半角文字、などについて [技術]

先日RSSリーダにめったくそ溜まってた記事を一気に消化しているときに、/.Jの次のような記事が目に留まった。

……はてな匿名ダイアリーに「パソコンの素人と玄人を見分ける方法」というエントリがあって、結構活況を呈しているようなのだが。たとえば、「半角英数入力をする時、どんなに長い文字列でも、とにかくキー入力してからいちいちファンクションキーで半角に直すのが素人、IMEをオフにして入力するのが玄人」のようなものが挙がっている。

スラッシュドット版「PCの素人と玄人を見分ける方法」

まあ、どうでもいいと言えば死ぬほどどうでもいい話題だし、そう思うのが「玄人」かどうかはべつとして、「素人／玄人」なんて腑分けはすでにして無効だろ、とも思うのだが（だいたい素人、というか、ビギナーは、F10とかCtrl+tとか知らないような気がする）、いま書きたいのはそういうことではなく、全角文字と半角文字をまぜこぜで用いる場合、なかなか悩ましい問題があるよな、ということ。

たとえば、丸カッコなどは、そのカッコ内に入るのが全角文字だけであれば、あまり悩まずに全角丸カッコで突っ切ってしまうのだが、カッコ内に入るのが半角のみの場合、じゃあそのカッコを半角にするか全角にするか、ちょっと迷ってしまうのだ。すなおに考えれば、カッコ内に入るのが半角のみだったら、カッコも半角で、とも思うのだが、じっさいにそうすると、少なくともおれの環境(OSX+Firefox)ではちょっとつまり気味のような気がしてしまう。たとえば、たったいま書いた「おれの環境(OSX+Firefox)では」のように。これを、全角カッコを用いたものと比べてみよう。

半角カッコ＋半角英数：おれの環境(OSX+Firefox)では
全角カッコ＋半角英数：おれの環境（OSX+Firefox）では

ご覧のとおり、半角カッコと半角英数の組み合わせでは、カッコの内側の釣り合いはちょうどよいのだが（当たり前）、カッコの外側がちょっとつまった感じになってしまう。反面、全角カッコと半角英数の組み合わせだと、半角カッコ＋半角英数という組み合わせとはちょうどぎゃくに、カッコの外側は（ややあいだが空きすぎのきらいはあるにせよ）まあいいとして、内側がつまりすぎている。だから、これをちょうどよくするためには、半角カッコ＋半角英数の組み合わせにおいて、カッコの外側に半角スペースを付け足す、という方途が考えられる。

半角カッコ＋半角英数＋カッコの外側に半角スペース：
おれの環境 (OSX+Firefox) では

しかし、何だかこれもいちいちめんどくさいような気もしてしまう（というか、このようにあらためて見てみると、全角カッコにせよ、半角カッコの外側に半角スペースにせよ、あいだが空きすぎ、という気がしてきた。ということは、全角カッコ＋全角文字の組み合わせでもあいだが空きすぎ、ということであり、だったら、なかに入るのが半角であろうと全角であろうと、カッコは半角を使うべきなのか……）。

また、カッコの問題以外にも、ちょうど上で用いたような「＋」や「：」のような、本来であったら半角で用いるべき文字をどうするか、という問題もある。基本的に、数式を書くような場合以外は、「＋」に関しては全角でかまわないと思うのだが、「：」はどうするか。これは、全角のままだと、「：」の前後にスペースが空きすぎ、のような印象を受けてしまう。たしかに、フランス語であれば「：」の前後には半角スペースを入れるので、これで全然かまわないと言えるのだが、英文だと、スペースを入れるのは「：」のあとのみなので、それからの連想でいけば、日本語に「：」を用いる場合でも、ちゃんと半角の「：」（つまり「:」）を用い書くべき、とも思われる。上の例でいくと、次のとおり。

半角カッコ＋半角英数: おれの環境(OSX+Firefox)では
全角カッコ＋半角英数: おれの環境（OSX+Firefox）では

こちらのほうが、かくだんにうつくしい。

それ以外にも、文中で（半角）数字を用いるのは、どういう場合に限るか、という問題がある。たとえば、「一般的」を「1般的」と書くのは論外だが、では「ひとり」を「1人」と書くのはどうか。おれは基本的に「一人」（もしくは、上の書き方を認めるなら、「1人」）は「ひとり」とひらいて書くので問題はないが、じゃあ「第1に」はどうか。「第1位」は何となく認められる気がするが、「第1に」はちょっときもちわるい（だから、これもおれは基本的にひらがなにひらいて「だいいちに」と書くことが多い）。

そんなこんなで、ごくごくかんたんに済ませるつもりが、かなり長く書いてしまったことからも分かるとおり、横書きで英数をまじえて何かを書こうとすると、けっこういろいろと考えてしまうことが多い。もっとも、ブラウザによって「見え」もちがうわけだから、こんなタイポグラフィカルなことに意を払っていてもしようがない、気もする。