車輪の再発明 [技術]

コードを書いていていつも思うのだが、所与の目的を達成するために、ひどく遠回りをしているような気がする。こんなことをするために、これほど面倒なことをする必要はないのではないか？　誰かがどこかで、この機能を実装しているのではないか？　それよりもっと手前の話として、実はこの機能は函数としてこの言語には組み込まれているのではないか？……要するに、「車輪の再発明」をしているように思うのだ。

たとえば、今試みていることは、アマゾンのWebサービスを利用して、ある書籍の書誌データをXML形式で取得し、それを解析する、という、こう書けば何ということはない機能なのだが、満足のいく結果に辿り着くまで、相当無駄なことをしている。当初おれは、要らないノードまで律儀にパースし、しかるのちに要るノードを切り出していたのだけど、じつはこの一連の作業はすでに函数化されており、要るノードに一足飛びにアクセスできるのだった。

こういう「車輪の再発明」も前向きに考えれば、決して無駄ではなく、そうすることでそれ相応の経験は積んでいる、とも思うことはできるのかもしれないが、おれとしてはやはりこういう無駄は避けたい。しかも、始めての「車輪の再発明」ならまだしも、以前にもやったことのある「再発明」をまた「再発明」する、ということもないではないのだから最悪だ。

こうした無駄を避けるために手段の講じようはあると思い、そしてある程度その「手段」はいかなるものなのか分かってもいるのだが、過去の痛手はすぐに忘れてしまう人間の認知属性のおかげで、なかなか実行に移せずにいる。が、そろそろ潮時かな、とも思うのだった。