『シニスター』 [映画]

『シニスター』（邦題『フッテージ』）というホラー映画がありまして、まあ映画自体は可もなく不可もない感じなんですけど（ただ、随時はさみこまれるホームムービーを模した粒子の荒い殺人映像は、なかなか趣きがあります）、そこで使われている音楽のチョイスが秀逸なので紹介します。

ホラー映画というと「おどろおどろしい」というイメージ（というかじっさいにおどろおどろしいんですが）から、不協和音系とか、ダークウェイブとか、あと最近だとちょっとノイズがかったブラックメタル風のものが使われていたりということが多く、この『シニスター』でもご多分にもれずそういうおどろおどろしい音楽が使われていたりもするのですが、ただ、その選曲がなかなか気が利いているんですよ。

たとえば、音響化してからの Ulver だとか、Sunn O))) と Boris の合作だとかが使われてるのはまあ予想の範囲として（それでも「そう来たか！」と思わされましたけど）、Boards of Canada が使われていたのには驚きましたね。そしてそれがかなりはまってるという（だから、この映画を見たあと Boards of Canada を聴くと、それまでとはちがった聴こえ方がする）。

あと、ぼくはぜんぜん知らなかったのですが、Accurst という人の挿入曲がかなりよくって、思わずCDを買ったところ、その挿入歌以外はけっこうふつうの「ホラー映画のサントラ」って感じでちょっと残念でした（でも、けっしてわるくはない）。

というわけで、以下に何曲か貼っておきますので、丑三つ時におたのしみください。