蓮實『ボヴァリー夫人』論への前哨 [本]

蓮實重彦『「ボヴァリー夫人」論』をさっそく落掌し読みはじめたのだけどその劈頭まもなくに「読まれるべき書物は何よりもまず『ボヴァリー夫人』でなければならず、それ以前に『「ボヴァリー夫人」論』のページがくられることなどあってはならない」という文言を見いだしたので、その言に愚直に倣って、まずは『ボヴァリー夫人』そのものを読むことにした。

もちろん、『ボヴァリー夫人』は読んだことがあるし、あまつさえそれについて長めのレポートまで書いたこともあるのだけど、なにぶんそれは遥か昔日のことなので微細な部分などすっかり忘却の彼方であり、なにより、フランス語では読んだことがないので、2013年に刊行されたプレイヤッド版フローベール全集第3巻と、それだけでは寝ながら読むのに支障をきたすので、2004年刊行のフォリオ・プリュ・クラシック版を手に入れた。

というわけで、本丸の蓮實『ボヴァリー夫人』本にたどり着くにはまだまだ時間がかかりそうだ。