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さあさあ、また恒例の嗟嘆が始まりましたよ!
で、今探しているのは、アランのプレイヤッド版全集。そして、厄介なことに、この全集に関しては「確実に、100%持っている!」と胸を張って言えるほど、「持っている」という確信がないんだな。第一、あんまり読んだ覚えがない。でも、茶色い背表紙に並ぶ"Alain"の文字列というのは、確かにこの家で見たことがあって、ほぼ確実に持っているとは思うんだけど……。でも、その「ほぼ確実」であるというのは、大体80%ぐらいの確度であって、わずか(ととりあえず言っておこう)20%の違いとはいえ、そうなると探すときの身の入り方が全然違ってくる。少なくとも、その姿勢としては、「持っている」という100%の確信があるときに比べ、20%を大きく上回る程度に、下方に差がある。
それはともかく、何でまたアランよ?と言うと、今オンライン読書会で『情報学の基礎』をのったらのったら読んでいるんだけど(「のったらのったら」なのは、主に、というか、全的におれの所為であって、一緒に読んでいる永遠小僧さんは、かなりちゃんとしたスピードで読んでいる。永遠小僧さん、ごめん!)、この『情報学の基礎』にアランが頻出なんだよね。そうなると、「ちょっと裏を取ってやろうじゃねえか」という気になってくる。しかもアランが出てくる場面が、俄かには首肯できないような文脈であったりするとなおさら。そういう、ちょっとこれは捨て置けねえな、というアランがらみの箇所を、永遠小僧さんが取り上げている。その箇所をここでも引用しよう。
絶えずそうした物、さらに道具に、機械に心を向けている人間が、物事を単一に見る唯物論に走るのは当然であり、数学者は自分の研究自体によって最も純粋な唯物論へ向けられ、そこに滑り込みやすいともアランは書いていた。している仕事の性質上、数学者は、対象に対して、礼儀も追従も虚言も試みようがないからである。そういう人々をアランはプロレタリアと呼ぶ。数学者は一面においてプロレタリアだということになる。そこでは人間世界の屈折の多い諸関係を十分考慮に入れる必要がない。[‥]そこに一つの粗暴な道徳が生まれる。それが革命の精神であるとさえアランは記している。革命は、だから、数学者的なものなのだ。
確かにこりゃあどうなのよ、という感じなので、是非ともアランの原文に当たらねば……と強く思ったわけだけど、上述のように、アランの全集は探しても見つからない。こうなったら、そう、ネットを頼りにするしかなくって、探してみると、案外すぐにアランのテクストをがっつり載っけてるところが見つかった。
それで、件の「ちょっとそれどうなのよ」という箇所は、アランの『人間論』第四十四章「数学者」というのをリファーしていて、読んでみると、なるほど、確かに「革命とは数学者的である」とアランは言っている。じゃあ、何で革命は数学者的なのか、と言うと、正直アランそのものを読んでもよく分からないんだけど、上の『情報学の基礎』からの引用でも言われている通り、数学者はその対象(=もの)と正面から向かい合うから彼は「唯物論者」で、「唯物論者=マルクシスト」、んでもって「革命!」という筋書きなのかな、と(ほんとは、「革命は数学者的である」という言明の前に、「繊細さfinesse」を巡ってうにゃうにゃとしたことが書いてあるんだけど……これもよく分からん)。
ま、ともあれ、も一回アランのこれをじっくり読み直して、余裕があれば訳文でもオンライン読書会の方にアップしようかな。って、んなことより、とっととレジュメ切らねば。
『情報学の基礎』は一応読んでますけど(というか今日読了しましたのですが)、わたしもレジュメを切っているわけでもないので、まあ時間があるときにボチボチ進めることにいたしましょう。四章・五章あたりにまで到達できればいろいろ議論は広がりそうだなと思います。
パスポートってなくしちゃうと手続きが面倒、と聞いたことがあるような。警察に紛失届けだしたりとか……。で、おれも「見つからないものはしようがない」で、再購入すべきだろうか。でも、プレイヤッド、下手すると1万5千とかするしなあ。
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