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時間がなくって参ってる。
つっても、何かパブリックなこと、というのはおれ以外の誰かや何かとの係わり合いにおいて「時間がない」ということではなく、あれもこれもと欲張りすぎ、なんだよな。ちょっとぷらっと出掛けたり、出掛けついでに本屋寄ったり、そこでまた本を買い込んだり、家帰ってきたら帰ってきたで敢然コーディングへの意志が発動されたり、合間合間に各種サイトのメンテかけて、とかやってるうちにメチャクチャ眠くなってきて寝ちゃう、と。だから、「暇」とか「退屈」とか言ってる人を見ると、本当に羨ましい。頼むからその「暇」をおれにくれ。何なら買ってもいいぞ。
で、そんな時間のない中、今日もまた紀伊国屋新宿南店に出向いて所望したのが、カトリーヌ・マラブーのLa plasticité au soir de l'écriture (『エクリチュールの夕暮れにおける可塑性』)とLe change Heidegger (『ハイデガー的変換』)の二冊(ほんとは他にも買ったんだけど、内緒)。
カトリーヌ・マラブーってのは、あんまり目立つ人材のいないフランス哲学/思想界において、まあそこそこ目立ってるかな、という人(彼女の著作で日本語で読めるものとしては、『ヘーゲルの未来』(これが博論)、『わたしたちの脳をどうするか』なんかがある)。で、彼女の博士論文指導教官というのが実はデリダなんだけど、その書き物を見る限り、通俗的に思い浮かべられるようないわゆる「デリディエンヌ」という感じではなく、師匠の実直な部分を受け継ぎました、という趣きで、それなりに好感が持てる。何より、師匠のある時期の書き物から連想される面妖な文章ではなく、きわめてすっきりしたものを書いているところがいい。
でも、不満、というか、危なっかしいなあ、と感じる部分はやっぱりあって、彼女の用いる鍵概念の一つ、というか、ほとんどone and onlyなものに、上に挙げた書名にも登場している「可塑性plasticité 」というのがあるんだけど、この可塑性と脳というものを、普通に「脳の可塑性」と言われる文脈からは逸脱して結びつけ、さらにそこから、「脳」からいきなりそこに飛んじゃまずいだろ、というような、たとえば「政治」や「経済」なんてことを語っちゃったりする。
まあ、彼女の言う「可塑性」というのからして、分かるようで今ひとつ分からない、といった体のもので、だから、それをめぐるあれやこれやに関しても即断は避けなきゃいけないんだけど、にしても、という感触を持つ。ま、とりあえず、『エクリチュールの夕暮れにおける可塑性』では彼女の「知的遍歴」を絡めながらこの「可塑性」の来し方行く末を語っているようなので、さくっと読んでみよう、と思っている。
……って、ああ、また本の話に終始してしまった。今年は「音」エントリ主体で行くつもりだったのに!
ユマにマラブー氏に関する記事を見つけたのでお知らせまで、、ちなみにこのパリXの先生アルジェリア生まれのようですが。
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ところで雑誌 Multitudes と連絡付いたのでしょうか? めんどいよーなら代行可能性有なり、、電話とかで。
ご紹介のユマニテ記事、マラブー言うところの「脳と政治」の係わり合いについてのごく手短なサーヴェイになっているので、ぼくが下手くそに紹介するよりも、これをさらにかいつまんで紹介したほうがいいかも……と思いました。ただ、これを読んでも、やっぱり「脳と政治」の関係について、「そうかあ?」という思いは拭えませんでしたが。
で、Multitudesにはまだ連絡は取っておりません。というのも、ほんとまだまだ「準備段階」に過ぎず、今のところ翻訳人員を集めているところなので、もうちと体勢が整ってから……という言い訳のもとで先送りしているわけですが、はい、正直メンドーはメンドーですね。なもんで、「よし、プロジェクト本始動だ!」となった暁には連絡代行頼んじゃうかも、ですので、そのときにはよろしくお願いします。
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