弱い思想 [本]

オンライン読書会で絶賛読書中の『情報学の基礎』を読んでいたら、出し抜けに、と言ってもいいぐらいの唐突さで「弱い思想」の名前が出てきた。

「弱い思想」とは、イタリアン・ハイデゲリアンであるジャンニ・ヴァッティーモによって主に代表される思想で、そういうものがあるということだけは、ヴァッティーモの名とともにすでに松岡正剛の『フラジャイル』で知ってはいた。そしてそのときは、ちょっと気にはなりながらも取り立てて調べたりということはなく通り過ぎてしまった。

そこへ、今回の再開である。『フラジャイル』を読んで以来、心の底に潜伏していた「弱い思想」への興味が、一気に噴出するかたちとなった（ちょっと大袈裟か）。だが、如何せん、『フラジャイル』でも、そして『情報学の基礎』でも、この「弱い思想」のことが主題的に論じられたり紹介されたりということはなく、こちらの知識欲を満足させるに足るほどの情報は提供してくれない。

そこで、こうなったらいっちょ、「弱い思想」マニフェストとも言えるIl pensiero debole を読んじゃろか！と色めきたったのだが、どうも品切れっぽい。んじゃあ、ってんで、La pensée faible de Vattimo et Rovatti っつー、上記Il pensiero debole の翻訳なんだか、フランスで新たにコンパイルされたものなんだかよく分からないやつを読んでみようか……と探してはみたんだけど、フランス図書にあるはずもなく。

というわけで、結局、「関連資料」としては、ごく一部この「弱い思想」について触れられている『イタリア的考え方』を買ってきたのであった。

（本当だったらこのあと、「弱い思想」について妄言を捲くし立てる予定だったんだけど、今からオンライン読書会の方にかまけるんで、とりあえず了）