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触発、と聞くと四人囃子を思い出してしまうおれはやはり古い人間だろうか?
って、以下に続くのは全然四人囃子とは関係なくて、なにがしか触発された、と言えないでもない要因で借りた本のメモ。ま、昨日の続き、ですね。
- Scepticism Comes Alive (Bryan Frances, Cambridge)
図書館をうろついてるときふと目に留まり、ふつうだったらそのまま通過してしまうところだけど、長谷部さんのこの記事のことが頭にあったので、どれ、最近の懐疑論はどんなことになっておるのか、と借りてみた。さて、この本は最近に至るまでの懐疑論のサーヴェイ、というよりも、著者の見解を全面に打ち出してある。ただ、そうは言っても、ざっくりとした概観はなされているので、一粒で二度おいしい、といったところでしょうか。これでも飽き足らなかったら、こういうのもあるんで借りてみようかな、と思っています。 - Bourbaki (J. Fang, Paideia)
副題に「現代数学の哲学のために」とあるブルバキ論(ちなみに、これには続編もあって、そこで扱われているのはヒルベルト)。内容は、ブルバキの「人」(!)と「業績」と「その方法」をあんこに、アンチブルバキたちや、数学における「創造」なんてテーマも扱っており、かなり面白そう。もしかして、森毅のブルバキ本(アマゾンで該当なし!)の種本かな、とも思ったり。で、これを借りたのはもちろんこちらの記事が念頭にあったから、でございます。ちなみに、おれもその昔、相当な「ブルバキかぶれ」だったことがあり、明倫館でせこせこと原論の原書を買いあさり、あまつさえ卒論でブルバキを扱いそうになった。もちろん、人としての「良心」はまだ枯渇していなかったので、すんでのところでそれは止めましたが。
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こんにちは、鏡です。
ブルバキは私にとって数学そのものだった時期もあるのですが、その割には、じゃあブルバキって何だったのか、とか、少なくとも自分に取ってどういうものだったのか、ってまとめ切れてないのが情けないです。
二十世紀の数学が、ブルバキ以前とブルバキ以後で、もちろん全部がそうという訳ではないのですが、やはり違うものになった面もあると思うし、自分自身にとって、こちらは明らかに数学に対する認識を完全に変えてしまったことは間違いないと思います。
じゃあ何が変わったかというと、これが良くわからないのであり、せっかく今でも数学に興味を持っているので、自分なりの答えらしきものを出したいとは思っています。内容をほとんど覚えていないので難しい面もあるのですが。
それはそうと、昔、集合論第3巻(構造のところ)の原書を買いました。東京図書の「ブルバキ数学原論」がとても立派な装丁だったので、原書はどんなに素晴らしいか、と大いに期待していたら、当時は Hermann が出版していたのですが、厚めのわら半紙に印刷して安物の糊で製本した感じで、少々がっかりしたのを覚えています。高かったのに。インドの Tata のはもっとぼろだったですが。確か Munford の Abelian Variety でした。一週間でばらけました。
あっ、お忙しいところ、だらだら書いてしまいすみませんでした。
ブルバキは私にとって数学そのものだった時期もあるのですが、その割には、じゃあブルバキって何だったのか、とか、少なくとも自分に取ってどういうものだったのか、ってまとめ切れてないのが情けないです。
二十世紀の数学が、ブルバキ以前とブルバキ以後で、もちろん全部がそうという訳ではないのですが、やはり違うものになった面もあると思うし、自分自身にとって、こちらは明らかに数学に対する認識を完全に変えてしまったことは間違いないと思います。
じゃあ何が変わったかというと、これが良くわからないのであり、せっかく今でも数学に興味を持っているので、自分なりの答えらしきものを出したいとは思っています。内容をほとんど覚えていないので難しい面もあるのですが。
それはそうと、昔、集合論第3巻(構造のところ)の原書を買いました。東京図書の「ブルバキ数学原論」がとても立派な装丁だったので、原書はどんなに素晴らしいか、と大いに期待していたら、当時は Hermann が出版していたのですが、厚めのわら半紙に印刷して安物の糊で製本した感じで、少々がっかりしたのを覚えています。高かったのに。インドの Tata のはもっとぼろだったですが。確か Munford の Abelian Variety でした。一週間でばらけました。
あっ、お忙しいところ、だらだら書いてしまいすみませんでした。
ぼくは当時のブルバキ受容の様子も知らないし、さらには当時であれ現在であれ、数学科の現場も風聞以上には知らないのですが、とエクスキューズをした上で、あくまで外形的に見ると、ブルバキが「現代数学」に及ぼした影響というのは、良きにつけ悪しきにつけ、大きいと思います。
まず第一に、数学の記述の仕方の変化、つまりは、定義・公理・定理・証明、という一連のセリーによって理論を記述するようになった、ということには、やはりブルバキの影響が大きかったのではないでしょうか。もちろん、そのオリジネイターとしての地位はファン・デア・ヴェルデンに譲るべき、なのかもしれませんが、こうした記述をここまでポピュラーなものにしたのはブルバキだと思われます。
次に、これは多分にぼくの偏見が入っているのですが、「数学」というものを、下手をすれば全体として「代数的」に見よう、という雰囲気をまき散らしたように思われます。これももちろん、デカルトという大先達がいるのですが、デカルトにはブルバキたちに見られたような過激なまでの「代数化への意志」はなかったように思います。そして、これのことがまた、ある種のブルバキ批判につながっているのではないでしょうか。
で、ブルバキの原書、ですが、ぼくが蒐集したやつはそれほどひどくはなかったですね。たしかに、ものすごく脆弱な装丁、というのはそうですが、見ようによっては、東京図書から出ていたやつよりもむしろ洒脱な印象を受けたりします。しかも、ぼくが集めていたころは、一冊300円とかで投げ売りされていました!
まず第一に、数学の記述の仕方の変化、つまりは、定義・公理・定理・証明、という一連のセリーによって理論を記述するようになった、ということには、やはりブルバキの影響が大きかったのではないでしょうか。もちろん、そのオリジネイターとしての地位はファン・デア・ヴェルデンに譲るべき、なのかもしれませんが、こうした記述をここまでポピュラーなものにしたのはブルバキだと思われます。
次に、これは多分にぼくの偏見が入っているのですが、「数学」というものを、下手をすれば全体として「代数的」に見よう、という雰囲気をまき散らしたように思われます。これももちろん、デカルトという大先達がいるのですが、デカルトにはブルバキたちに見られたような過激なまでの「代数化への意志」はなかったように思います。そして、これのことがまた、ある種のブルバキ批判につながっているのではないでしょうか。
で、ブルバキの原書、ですが、ぼくが蒐集したやつはそれほどひどくはなかったですね。たしかに、ものすごく脆弱な装丁、というのはそうですが、見ようによっては、東京図書から出ていたやつよりもむしろ洒脱な印象を受けたりします。しかも、ぼくが集めていたころは、一冊300円とかで投げ売りされていました!
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