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博士論文を書くにあたって、「ぜったいに読むべき」というわけではないけれども「できれば読んだほうがいい」というロシア語の文献がいくつかあって、せっかくの機会だからとロシア語をぼつぼつ勉強してるんですが、スラブ語系の言語は大昔にポーランド語をかじった程度で、ロシア語の単語を見ても「これはおそらくこういう意味だな」という勘も働かず、文献の読みも遅々として進んでいません。そこで、ロシア語の「語勘」をやしなうために以下のロシア語の語源本を買いました。
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ネットの有名な異世界話に「異世界の空気にはどくとくのにおいがある」というくだりがある。これは、ぼくがはじめてぼくが通ったアメリカの大学がある町に降りたったときにも感じたことだ。あの町の空気は、ピンク色のバブルガムのようなにおいがした。いまでもふと、あのにおいを思い出す。あれは、何のにおいだったんだろう。

雪降ってる。それもけっこうな勢いで。

【約30分後】

ちゃくちゃくと積もっている。
ある日、本を読んでいたら奥さんに「なにやってんの?」と言われた。ぼくはいっしゅん「なにやってんのって、本を読んでるに決まってるじゃん」と答えそうになったけど、ふと、自分が「リバース読書」を遂行中だったことに気づいた。そう、奥さんはぼくが本をぎゃくから、それもけっこうなスピードで読んでいることをいぶかしく思ったのだ。

ぼくは、理屈っぽい本を読むとき、このリバース読書をよくやる。やり方はかんたん。本を、うしろから1ページづつ、さかのぼって読んでいくだけ(できれば、一定のスピードをたもって、分からないところがあってもそこに拘泥しないで読みすすめられるとなおよい)。そうすると、まず結論を知ることができるので、議論の概要が得やすくなる。そして、このあいだ紹介したマクルーハンの「右のページだけ読む」というやり方と同様、「ただ文字を目で追っているだけ」というまんぜんな読書になりづらいという功徳もある。

「うしろから1ページづつさかのぼって読む」というやり方がさいしょなじまなければ、とりあえずまずは最終章から読みはじめ、それから章ごとにじゅんじゅんにさかのぼってくるというやり方からはじめるのもいい。ただ、このやり方だとリバース読書のもうひとつの功徳が失われてしまうので、「議論の結論からトップダウン式に遡及していく」という読み方にある程度なれてきたら、章ごとではなく1ページづつさかのぼるというやり方を試してみる。そして、さかのぼるスピードもじょじょにあげていく。

もちろん、このやり方はあくまで「手っとり早く議論の概要を知る」ということにあるので、議論をじっくり追うにはその本を頭からふつうに読み返したほうがいい。それでも、議論の結論と、そしてある程度の議論の構造は押さえられているはずなので、このやり方だとじっしつある本を二回読む計算になるにしても、理解度と内容の吸収度を勘案すれば、一回だけ頭からふつうに読んだ場合にくらべてもじゅうぶんおつりがくると思う。
ここカルガリーでは毎年 Sled Island という街をあげての音楽祭が開かれており、例年「どマイナーというほどではないけどそこそこマイナー」といった感じのいい塩梅な人たちがけっこう来ているんですが、今年のラインナップはしょうじきいまいちかなあ、と思いました。今年は呼び屋役(スカした言い方だと「キュレーター」っつうんですか?)を Godspeed You! Black Emperor がつとめるということでちょっと期待していたんですが、「見たいなあ」と思うのは Jaga Jazzist と Son Lux と、あと Lightning Bolt ぐらいなもんで。いや、ふつうに考えると、GY!BE 以外にも Television(!)とか Yo La Tengo とか Swervedriver とかも来るんで、豪華ではあるんですが。

あと、去年まではチルウェイブ系とかウィッチ系がちらほらいたのに、今年はほとんどいないのは、これらのジャンルが本格的に下火になったのか、あるいは、GY!BE の好みなのか。
ぼくが最初に買ったレコードはスレイヤーの『レイン・イン・ブラッド』だという話はこのブログでも何回かしたと思うのだけど、そういう縁もあって、レコードを買いはじめたころはスラッシュ系や、そこから派生してふつうのメタルの音盤をけっこうよく聴いていた。ただ、レコードを買いはじめてからほどなくして「ジャンク」と日本では呼ばれていた音楽にどっぷりとはまり、そこからノイズやらなにやら一般性のよりない方向に行ってしまったので、メタルを聴いていた時期というのはそれほど長くない。それでも、そのころ聴いていた何枚かはいまでもたまにふと思い出しては聴いている。そんな、いまでもたまにふと思い出しては聴いているメタルのレコードを、いくつか。
"Whiplash"(邦題『セッション』)を見ました。おもしろかったです。

