「最近のおすすめ本」バックナンバー [本]

■Routledge History of Philosophy Vol. 9

　Routledge History of Philosophy Vol. 10 (2007/10/12 - 2008/01/09)

『哲学の歴史』第11巻を物足りないと感じた向きにぜひ手にとってもらいたい1冊、というか2冊。ラウトリッジのこの「哲学の歴史」シリーズははっきり言ってどれも必携必読ではあるんだけど、とりあえずは第9巻の「20世紀における科学、論理学、数学の哲学」と第10巻の「20世紀における意味、知識、価値の哲学」を紹介。サブタイトルを見てもらえれば分かるとおり、このあいだまでリコメンドしていた中公版『哲学の歴史』第11巻とちょうど対応する内容ではあるんだけど、それらが2巻にわたってエクステンシヴに繰り広げられている。もちろん、この2冊だけでここいらの動向が完全に分かった！というほど甘くはないにせよ、より進んだステップに行くための踏み台としては申し分ないのではないかと。

■哲学の歴史 第11巻 (2007/04/18 - 2007/10/11)

これは今まで何度もエントリで取り上げてきたので（その1、その2、その3）、薦めなきゃウソ、ですな。内容は、日本では「分析哲学」と呼ばれることが多い潮流を軸に、数学の哲学、科学哲学、そして言語哲学の歴史をざっくり叙述。ある程度これらのトピックに親しんでいる人には、その簡潔な記述が物足りなく感じることもしばしばだけど、そういうことを度外視しても「買い」な1冊です。