最近買った本（洋物） [本]

「洋物」って言うと、何か洋ピンみたいだな。ま、いいか。

• Edward W. Said, The End of the Peace Process , Vintage
  オスロ合意後から2000年8月の第二次インティファーダ勃発までの間に書かれた、サイードの短めの書き物を59本所収。発表された場がアル＝アフラームだのアル＝ハヤートだのといったアラブ系の新聞なんで、当然内容は時事色が強いんだけど、そういう「時事性」を越えた地点で考えさせられる。

• Sandra Silberstain, War of Words , Routledge
  911後の「言語政治」の状況を読み解く。ちょっと牽強付会なんでは、と思う部分もあるけど、大筋ではここで描かれているような「言語政治」のstate of affairっつーのは当たってるんじゃないでしょうか。

• J. Audretsch (Ed.), Entangeled World , John Wiley & Sons
  副題「量子情報と量子計算の魅惑」。副題とは裏腹に、あんまり量子計算とか量子情報を主題的に扱うといった感じではなく、あくまで主役は量子論全般。どこかしら版権を取って出せばいいのに。

• Patricia S. Churchland, Brain-Wise , Bradford
  「コネクショニスト最右翼」のチャーチランドおばはんによるニューロ哲学の概説書。日本で「哲学」だなんだと言っている人たちは、ここいら辺への目配せが足りなさ過ぎ。つか、知ってて無視してるのかな。それもありうる。

• Igor Aleksander, Impossible Minds , Imperial College Press
  コネクショニストによる「意識」についての一般向け概説書。これはちょっと色んな意味で面白そうなんで、がっと読んじゃいたいな。

• Pierre Brémaud, An Introduction to Probabilistic Modeling , Springer
  確率論の本って、そこでのルベーグの取り扱いがどうなっているかで荒っぽくスイッチング出来ると思うんだけど、この本はそういう観点から言うと、まあそこそこ、といった感じ。ただ、この本は純粋に理論の本というよりも、モデリングという「実践の書」であるわけだから、妥当か。

• Saber Elaydi, An Introduction to Difference Equations , Springer
  差分方程式に関するちゃんとした本を一冊持っておきたい、と思っていたので、濡れ手に粟で所望。ただ、実践的にモチヴェーションに乏しいからなあ。制御系とかがしがしやっていれば、身の入り方も違うんだろうけど。

他にも何冊かあったような気がするけど、手の届く範囲にあったのは、こんな程度。