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最近、昔よく読んでいた本を読みかえすことが多い。

そして「昔よく読んでいた本」のなかでも、とくに「フランス現代思想」という名前のもとによせ集められるものを読んでいるのだが、読前の予想とことなり、これが案外おもしろく、いろいろと読みついでしまっている。

たしかに、訳が分からないと言えば訳が分からず、妄言と言えば妄言であるとしか考えられない部分も多いのだが、べつにそこから何かを汲みとろうというわけでなし、もっぱら「たのしみ」のためながし読みしているので、気にならない(というか、ギリギリと「読みこむ」という姿勢より、サラッと「ながし読む」というほうが、こういったものどもは「分かる」気がする)。

そういう、「昔よく読んでいたフランス現代思想」の書から、きのう読んでいたものを紹介。

  • Jacques Lacan, Ecrits , Seuil
    「ラカンと言えば難解、難解と言えばラカン」と言われるように、ちょっと近よりがたく思えるかもしれないが、ながし読む分には「難解」もへったくれもなく、ただラカンのécrivainとしての才をたのしめばよい。おもに、現在某ドゥルージアンによって翻訳が進められていると聞く「『盗まれた手紙』についてのセミネール」を読んでいたが、これには「精神分析」ということを離れて、「循環性」ということがいっぱんに持つ重要な働きが示されている、ように思う。翻訳は「原書が超難解なのに輪をかけて超超難解なシロモノ」(浅田彰)らしい。そう言われると、ぎゃくに読んでみたくなるな。

  • Jacques Derrida, L'écriture et la différence , Seuil
    デリダは、「昔よく読んでいた」どころか、今でもときたま書棚から取りだしては任意にページを繰っていたりするのだけど、この『エクリチュールと差異』(翻訳)は、何度読みかえしてもみごとだ。とくに、バタイユ論には引きこまれる。こういう、「書くもの」と「書かれるもの」の「幸福な共鳴」というのは、なかなか得難いものだ。

  • Roland Barthes, Œuvres completes , Seuil
    バルトは、並みいる「フランス現代思想」のなかでも、今となってはやや「マイナー」な存在になってしまっているような気がしないでもないが、やはり今でも読まれるべきものを書いている。それは、けっして「理論的に見るべき点がある」からではなく、ただひたすらその「快楽plaisir 」のため、である。そういうわけで、全集の巻から巻へ、ページからページへ、そぞろな読書をたのしんでいる。
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コメント
昔よく読んでた本というのは、人それぞれで興味深いね。
ちびすけ 2007/05/04(Fri)20:59:00 編集
まあ、おれの場合、昔よく読んでいた本も「やっぱりか」というものだったりするので、あんま面白みもないかも、だけどな。
はやし 2007/05/04(Fri)23:57:00 編集
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