菊地成孔さんがこの映画をえらくこけおろしているらしいですが、みなさまにおかれましては、そういうことは気にせず、ただたんにこれを「映画」としてたのしめばいいと思います。(だいたい、菊地さんはこの映画を「ジャズ映画」と捉えて、そういう観点から酷評しているようですが、それはたとえば、『ビューティフル・マインド』や『グッド・ウィル・ハンティング』を「数学映画」と捉え、そのうえでこれらの映画をこきおろすようなもので、そんな間抜けなやつどこにいるか、って話です(ただ、ぼくのこの感想は、ぼくがジャズに少しも思い入れがないから、かもしれません))
デイヴィド・グラッブス初の単行本『レコードが風景を破壊する』を読んでいたら、「パブリック・イメージ・リミテッドの『デス・ディスコ』をどの回転数で再生すればいいのかすぐには分からなかった」というエピソードが出てきて、さらに、「ただしい」回転数を突きとめはしたのだけど自分の好みは「まちがった」回転数のほうだったと書いてあって、ものすごく「ある! ある! そういうことある!」となりました。

ぼくの場合、すぐには「ただしい」回転数が分からなかったレコードというと、バットホール・サーファーズ『へアウェイ・トゥ・スティーヴン』、サン・シティ・ガールズ『ブライト・サラウンディングス・ダーク・ビギニングス』、そしてウィーン『ピュア・グアヴァ』あたりがぱっと思いうかびますが(『へアウェイ・トゥ・スティーヴン』は誰でもさいしょは迷うと思う)、とくに『ピュア・グアヴァ』にかんしては、だいぶ経ってからCDで聴いて、それまで「まちがった」回転数でずっと聴いていたことが判明してびっくりした覚えがあります。

いまだと、音楽はデジタル形式で供給されることが多く、よほどトリッキーなことをしていなければいやおうなく「ただしい」かたちですぐさま聴くことができ、そういう意味では便利で「まちがいがない」とも言えますが、そのいっぽうで、「どの回転数で聴けばいいんだろう」と試行錯誤することもレコードを聴くたのしみのひとつでもあり、さらに、たとえそれが「まちがった」ものであろうと、再生速度を自分で決められるという意味でレコードのほうが「自由度」が高いよなあと思ったりもします。(もっとも、レコードの再生速度にしたって、基本は二種類しか用意されていないので、それほど自由度が高いわけでもないですが)

もちろん、デジタル形式の音楽でも、何らかのアプリを使うことでレコードのそれ以上の自由度をその聴取にあたって得ることはできますが、そういうちょっと「特殊」とも言える方図をとらずとも、日ごろ使っている音楽再生アプリにお手軽な再生速度調整機能が付くようになればいいんですけどね。(そして、メジャーな音楽再生アプリにこぞってそういう機能が付くようになり、デジタル音源をリリースする側でも、デフォルトでは「ただしい」速度で再生されず、聴く側に試行錯誤が要求されるようになると、めんどうだけどたのしいと思う)
こことは別にやっているブログで WordPress をつかっており、テーマとして Twenty Twelve を採用しているのですが、Twenty Twelve はそもそもシンプルなテーマなのでおおむねいじるところはないとは言えど、細かいところで「ここは気に入らないな」という部分はやっぱりある。それで、そういう「ここは気に入らないな」という細かい部分をいままでは style.css なり *.php なりをちょくせついじることによって修正していたのですが、テーマの更新があるとそのたびにそれまで修正していた箇所をまた一から修正し直さなければならず、これがびみょうに手間なので、これまで「何かめんどくせえな」と敬遠していた子テーマに手を出すことにしました。以下、子テーマを作成するうえでの自分用メモです。
高校の卒業文集に「自分の時間は小さいころ止まってしまった」と書いた彼の時間は、ふたたび動き出しただろうか?

彼とわが身を隔てているものについて考えている。

(if any)

時間の止まってしまった彼は、休み時間、教室の机から机を遊歩したり、かと思うと、教室のすみで耳を指でふさいで一点をじっと見つめていた。

そんな彼とやりとりするものは、いなかった。たまにいるにしても、そうした彼のエキセントリックとも言える挙措をからかうような輩ばかりであった。ぼくは、そうした連中をとてもうとましく思っていた。

卒業式の日、ぐうぜん彼と購買で出くわした。彼は、いつもと同じ様子で紙パックのジュースを飲んでいた。ぼくは、彼が卒業文集によせた文章にとても感銘を受けた旨、彼に伝えた。すると彼ははにかんで、くだらない文章だけど、と謙遜しながら、自分の感じるところをすなおに書いた、と言った。

ぼくは、ちっともくだらない文章ではなかったし、そしてそこに書かれてることは何だか理解できるような気がする、と言った。そして、また時間が動き出すといいね、と握手をして彼と別れた。

いまでもときどき彼のことを思い出す。そして自問する。ぼくの時間は動いているだろうか?
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