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それが「通俗的」なものか「高踏的」なものかにかかわらず、電子音楽にはカバーや再演というものが少ない。「通俗的」なものにかんしては、「リミックス」というものがあるけれど、それらをカバーや再演として捉えるのはちょっとむりがある。(こういう状況にあって、特筆すべき例外はAlarm Will Sound という室内楽団によるエイフェックス・ツインの楽曲のカバー集だろう。こころみとしておもしろいだけではなく、それそのものとして、とてもいい)

よりいぶかしいのは、「高踏的」な電子音楽の場合だ。それらには、たいてい楽譜が存在している。ということは、再演が積極的に推奨されているかどうかはともかく、楽譜が存在する電子音楽を再演することはそれほどの原理的困難はともなわないはずだ。それなのに、「再演された電子音楽」は、作曲者じしんによるものをのぞけば、極端に少ない。その理由としては、「ある種の音楽作品にあって、楽譜はあくまで『イデア』としてそこにあるのであり、それは再演のためにあるわけではない」という中ザワヒデキの指摘が思いうかぶけど、それにしたって、せっかく楽譜があるのだから、もっと無責任に電子音楽の再演が試みられてもいいはずだ。

だから、ぼくはいつか、シュトックハウゼンの『コンタクテ』を、あたうかぎりその楽譜に忠実なかたちで、とはいえ、その現れとしてはシュトックハウゼンじしんによるものとはまったくべつなものとして再演したいという夢を持っている。
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浅田彰はマルクスの『資本論』について「どう考えても寝っころがって読むように書かれているし、そういうふうに読むとばつぐんにおもしろい」というようなことを『逃走論』のなかで書いていた。ここで『資本論』は、ぼくにとってもあなたにとっても、そして浅田彰にとっても「寝っころがって読むべき本」とされているのだけど、ぼくには、『資本論』が浅田彰にとって「専門にかかってはいるけどど真ん中というほどではない本」であったがゆえにそれはひとしお「寝っころがって読むべき本」としてあったように思われる(たしか、浅田彰の専門はゲーム理論で、そして、現代的なマルクス経済学のとり扱い(とくに「分析的マルクス主義」と言われるそれ)にあってはゲーム理論が重要な役わりを果たすことがおおい)。

このあいだ「欲しいけど高い本」として紹介したバートランド・ラッセル著作集第5巻『プリンキピア・マテマティカに向かって』はまさに、ぼくにとって「専門にかかってはいるけどど真ん中ではない本」であり、ゆえに寝っころがって読まれるべきものだ。ただ、くだんの本を学校の図書館から借りてきたのだけど、分厚さもあることながら、使われている紙がそれなりの上質紙で、そのことも本の重さに拍車をかけており、寝っころがって読むことはほとんど不可能のように思われる(いまこころみに重さを計ってみたら、1.8 kg あった)。だから、それを寝っころがって読めるようにするためには、(1) えっちらおっちらスキャニングする、(2) 電子書籍版を買う(そして、あまり実現可能性のないものとして (3) 腕力を鍛える)ということが考えられるのだけど、(1) は「そんな時間あるのか」という感じだし、(2) は「電子書籍にほとんど4万もつぎこむのはいかがなものか」と思ってしまい、けっきょくふりだしに戻る。
勉強・研究・執筆を終えて、さてそろそろ寝るか、というとき、勉強・研究・執筆でヒート・アップした頭をしずめるために、肩ひじはらずに読める軽いものを読んでから眠るのがつねなのだけど、「肩ひじはらずに読める」というのが意外な陥穽で、というのも、肩ひじはらずに読めるものだから、存外にすいすいとページが進み、ゆえに、読んでいるものがおもしろかったりなどすると、「もうちょっと読んでから寝よう」と思ってしまい、そうこうするうち夜はしらじらと明け、奥さんは出勤する時間となり、眠い目をこすりつつぼんやりした頭をかかえ子どもの世話に突入することになる。それならばいっそ、ヒート・アップした頭のまま身体だけは横たえ、眠れはしないまでもいくばくかの休息をとったほうがいいとは思うのだけど、それはそれで何だか味気ない気がして、そうすることに踏みきれない。まあ、早い話、たんじゅんに、時間の使い方がへたなのだと思う。

