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「趣味の読書」なんてタイトルをつけたけど、そもそもぼくは読書があまり好きではない。本を「読む」のではなく、たとえばそれをおでこにかざすだけで本に書かれていることが頭に入ってきたらどんなにからくちんでいいだろうと思う。それでも、日がないちにち必要に迫られて本やら論文を読んでいると、精神のバランスをとるために「不必要な本」を読まなければならないという気がしてくる。つまり、どちらに転んでも本を読むことが「必要」として立ち現われてきてしまう。だから、「趣味の読書」という言い回しは二重の意味で正しくないのだけど、「本を読み疲れたので本を読む」というねじれ具合が「趣味的」な感じもする。

Umberto Eco, A Theory of Semiotics
ぼくのなかでこの本には「有名だけどあまり読まれていない」というイメージがある。それはたんに、「買ったはいいけどちゃんと読めていない」というぼくの個人的事情が反映しているだけかもしれない。ともあれ、高校生のころ浅田彰の『逃走論』で紹介されていたのを見て日本語訳(ぼくが買ったのは岩波現代全書版)を買い求めて以来、「少し読んでは挫折」ということを長いあいだ繰り返してきたのだけど、「挫折したのは読んだのが日本語訳だったからで英語版だったら読めるかも」という根拠のまったくふたしかな啓示(もっとも、根拠がまったくあきらかであれば、それは「啓示」の名に値しないだろう)を得たので、また読むことにした。(そして、たぶん、これまでのなかでいちばん進みはいいだろうけど、それでもやっぱり、読了はできないと思う)

Mark C. Taylor, Erring: A Postmodern A/theology
高校生のときよく読んでいたので、ある種のノスタルジーとともに(同じころ、この本の翻訳が入っていた岩波セレクション21のものはよく読み、そのいずれも、読んだのが高校から大学にかけてという多感な時期だったからか、印象に残っている)。翻訳は、お世辞にも「読みやすい」とは言えないけれど、「たしかにこの本を読みこんで訳している」という息吹が感じられ、とても好きだった。

Édouard Bourciez, Éléments de Linguistique Romane
語学は、やればやっただけその成果が感じられるので、登れど登れど頂の見えない山に挑んでいるような作業に取り組んでいるときの息抜きにちょうどいい。この本は、アメリカにいたころ大学の図書館でぐうぜん見つけ、それ以来、行き詰まりを感じたときのリメディとして折にふれ読んでいる(今回は、その「行き詰まり」の質がなかなかのものであることのあらわれか、この本を読む姿勢にも身が入り、「いっちょルーマニア語をちゃんとやってみようかな」という気になっているけど、問題は、ルーマニア語で読みたい本がとくにないことなのであった。ある言語で読みたいような本がないと、その言語はなかなか身に付かない)。ともあれ、行き詰っていようといまいと、ロマンス諸語の梗概を得るにはとても便利(ただ、あまり親切な本ではないので、この本を読む前に、ロマンス諸語いくつかの少なくともさわりぐらいは知っておいたほうがいいと思う)。

Gustave Flaubert, Madame Bovary
蓮實『ボヴァリー夫人』論への前哨として。ぜんぜん読み進みられていない(言い訳めくけれども、ぼくは小説を読むのにすごく時間がかかる。ただそれは、けっして「物語に入りこむのに時間がかかるから」ではなく、蓮實的言い回しを借りれば、「テキスト的現実」の「現実感覚」を感得する「器官」を作動させるあるいは/および調整するのに時間がかかるということなのだけど、それは必要なことでもあるし、何より、能力の問題でもあるので、仕方ない)。

池田知久(翻訳)、荘子
大学生のころ友だちから「老荘思想が流行ったころ、『無がいいんだったら酒の瓶だって空なほうがいいだろ』という理屈で酒を飲みまくり、あまつさえそれが暴動にすら発展した」というとてもいい(そして、真偽のとても疑わしい)逸話を聞いて以来、老子荘子というのはぼくにとってシチュアシオニストの先駆けとして気になる存在だ。『荘子』はいくつかの版をすでに持っているけど、どうもこれが決定版のような気がしたので購入した。しかし、蓮實『ボヴァリー夫人』論も分厚いと思ったけど、文庫でこの分厚さはタイガイだね。

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