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実際に蓋を開けてみてやっぱりフランスで欧州憲法の批准が否決されたって聞くと、うーむ、ってなっちゃうな。

というのも、この間ネグリの講演会で「今フランスでは欧州憲法に対してnonの声が強いけど、なあに及び腰になってんだね」って発言を聞いたからでもあるし、何でnonを唱えたね?ということを考えると、ということでもある。

ル・モンドのこの記事では、そもそものEU形成を決めた1992年のマーストレヒト条約に関する投票と、今回の投票を比較してるんだけど、ざっくり言って「右」と「左」(この区分けも「ざっくり」の内ね)が反転してる、って言うんだな。つまり、マーストレヒトのときは「左」っぽい勢力がouiと言い、「右」っぽい勢力がnonだったのが、今回の欧州憲法のときは「左」がnonで、「右」がouiだ、と。

でもさ、普通に考えると、というか、一貫したポジションを取るんなら、今回も同じような傾向を示さないとおかしいよね。

じゃあ、何でか、って言うと、これも従来言われているように、「欧州憲法に関する投票」という皮を被った現行政府に対する不信任案だ、って先の記事にも書いてあるんだけど、「こういうタイミングで内政に関する意思表示するなよ」とも、無責任な外野としては思うんだよなあ。

確かに、波乱含みの2002年の大統領選挙から始まって(1次投票で何がどうしたのか、「極右」と名指されていたペランが最終候補に残っちゃった、あれね)、ここんとこちょぼちょぼ行われていた各種選挙(去年3月に行われた地域圏議会選挙とか同年9月に行われた上院議員占拠とか)でも政府与党がダメダメだしで、「政府不信」の芽はEU発足以後、着実に伸びてたんだよね、「EUだ、経済のグローバル化だ、って言って、おれらの暮らしは全然良くなんねえじゃねえか!」って(ちなみに、今回の投票結果を、支持政党ではなく社会層で分けると、賛成派が上流階級および知識層、反対派が中流階級および労働者層、となっている)。

でもねえ、色々うまくいってねーってのはよく分かるけど、でも、ここで八つ当たり的に欧州憲法否決して、んで、これが元でEU自体ぐしゃぐしゃ、ってことになったら、それこそ危険なんでねーの?って思ったりもするんだよなあ。

それに、なーんか未だ、「おれっちが世界の中心だ!」って思ってたりもするんじゃねーかと……いや、まあ、これは憶測っつーか、偏見かも知れんのだけど。

てな感じで、先に名前を出したネグリは、この結果をどう受け止めてるだろうか、って気になるところ。

でも、何だかんだ、やつも「知識層」で、それなりに「上流階級」だから、ねえ。

なかなか難しい。



って、あんまりこういう時事ネタはこのブログで取り上げたくなかったんだが……しようがない。

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