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行ってきた。
けっこう余裕をもって天王洲アートスフィアに到着すると、何だか当日券も残っている様子で、えーそうなんだーと思いながら、アートスフィア入り口斜め向かいにある、微妙な感じのバーのようなところで、コーヒーを飲みながら開場待ち。
で、開場されてすぐ、ホールに入ってみると……何食わぬ顔でシュトックハウゼンがもう居やがる! かなり太ってんなあ、と余計なことを思いつつ、それなりの感慨を持って観察。
そうこうする内に第1部『リヒター=ビルダー』編が始まる。
この曲は、テノール、バセット・ホルン、フルート、トランペットという、声+管楽器という構成の「オペラ」で、管楽器の空吹き(専門的には何て言うんだろ)が印象的な曲。ペットがいくつものミュートの装置を入れ替え挿し替えしてるのが大変そう。
最初、音が一回集音され、スピーカから出てくる感じが気になったのだけど、聴いているうちにそんなには気にならなくなった。シュトックハウゼンは楽譜を見ながら何やらフェーダーをいじっていたけど、サウンド・トリートメントもしていたのか? 聴きようによってはリング・モジュレータをかましているっぽい音も聴こえたのだが……でも、基本的には音量調整のみ、かな。
全体としては、管楽器のドローンっぽい使い方や、前述のような「空吹き」などで、「らしくない」音使いも聴かれるけど、けっこう伝統的というか、ノーマルな進行も随所に聴かれ、普通に聴きやすい曲なのではないかな?(もっとも、全編通して聴くには、それなりの覚悟がいるとは思うけど)
間10分間の休憩を挟み、ついにあの『コンタクテ』です!
曲が始まると会場内の照明がほぼすべて落とされ、ステージ上の壁にピンスポットで一点が照らされるのみ、という状態。その中で、それなりの音量で聴く『コンタクテ』……いやあ、もう言わずもがな、なんだけど、やっぱり名曲だわ、この曲。佐々木敦がラッセル・ハズウェル(および秋田昌美)について、1曲が普通のテクノの曲100曲分、とか言ってたけど、それはこの曲にこそ適用すべき言葉だな。ぱっと聴き連関のなさそうな断片が放り出されているだけにも聴こえるんだけど、よくよく聴くと、並外れて緊密に構造化されていることが分かる。今読んでるベルクソン=ドゥルーズのラインで言うと、1つの持続がそこにあるんだけど、それを時間的に区切って聴くと、過剰な質的差異がある、と言うか……。
で、シュトックハウゼンは何をやっていたか、と言うと……何もやってなかった!(少なくともおれには何かをやっているようには見えなかった)でも、いいのです。『コンタクテ』が流れ、そしてそこにシュトックハウゼンがいる。それが重要なのです(ほんとか?)。つーか、まあ、テープ音楽、ですから。あんまやることもないっしょ。
演奏(?)が終わり、シュトックハウゼンがステージに上がると、それはもうけっこうな拍手の嵐。「ふざけてんのか?」ってぐらい、ステージに上がったり、降りたりを繰り返す。というか、老人にそんな階段の上り下りをさせちゃいけません。
そんな中、何だか場違いともいえる「ほーっ!」という歓声が何度も何度も会場をこだまする……。その声の主を探して、ふと2階席を見上げると……
中原昌也だ!
という素敵なオチも付き、非常に満足な演奏会でした。
何と言っても、サインももらったしね〜。
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