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図書館で『バードマン:あるいは(無知のもたらす予期せぬ功徳)』が借りられたので見ました。

見る前は「ちょっと(あるいはかなり)重いテーマが底に潜んだコメディかな」と思っていて、それも当たってなくはなかったのですが、それより、見はじめてすぐ、「ああ、これは引用/ほのめかしに気をつけて見なければならない映画なんだな」というかなりあからさまなシグナルが送られたので、そういう心がまえで見ました。以下、ぼくが気づいた範囲での、そして物語に何らかのかたちでかかわってくる引用をあげてみます。(もっとも、ぼくが気づいたのは、「ほのめかし」というよりあからさまであるものばかりなので、見る人が見ればもっといろいろな「ほのめかし」がそこかしこにあるのでしょうが、それはまあぼく個人の限界ということでかんべんしてください)

以下では基本的に引用リストを掲げるにすぎないのですが、末尾に映画のラストにかんする「ほのめかし」が含まれるので、ネタバレに神経質な人はつづきを読まないほうがいいかもしれません。

『気狂いピエロ』
バルト『神話作用』
『オペラ座の怪人』
ウォレス・スティーヴンス「ものにかんする考えではなくものそれ自体」
『ファイトクラブ』
『マルホランド・ドライブ』
ボルヘス『ラビリンス』
シェイクスピア『マクベス』
(ウォレス・スティーヴンスにかんしては、見たあとに調べてその詩を読み、「ああ、なるほど」と思った)

あと、忘れてはいけない、そしていちばん重要と思われる「引用」はやはり、マイケル・キートン、エドワード・ノートン、そしてナオミ・ワッツという役者さんたちで、彼ら彼女らの(ぼくらが知りうるかぎりでの)「実人生」(あるいはパブリック・イメージ)が劇中で「引用」されているように見えました。そういう意味で、(その内容をほとんど覚えていないので上ではあえてあげなかった)カーヴァーの「ぼくたちが愛について語るときに語ること」が「ぼくたちが演じるときに演じること」というかたちで変奏されているとも言えるのではないでしょうか。

そして、ラストですが、ある意味「オープン・エンディング」とは言えるものの、オープニングの(あからさまな)「ほのめかし」を考えあわせると、そこでほのめかされていたもののラストと同じことが起こったとするのがいちばん自然なんじゃないかなあとぼくには思えました。

【追記】『バットマン』と『ファイトクラブ』は、あまりにもあからさますぎるので当初リストに入れていなかったのですが、『マルホランド・ドライブ』を入れてるぐらいなんだから『ファイトクラブ』は入れるべきと思いなおし、入れました。『バットマン』にかんしては、これは「大前提」であろうと思われるので、リストにはやはり入れない方向で。(って、こういうふうに言及しちゃってる時点で入れてるも同然ですが)
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