[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
先日「もし自分に中高生ぐらいの子どもがいて、彼ら彼女らが『何かおもろい本ない?』と聞いてきたらどういう本をすすめるか」という、「愚にもつかない」想定のもとでエントリを書いたわけだが、それをはてブしてくれている人がいて、そのブクマコメントに「中高生くらいの時分に読んで感銘を受けた本としてホフスタッター『ゲーデル、エッシャー、バッハ』、フーコー『言葉と物』、そしてドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』などがあり」というところが抜粋として引かれており、それを見て何だか「おれはこんな本を中高生のころから読んでたんだぞすごいだろ」と言っているような感じがして、はずかしくなってきた。ゆえに、いまさらながらではあるけれども、「いや、そういうことではないんですよ」という言い訳を、ひとつ。
まず、それらの本を読んだのを、ごく荒っぽく「中高生」としており、ことによったら「ドゥルーズもフーコーも中学生のときに読んだ」という解釈を許す書き方になっているが、これは「もし自分に中高生ぐらいのこどもがいたら」という想定を引きずっているだけの話で、上記3冊のうちじっさいに中学生で読んだのは『ゲーデル、エッシャー、バッハ』だけである。それにこの本だって、すみからすみまで理解したわけではなく、しかも、おれの場合さいわいなことに、かなり小さい時分からコンピュータをいじっていたり、なぜだかブルーバックスの『ゲームの理論入門』などを愛読していたりしたので、論理演算というか数理的思考法のようなものにもそれなりに早くからなじんでおり、そういう面でのアドヴァンテイジがあったことも注記しておきたい。
また、ドゥルーズに関しては、これは何度かこのブログ上で書いたことがあることだが、何の因果か中学生のときに「ノイズ」なる少しずれたジャンルの「音楽」を聴きはじめ、そして、そのノイズに関するガイドブックとして愛読していた『銀星倶楽部』ノイズ特集号で、SPKのグレアム・レヴェルが『アンチ・オイディプス』の名前とともにドゥルーズについて語っていたのが、「ドゥルーズ」という名前にふれた最初であった。だから、その名前だけは中学生のときに知っていたことにはなる。しかし、じっさいにその書、つまりは『アンチ・オイディプス』を読んだのは高校生になってからで、しかも、これは「かりに、もし」でも書いたように、最初読んだときにはその内容はさっぱり分からなかった(だが、「世の中には何だかよく分からないことを考えている人がいる」という、これはこれで貴重な感慨をいだいたので、そういう理由ですすめよう、と思った次第)。
フーコーについては、その書『言葉と物』を読んだのは高校3年のときで、これはべつだん奇異なことではない、つまり、とくべつに早い時期に読んだというわけではない、と思う。しかも、『言葉と物』を読んだことのある人は同意してくれると信じるが、『言葉と物』は嵩が張っているだけで、内容や書き方はそれほどべらぼうにむずかしいわけではない。高校の3年間でそれなりに本を読んでいれば十二分に対応できるものである。(なお、参考までにフーコー、および『言葉と物』を知った経緯を記しておくと、それは、高橋源一郎『ぼくがしまうま語をしゃべった頃』所収の高橋源一郎と吉本隆明の対談において吉本隆明が「これを読んでないとモグリだって本は『言葉と物』ぐらいだと思う」と言っており、それがつよい印象を残した、というわけである)
……というわけで、「すごいだろ」という自慢話では、さらさらないのです。
日ごろの雑事に忙殺され、ここ(ブログ)でにかぎらずもろもろ「やりたい」と思っていることまでなかなか手が回らない毎日ですが、ゆるゆると、やれる範囲のことをたのしみながらつづけていきたいと思っていますので、◯被さまにあられましても、そのような調子でおつきあいいただければ。
少し前から、読ませていただいてます。
自分は、数学を学んでいて、集合論など、基礎論に興味があるので、とても勉強になってます。
前のエントリは、自慢話だとは感じることは全くなくて、いろんな本を読んでいこう、という意欲を頂きました。
少しずつ読み進めようと思います。
これからもブログ楽しみにしてます。
shotaさんのブックマークをあのようなかたちで取りあげるのはじゃっかん失礼にあたるかな、とも思ったのですが、あらためて自分の記事を読みかえしてみて、「自慢話」と受けとられる危険はじゅうぶんにあるな、と感じましたもので、失礼をもかえりみず、あえて贅言を費やした次第です(ただ、と急いで付け加えると、shotaさんがぼくの記事を「自慢話」として受けとっておられるとは、露も思いませんでした)。
ともあれ、ぼくの記事が機縁になり、何かしらのたのしみをここを読んでくれているかたがたに提供できれば、ほんとうにうれしいことです。これからも、「自分がおもろいと思うこと」を基本に、いろいろと無責任に書きつづっていきますので、また何かしらshotaさんの感性にふれるものがあれば、と思います。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
音
雑
虫
技術
『スペクタクルの社会』を読む
ドゥルーズ講義録
電波
趣味の数学
趣味のゲーデル
『プリンキピア・マテマティカ』を読む
自己紹介もどき
ブログペット俳句
芸術一般
言語ヲタ
お客様
GRE CS
留学
Boing Boing
映画
ちょっといい話
かなりダメな話
魂の叫び
哲学と数学
論文
引用
「いい」とも「ダメ」とも言いがたい話
悲喜こもごも
証明論
ポエム
書物への呪詛
言わずもがななことではあるけれどときに忘れてしまうこと
何か無駄なことをしよう
日々
趣味の勉強
夢
ブログの記事
翻訳
勉強
不眠
文房具
ライフハック
育児
thayashi#ucalgary.ca
(#を@に置換してください)
このブログで紹介したことのある本をランダム表示。
このブログで紹介したことのある音をランダム表示。