくったというビジネスモデルは、金融の混乱が治まっても、かなり過去の遺物になるようには思います。
インベストメントバンクもヘッジファンドも、あまりにも傷が深いでしょうから。
ゆえにおそらく1998年当時とは違い、今起きている円キャリーの猛烈な巻き返しが落ち付いても、今回はそう簡単には猛烈な円安にはならないでしょうし、円札がドル札に化けて、そのドル札が、新興国札に化けて世界に散布されるということは、あまり起きないと思っています。
しかし、デリバは消えないと思います。なんか世間はデリバと インベストメントバンクやヘッジファンドの衰弱を 十把ひとからげにしているのじゃなかろうかと感じざるを得ません。
ただ、デリバに規制がかかる(たとえば、あのCDSの取引所的な管理構想)のは仕方がないというか、そうすべきだ(いや、もっと早くそうすべきだった)と思うのですが、それをもって、デリバの死を宣言するのはかなり無理がありましょう。
もしかしたら、グラススティーガル法が復活するやもしれず、それは是だと思うのですが、それでも、デリバはなくならないでしょう。
今回は、市場に任せすぎて、相対取引きが大きくなりすぎて監督がいかなくなって、斯様な事態が起きたと認識しています。
まあ、アメリカの監督能力とは、十数年前、日本人の●●なるトレーダーが、「告白」でもしない限り大●銀行の不正も分からないほど弱体化していたのでしょうから。
きっと、監督は強くせざるを得ないし、また、グラススティーガル法が復活するようなこともあろうかと思います。
ただ、グラススティーガル法が復活して、証券、銀行の分離が再度行われたとしても、それぞれの分野には、きっとそれぞれのデリバが必要でしょうし、また、監督さえできればデリバの存在は何ら問題ないでしょう。ただ、相対のデリバが監督可能かという問題は確かにありますが、今までアメリカはあまりにも監督する気に欠けていただけなのじゃなかろうかとも思います。
日本の銀行も一時、不良債権の量の把握が当局には把握不可能と世間でいわれた時代がありました。しかし、当局が本腰を入れて査察すれば、把握できましたし。
って、一応、ふってみて、藤崎さん、見ていらっしいますでしょうか???
ぷっつん大吉 2008/10/19(Sun)00:50:16 編集
ぷっつん大吉さま

ご無沙汰です。今年は異常に出張が多く消耗してしまいました。そろそろ仕事のやり方をかえるつもりです。そんなわけで昔やってたWEBを復活させる作業をやってます。
藤崎達哉 2008/10/19(Sun)08:14:11 編集
藤崎さま。。。。
今回何が起きているかを正確に説明できる方って、そう沢山はいらっしゃらないでしょうから、きっと引く手数多で、仕事に忙殺されていらっしゃることと思います。
私も、帰宅11時が当たり前でちょっと流石にこの歳ではしんどいものがあります。相も変わらず5時には起きてますし。
どうぞ、お体ご自愛くださいませ。
ぷっつん大吉 2008/10/19(Sun)08:44:46 編集
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