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マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見ました。

この映画にかんして、「フェミニズムがどーたらこーたら」というコメントをいくつか見かけたので、見るのをやや躊躇していたのですが(フェミニズムそのものにとくに思うところはないし、あるいはフェミニズム的な映画だってそれはそれでいいと思うのですが、ぼくは「映画なんて90分ほどたのしい時間が過ごせればそれでいい」と思っている意識の低い人間なので、映画を見て考えさせられるという事態はちょっと避けたい)、このスチルから受ける印象どおりのすっ飛ばした娯楽映画でした。(むしろ、ナミビアくんだりまでイヴ・エンスラーをわざわざ呼び寄せたんだから、もうちょっとフェミニズム要素があってもよかったのでは?とすら思った)

(以下、マイルドなネタバレがありますので、映画を未見で、かつネタバレを気にする方はご注意ください)

さて、この映画、一言で言うと「往還と反復」の映画だと思うのですが、とくに「反復」の相が効いていて、まずは冒頭での水門からの水の放出を起点として、往きにおけるマックス、ナックス、チードゥの行為(あるいは処遇)が、還りではちょうど往きの逆順(つまり、チードゥ、ナックス、マックスの順)でそれらの行為が反復され、そして、水門からの水の放出が終点と、全体が対称になっていて、往きの行為(あるいは処遇)が支配されているがゆえの受動的なものである一方、還りに反復されるそれはもっぱら能動的であるというように、思った以上に形式的をおもんじて作ってあるなあと思いました。

さらに、牽強付会の謗りをおそれず、そういう「形式が内容を招致する」という点を推し進めて言うと、「往還」は劇中に乱舞する "V" によって("V8" や "Valhalla" は言うに及ばす、マックスたちを追う戦隊もすべて "V" の字の編成を組んでいる)、そして「反復」はフュリオサによって印象的に発せられる "redemption" そして "retaliation" の語によっても象徴されているように感じました。

さらにさらに、牽強付会の度合いをつよめて言うと、マックスはその頭文字の "M" によって、そしてイモータン・ジョーはその "J" によって、ラストでのそれぞれの命運が示唆されているように思えるいっぽう("M" は往って還っては来るけれどまた往ってしまうし、"J" は還りの道半ばにして潰える)、フュリオサはそうした象徴形式の枠外にいるように思えるところ("F" は「往還」も「反復」も象徴せず、そもそもフュリオサはある行為を反復しない)もおもしろいですね。

ところで、映画冒頭で「フックシマ」と言っているように聞こえ、これはたぶん "fuck" + "fukushima" だと思われるのですが、日本語字幕ではどうなってるんでしょうか。ちょっと気になります。(同じく冒頭で「カーマクレイジー」と聞こえるのは、ほぼまちがいなく "kamikaze"(英語だとこれは「カマカジ」というふうに発音される)+ "karma" + "crazy" だと思うのですが、これも日本語字幕がどうなってるか気になる)
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