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周知のとおり、ZFCにおいては整列可能定理が成り立つわけですが(じっさいには、選択公理と整列可能定理とは同値)、他方、Rの整列部分集合は可算となることが示せます(たとえば、Set Theory and Its Philosophyのp.177などを参照)。ところで、このエントリで見たように、範囲[0,1]は可算となりませんが、しかし、範囲[0,1]は整列可能定理により整列可能であり、かつRの部分集合なのですから、「Rの整列部分集合は可算となる」という主張により、これは可算でなければならない。つまり、ここで言われたことはいっけん矛盾しているように見えるわけですが、ここいらはどのように切り抜けるんでしたっけ?
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最初の言及で「R の整列部分集合は可算」というのは R の通常の順序から導入された部分順序構造に関してという意味だと思います。R が c.c.c を満たす (非可算個の互いに素な開集合族が存在しない) からの帰結です。たぶん。一方整列可能定理での整列部分集合は選択公理によるもので、全く具体的に把握できない順序ということだと思います。
要は、整列可能定理による任意の集合の整列可能性はあくまで「可能性」のレヴェルの話で、じっさいにそれがどういう整列になるのかは斟酌しない一方、Rの整列部分集合に関してはあくまで整列条件にきちんと則ったものである必要がある、という理解でいいんでしょうか? というか、いままでそういう理解はしていたのですが、先般から何度かその名前を言及しているJ.R.ブラウンさんの『数学の哲学』で、このふたつの整列集合をどうも混同しているような記述が見受けられ、ちょっと不安になった次第です(ちなみに、この本に感化された「連続体仮説を反駁するために」のつづきが滞ってるのも、この本にあるある種の「いい加減さ」をどうまっとうに処理してプレゼンしようか、そこいらへんで詰まってしまっている、というのが理由だったりします)。
蛇足とは思いますが、文脈から考えるとはやしさんのおっしゃる通りで、「R の整列部分集合は可算」という場合、明らかにその部分集合に R の通常の順序構造を導入した場合の話だと思います。例えば自然数全体の集合は R の整列部分集合であるが、整数全体の集合 Z や [0,1] 区間は整列部分集合ではないという使い方です。
一方選択公理による「整列可能定理」の方は R の通常の順序と全く関係がない順序を導入すれば整列化可能という意味です。例えば整数全体の集合に (0, -1, 1, -2, 2 ...) という順番で「順序」を定義すれば整列になるということです。もちろんこの場合選択公理は必要ありませんが、R の通常の順序とは異なる順序を導入する必要があります。 [0, 1] の場合具体的には分かりませんが、何らかの順序 (「超越的かつ好き勝手に選んで、選んだ順番を順序とする) を導入して整列化可能という意味です。もちろんこの場合の順序も R の通常の順序とは全く異なり、さらに選択公理が必須です。長々と講釈して申しわけございませんでした。
一方選択公理による「整列可能定理」の方は R の通常の順序と全く関係がない順序を導入すれば整列化可能という意味です。例えば整数全体の集合に (0, -1, 1, -2, 2 ...) という順番で「順序」を定義すれば整列になるということです。もちろんこの場合選択公理は必要ありませんが、R の通常の順序とは異なる順序を導入する必要があります。 [0, 1] の場合具体的には分かりませんが、何らかの順序 (「超越的かつ好き勝手に選んで、選んだ順番を順序とする) を導入して整列化可能という意味です。もちろんこの場合の順序も R の通常の順序とは全く異なり、さらに選択公理が必須です。長々と講釈して申しわけございませんでした。
詳しくは、明日あたりに書かれるであろう「連続体仮説を反駁するために」で分かると思いますが、ぼくが「あれ?」と思ったのは、『数学の哲学』の著者のブラウンさんは、選択公理を仮定したうえでなければ言えないような、つまりは「超越的かつ好き勝手に選んだ順序」による整列集合の話をしていたのに、そうした部分集合について「だからこれは可算」と言いだしているように見えたからで、ゆえに、「何かこうすることが可能な抜け道ってあったっけ?」と思ったからなのでした。
ご教示いただいたデヴリンの書きものはまだ読めていませんが、『集合のよろこび The Joy of Sets 』など、語り口が軽やか好印象だった覚えがありますので、これも読むのがたのしみです。ご教示ありがとうございました。
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