読み始め： 風間喜代三『ラテン語とギリシア語』 [本]

この本は一応、「ギリシア語とラテン語の世界にまず接してみようとする読者のため」のものだそうだから、まあ「初学者一歩前」向けということになるんだろうけど、そうした人たちによりもむしろ、学生時代にギリシア語・ラテン語を学び、辞書を引き引きなら何とかプラトンやらキケロやらを読めるようにはなったけど、それからの道行きは停滞気味で、Loeb文庫を読むにしても左カラムの原文はすっとばして右カラムの英訳しか読んでないとか、いやあLoebどころかその手のものはすっかりご無沙汰だよ、といったヘタレ古典語既習者におすすめ。昔習った断片的な知識が、有機的に繋がる、というのは言い過ぎにしても、「ああ、そーいうことだったんか！」と新たな装いをして蘇ること請け合い。語学書だと普通「文字」とか「発音」のとこなんか読み飛ばしちゃうけど、この本はそういうところもしっかり味読させていただきました。全体的なテイスト的としては柳沼重剛の『語学者の散歩道』なんかに近い、かな？　併せておすすめします。