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センター試験が2週間後に迫った年明けの夕方、ぼくはむしょうに本屋に行きたくなっていた。いまだったら、それこそ元旦から開いている本屋ですらそれほどめずらしくはないだろうけど、ぼくが受験生だったころはそんな本屋はほとんどなく、年始から開いている本屋を求めて電車に乗り、「あそこだったら開いているかもしれない」という本屋にあたりをつけて途中下車をくりかえさなければならなかった。さいわい、三回目の途中下車で開いている本屋を見つけた。店内はとうぜんのように誰もおらず、「なんで年明け早々バイトなんだよ」というオーラを全身から漂わせている人が気だるげに店番をしていた。その本屋はなかなかに品ぞろえもよく、それなりに本屋欲も満たされ、さてそろそろ帰るかなと思ったそのとき、店内に "Strawberry Fields Forever" が流れはじめた。ぼくは巨大な空洞に撃ち抜かれた。あるものが永遠に失われているのだけどそれが何かは分からない、そんな絶対的な取り返しのつかなさとからっぽさ。そんな感じにおそわれた。だからいまでも、"Strawberry Fields Forever" を聴くたびに、それら喪失感と空虚が揺曳するのを感じる。
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そんなことが起こってた事実を20余年後に知るとは。

青春(心の中にいつでも在る)だなあ、って思う。わたしにもあるよ!
mom 2015/04/19(Sun)17:14:07 編集
いや、いつでもはないよ。
はやし 2015/04/19(Sun)20:27:34 編集
その時や場所の雰囲気もあるでしょうけど、Strawberry fileds foreverはいじり倒されたキメラ感というか、メロディーの飲み込みやすさに対して、チープなのかシリアスなのか捉えづらい空間の音な気はします
長谷部 2015/04/19(Sun)22:53:51 編集
この曲はそもそも喪失感と、そしてそこから生じる虚無感が主題とされているわけだけど(そのことは、歌詞に明らかなのは言うに及ばす、曲の造り自体(とくに、"I'm going to Strawberry Fields" から "Nothing to get hung about" にいたる部分のコード進行の不安定さ(と、そして、その不安定さに抗うようなベースラインが、irreal ではなく、(その言葉の原義に忠実な意味での)surreal さをかもすのに一役買っている))もそれをつよめている)、そうした曲に内在する要素が、場によって増幅され、そしてこちらの内的状態と共鳴したということだな。
はやし 2015/04/20(Mon)16:52:51 編集
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