最近の読み本 [本]

そりゃあんたこれでしょ、って、ええ、ええ、そうなんすよ仰せのとおり、なんだけど、それ以外にももちろん読んでる本つうのはあって、そのなかでも、『現代英語冠詞事典』をよく読んでいる。

冠詞というのは、読むときは言うまでもあらず、しゃべるときにもそれほど問題にならないのだが、こと「書く」という段になると、とたんに「大問題」として浮上してくる。理屈としていくら「冠詞の用法」なるものを押さえているつもりでも、いざ運用するとなると英語が母語ではないものにとっては、いちいち立ち止まって考えざるをえない。それが「しゃべる」というかそけきもので、だいたいにおいて「立ち止まって考え」るような時間がないものならまだしも、「書く」という「定着」を眼目とするいとなみで、しかも「立ち止まって考え」る時間がそれなりにあると、これは困ったことになる。

この本は、冠詞に関する教科書的な説明とあわせて、著者が蒐集した膨大な文例が添えられており、説明とともにそうした文例を読んでいると、そこでなぜ特定の冠詞が使われているのか感覚的に分かるような気がしてくる。とはいえ、いざじっさいに書く段になるとまた、そうした「分かった気」はどこへやら、不安極まる状態で執筆をしなければならないのだろうが、これはまあ、致し方あるまい。冠詞に限らぬが、何か語学をものにしようと思えば、地道な文例解析と、そして実地に書くことを続けていくしかないだろう。

というわけで、「冠詞が気になる！」という人には、ものすごくおすすめです。