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ぷっつん大吉さんのここいらの記事に使嗾されて、というわけでもないのだけど、最近「アンチ、まではいかないが、ストリング理論に対して疑義を表明する」といったテイストの本を2冊ほど買った。
Not Even Wrong Peter Woit (Basic Books, 2006) |
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The Trouble with Physics Lee Smolin (Mariner Books, 2007) |
まだ届いたばかりで目次や最初のほうをぱらぱら眺めただけなのだけど、当初はストリング理論にそれなりにコミットしていた人たちの「内部告発」といった趣。
おれの知ってる限りで言えば、「ストリング理論の何がそれほど問題なのか」というと、まず「検証が可能ではない」ことが挙げられると思う。つまり、ポパーの言う反証可能性がストリング理論にはない。だから、これは近代科学でいう意味での「理論」の名に値せず、「まちがいですらない Not even wrong」ということになる。これは、「理論」を名乗るものとしては、けっこう致命的な点ではある。しかも、いまのストリング理論の理論構成から言うと、テクノロジーの進歩によって検証手段が出てくる、とも思えないし。
ただ、だからと言って、たんじゅんに「そんなもん反古にしてしまえ」ということにはならない。まず考えられるのは、ストリング理論側からの「歩みより」、つまり、構成的に「美しくない」点が出てきてしまおうが、とりあえず実験に乗るかたちに再構成しなおす、ということがあると思う。これはこれでかなりの難事業であることが予測されるけど、どこかで「この世」との切りむすびをつけとかないと、やはりまずかろう。
ともあれ、外野としてはどちらもがんばってほしい、というか、こういう切磋琢磨がないとしまいに先細りになっていってしまうものだから、内部的にもあらまほしいこと、と思います。ちなみに、「アンチ・ストリング理論」本としては、マゲイジョのこれもひじょうにおすすめでございます(翻訳も青木薫さんなんで、安心して読めるし)。
■追記@現地時間2007年12月14日
上で紹介した2冊、それなりに最近翻訳が出ていることについさっき気づきました。
ストリング理論は科学か ピーター・ウォイト (青土社, 2007) |
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迷走する物理学 リー・スモーリン (講談社, 2007) |
とくに、スモーリンのやつは、出たてのほやほや。年末年始のお供に、グリーン本・ランドール本とあわせて読むのもオツかもしれません。
ありゃまあ。
相対性理論と、量子力学の対立を解消する、一段上の わあ、すごーーい 理論かと思っていました。
もっと平たくいうと、現在物理学が扱う分野では 今のところ相対性理論と量子力学の両方に反する観測データは無いのだから、超弦理論が完成したら、あ、すべての観測データの説明がつくんだ、嗚呼そりゃそれでとても凄いな、嗚呼嗚呼とても感動的だな、おしっこちびりそう、それなら移民の歌でも歌おう、あああーーーーーあっ、とでも思っていました。
訳が分らないと思われるでしょうが、私も訳が分りません。
この一連の私の 一種意味不明ともとれる言動もさながら、超弦理論自体にも。
いや、超弦理論ならずとも、相対性理論でも、量子力学でも、いや、超数学でも集合論でも、私のような専門書を読めない原始人は、啓蒙書なる、馬や鹿でも分かる本を 読んで あああーーーーーあっ と 失禁してしまうのでありました。
そして、そして、その、その感動から生まれるものは・・・・・・、じゃじゃじゃじゃーーん↑ っと ベートーベン「運命」が流れて そう偉大なる、じゃじゃじゃじゃーーん↓、ト・ン・で・も であります。
はやしさんの脳も活動も弦の振る舞いで説明できちゃって、ぷっつん大吉の脳の活動も弦の振る舞いで説明できちゃって、宮本さんの脳の活動も弦の振る舞いで説明できちゃって、わあ、すごい、これ、とっても、感動的 ト・ン・で・も ですねえ。(・・・自分で言うのも何なのですが、このネタ、なあんも おもろない。それにいまいち意味不明。)
では、加速度を無くして、慣性運動に移ります。