(ちなみにいま、勉強・研究・執筆後の就寝前読書で梅棹忠夫著作集第11巻『知の技術』(名著『知的生産の技術』も所収されている)を読んでいるのだけど、これがすこぶる読みやすいうえにめっぽうおもしろく、おかげでさらに睡眠時間が逼迫されている)
ここ数日、奥さんが本屋に行きたがっていたので、天気もいいことだし、本屋へ。行先の候補として、本屋自体は単店舗でそれなりにでかいけどまわりに何もないところか、本屋自体はそれほどでかくないけどそれなりにおおきめのモールに入っているので本屋のみならずたのしめるところのふたつがあがったのだけど、どうせなのでいろいろたのしめるほうに行くことにする。
 Surfer Rosa
Pixies
(4AD, 1988)
娘はドラムの効いた曲が好きらしく、そういうものをかけると体をゆらゆらさせて音楽に乗るので、それを見るのがおもしろいということもあって、アルビニのドラム・サウンドがどすんとくるこれを聴くことが多いです。
最近は、こんな感じ。
まあ、何と言うか、「いかにも」というラインナップですね。
大学の図書館からダウンロードした論文の PDF には、それらダウンロードした PDF の不当な流通を防ぐためにか、余白に大学名とダウンロード日時などが表示されていることがままあり、電子書籍リーダーやタブレットなどでそういう PDF を読むとき、余白に表示される追加情報があだとなって余白除去機能が思うように働かず、不満に思うことがあります。そういうとき、Adobe Acrobat などの PDF 作成/編集ソフトで追加情報が表示されている余白を除去してしまえばいいのですが、Acrobat の場合、たんじゅんに余白除去を施しただけでは「余白が除去されたように見えるだけ」で、そういう PDF を電子書籍リーダーないしはタブレットの PDF 閲覧アプリで見ると依然として余白の追加情報は残ったままということになってしまう。Acrobat で「見た目」としてではなくじっさいに余白が除去されたファイルを生成するには、以下のようにする必要があります。
  1. ツール・ペインのページ・ウィンドウから「トリミング」を選択後、ポインタを PDF 文書上でドラッグし、トリミング後に残す部分をざっくりと設定する。
  2. トリミング後に残す部分をざっくりと決めたら、文書をダブルクリックし、余白を微調整する。
  3. トリミングの適用ページ範囲を「すべて」とし、OK を押してトリミングを実行する。
  4. つぎに、ツール・ペインの保護ウィンドウから「非表示情報を検索して削除」を選択後、検索された非表示情報のうち「削除またはトリミングされたコンテンツ」だけにチェックを残し、「削除」を押してじっさいに余白を除去する。
これで、じっさいに余白が除去され、「電子書籍リーダーやタブレットの PDF 閲覧アプリで見ると除去したつもりの余白がほんとうは除去されていなかった」ということはなくなるはずです。
単語を覚えるには、「くりかえし覚えるべき単語を書き、しかるのち、しばらく時間をおいてからまたくりかえし覚えるべき単語を書く」という泥くさい方法がけっきょくはいちばんだと思われるのですが、それでも、どうしても覚えられない単語というのが出てきてしまうものです。そういう場合、ぼくは以下のような方法で対処しています。
  1. 単語をパーツに区切る
    実例:Houellebecq→Hou/elle/becq
       Nietzsche→Nie/tz/sche
  2. すでに覚えている単語と関連させる
    実例:Friedrich→Frederick("Friedrich" は、ドイツ語の接尾辞 "-lich" からの連想でいつも "Friedlich" とつづってしまうので、「英語だと "Frederick" だから……」といちいち英語バージョンを想起する)
  3. ゆっくりと発音しながら書く
    実例:corollary
       vocabulary
以上のような方法をとってなお、つづりをあやしく思うことはひんぱんにあるので、日々精進ですね。
朝、寝室で寝ていると、となりの部屋から "Elmo goes to the Moon!" とさいこうにごきげんなエルモの声が聞こえてきた。テレビでセサミ・ストリートでも見ているのかなとさいしょは思ったのだけど、テレビにしてはどうも臨場感がありすぎる。まどろみつつ、エルモの声に耳をすましていると、どうやら奥さんがエルモの声色をまねて子どもに絵本を読んでいるらしいということが分かった。スーパー似ていたので、今度から履歴書の特技欄に書くべきだと思う。
このあいだテレビで『プロメテウス』をやっていたので、あれこれ作業をしながら見るともなく見て、そのときは「ふむ、それなりに好きなタイプの映画だな」ぐらいの感想だったんですが、それからしばらくしてまたテレビでかかったときに、「今回はちゃんと見よう」と、さいしょから、きちんと画面に向きあって見たところ、最後のシーンでびっくりぎょうてん、これ、「あの映画」の前日譚だったんですね。最初に見たとき、「見るともなく」とはいえ、いちおう最後まで見たつもりだったのに、肝心なところを見逃していた、というわけで、うかつと言えばあまりにもうかつな話。やっぱり、映画を見るときはそれに専念しないとだめですね。(というか、そもそも、『プロメテウス』を見る/見た人は、見るまえからそれが何の映画の前日譚か承知のうえ、もっと言えばその知識を前提として見ているであろうと思われるので、何にせようかつな話)
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