逃避読書 [本]

Genes

何であれ、「逃避」は甘美だ。普段は大嫌いな読書も、それが「逃避」という名目の下行われるなら、これほど素晴らしいことはない、と思えてくる。

そういう、「逃避」のための読書には、今やっている/やらなくてはならないことから、出来るだけ遠ざかったもの/ことを扱っているものがお誂え向きなのは、言うまでもない。そこで、おれが選んだのは、分子生物学の定番教科書（の一つ）であるGenes (Benjamin Lewin, Prentice Hall)だ。

分子生物学の定番教科書というと、他にMolecular Biology of the Cell (Bruce Alberts et al., Garland)やMolecular Biology of the Gene (James D. Watson, Benjamin-Cummings)などがあるが、おれがその中でもこのGenes を選んだのは、コストパフォーマンスの問題、ぺらぺらとめくって感じた視覚的印象（一番Figureが美麗なように思う）という、好事家以上専門家以下に訴えかける部分が大きかったからである。

それに、遺伝子の知識ってのは、非古典計算の一つのモデル（DNAコンピューティング）を考える上でも必須だし……って、ああ！　あんまり「逃避」になっていない！