それにしても、ニュートンは偉かったと思いますよ。彼が考えた理論が完全無欠ではない と いう十分な証拠が出てくるまで300年も、かかったのですから。ある意味、300年間 誰も反駁できない最終理論だったのでしょう。
実際、工学というレベルでは、今でも最新のロケットを飛ばすなんて凄いことでも、ニュートン力学の範囲でできちゃうくらい、わあ、すごーーーーーい もの なのですから。
嗚呼、また重力なる加速度が、かかってきたああああ。
何であれ、とりあえず、今ある観測結果をすべて、矛盾なく綺麗な形で説明できりゃ、それはそれで 「ええやろ」というのが、わあ、すごーーーーい と すぐに失禁してしまうド素人の考えです。
玄人からは、失笑ものでしょうが。
やっと、重力圏から脱してきました。加速度がなくなってきました。
少なくともニュートンの功績は、科学の発展に欠かせなかったように、もし、超弦理論も完成すれば、それはそれで 色々な形で科学の発展に寄与するだろうと思「え」ますので。
「最終理論」と 言われていますが、とはいえ、それで、人間の行動や社会現象まで説明がつくと思っている物理学者は 流石にいないでしょう。
グリーンも書いていましたが、この「最終理論」が完成すれば、科学の終点でなく、大きな「出発点」になるだろうと。
マジで全くコメントになっていないと 自分でも思いますが、折角呼ばれた気がしたので、とりあえず、書かせていただきました。
こういうのを、アンファッショナブル・ナンセンス とでも いうのでしょうか。
まあ、どうせ書くならアンチ超弦理論ぼん も 読んでからにせい!!
この ぼけ、せいばい してくれるわ 意味不明なこと 書きやがって、って ところでしょうが。
エントリ ちゃんと 読んどるんか、このあほ、ラテン語ちごて、日本語で 書いたっとるちゅーーに、って、
成敗される前に、いざ、逃走、いやいや 退散。
といいながら
今、ふと思ったのですが、検証するテクノロジーが無い状態ならば、相対性理論と量子力学の対立を解消する理論が、超弦理論 とは 全く違う形で できる可能性も なきにしもあらずなんでしょうね。
もし、そういうのができちゃったら、どうするんだろう?
そうだ、事後で、その二つを適当に結婚させたらいい、そうだ、できちゃった結婚だ。
こんな事態になれば、それこそ、何でもありの世界ですね。
検証するテクノロジーがない とは 困ったものですね。
もちろん、何が検証可能で何が検証可能でないのか、また、たとえ検証可能でなくとも、何が受入れ可能な前提で何がそうでないのか(ストリング理論で言うと「万物の構成要素の最小単位は『ひも』である」という前提は、検証抜きに受入れ可能か?)というのは、これ自体でものすごくむずかしい問題です。とはいえ、上で言ったことの繰りかえしになりますが、そういう「検証可能でないような前提」は、その前提をおいたことにより「結果」で判断するしかない。現在、ストリング理論は残念ながらこうした「結果」をまったく出せていないわけです。
あと、ウォイト本をざっと読んでみて気になったのが、ストリング理論と「宗教」を論じたくだりで、つまり、「実験によって(間接的なかたちでではあれ)その正否が判じられるような前提」ではなく、ただひたすら「信」をおくべきものとして、「理論」が「信仰」にとって変わられつつある、という部分です。統計的にどれぐらい有意なのかはウォイト本からは読みとれませんでしたが、ストリング理論の「まとも」な研究者(つまり、ピアレヴューつきの学術誌に多数の論文がアクセプトされ、その論文も多数の同業者によってリファーされているような、そんな研究者)が、ガチの信仰にいってしまい、しかも、そうした信仰対象を自らの理論、つまりストリング理論で説明しようとしていたりする。これは、基盤が不確かなもので、基盤の不確かなものを根拠づけるという、ひじょうにあやういことです。
そんなこんなで、エントリおよびこのコメントの最初に言ったことの繰りかえせば、たしかにわれわれにはそれ(ストリング理論)を内在的に批判することはできないかもしれないが、それを「新たな教説」として受入れることは大いに警戒しなければならない、そう思います。
ちなみに、エントリで紹介した2冊は、それなりに最近翻訳が出ているようなので、その書誌をエントリ中に追記しておきます。
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