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いつもながら、ではありますが。

 Ideas Pertaining to a Pure Phenomenology and to a Phenomenolocical Philosophy (Edmund Husserl Collected Works)
Edmund Husserl
(Springer, 1983)

言わずと知れたフッサールのイデーン英訳を図書館で借りた。「エポケー」「現象学的還元」などの耳目に親しい現象学のタームがextensiveに論じられるのはまさにこの著においてなので、トータルな意味でフッサールの主著と言ってもかまわないのではないだろうか。知ってのとおり、翻訳は2分冊(第1分冊第2分冊)というかたちで存在するが、それなりに値が張るうえ、第2分冊については品切れがつづいているようなので、この英訳を買ってしまったほうがよいように思う。


 Husserl, des mathématiques à l'histoire
Françoise Dastur
(PUF, 1999)

本家アマゾンでフッサール関連書籍をつらつら眺めていたら、この仏文書がそれなりに安く古本で出ていたのでいっといた。届いた実物を見てみたら、ドゥルーズ編翻訳あり)とフレーゲ編を(あと、たしかソシュール編も)読んだことがある小振りな入門(風)シリーズの1冊だった。ただ、装いはいかにも「入門」という感じではあるけど、おれが読んだことのある上記の読後感から言うと、じっさいにはなかなか独特な視点から書かれており、この本も一筋縄ではいかないのではないか、という予感があり、それなりにたのしみ。


 Russell's Metaphysical Logic (Csli Lecture Notes, 101)
Bernard Linsky
(Stanford Univ Center for the Study, 1999)

ラッセルの論理学的側面(分岐的型理論)と哲学的側面(論理的原子論)を融和させようとする、なかなかに気宇壮大な試みの書。上に言ったラッセルのふたつの側面というのは、じゅうらい互いになじまぬものとして捉えられ、前者を後者の「萌芽」と見るか、さもなくば前者をラッセルの最初期の為事である『数学の原理』とのつながりにおいてのみ見るかの二者択一的アプローチであったが(とリンスキーは言う)、この書ではそれらラッセルの二側面を互いに照応しあい、かつ両立可能であるようなものとして提示する。


 Analysis by Its History (Undergraduate Texts in Mathematics)
E. Hairer
(Springer-Verlag, 2008)

翻訳は持っているのだけど、このたびペーパーバックがそれなりの安価で出たので、買い。解析、というか、微積をまったく知らない人がこの本で一から勉強するのはちとつらい(というか、止めておいたほうがいい)かもしれないが、それなりにそこいらを勉強したことがある人にとっては、色んな意味で発見に溢れており(たとえば、「こんなめんどいことをしていたのか!」とか)、たのしめる。いまだ数学の「純化」(「ファン=デア=ヴェルデン化」あるいは「ブルバキ化」とも言いますが。って、言わないか)がそれほどすすんでいない時代について書かれているので、よく言えば「地に着いた」、わるく言えば「泥臭い」数学の一面が垣間見れる。ひとつの放言として言えば、たとえば物理だとか工学だとか、数学を日常「道具」として使っている人たちにもアピールするところ大なのではないかと。


 Conceptual Systems (Routledge Studies in the Philosophy of Science)
Harold I. Brown
(Routledge, 2007)

セラーズを出発点にしつつ、それを乗り越えてゆく概念論……と言ってはみたけど、セラーズの本でおれが「見た」ことがあるのは『経験論と心の哲学』(翻訳)のみなので、「セラーズの概念論」と言われてもいまひとつぴんとこないのだけど、そういう「セラーズ云々」は別にしても、たんじゅんに「概念についての書」としてもりだくさんな感じだったので、購入。前半に概念についての議論の歴史的概括がおかれ、後半ではそうした議論(そしてもちろん、セラーズの議論)に基づいて、「因果」「真理」という、哲学史上問題含みである概念の分析、そして、物理学を例にとっての概念活用の事例研究、という構成になっており、色々と勉強になりそう。

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