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今日ふと気づいたのだが、アメリカへ来てからこれまで、殴り合いとかそういう派手なのはもちろん、「些細な諍いごと」というレベルの喧嘩ですら、まったく目にしていない。それは、こちらの人たちは日本人のおおかたよりも、言うなれば「ゆずりあい」の精神に富んでいるからではないか、という気がする。

ややステロタイプな見方になるかもしれないが、アメリカと言えば「個人主義の国」というイメジがある。げんに、「留学生のための心得セミナー」みたいなものを受けさせられたときも、「ここはindividualismの国だから」みたいなことを言われた。だが、じっさいにここアメリカで暮らすにつれ、いままでナイーヴに考えていた「個人主義」は、大々的に改めないといかんな、という思いがつよくなってくる。

まず、ほんとうに表層的なレベルで言えば、「個人主義」に「自分勝手、利己的」というコノテーションをこめてしまいがちである。たしかに、「利己的」というのはある意味で当たってはいる。しかし、「利己的」であることはべつだん「自分勝手」であることを意味しない。むしろ、ほんとうに「利己」をのぞむのであれば、けっして「自分勝手」であってはならない、という前提がこちらの人には共有されているように思える。

「自分の権利」を尊重することは、その反射的帰結として、「人の権利」をも尊重することをも意味する、つまり、他者の何らかのアクションに対して、もし自分がその他者だったらどうして欲しいか、という、仮定法的期待の地平で自らの反応を決しているのではないか。そんな印象を持つ。つまり、「個人主義」とは、「自分」という「個人」を尊重する考えというよりもまず、「他者」という「個人」を尊重する考えとして発現することになる。

そんなことを思った。

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