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小説が読みたい、と思うときは、たいてい調子が芳しくないときだ。
調子が芳しくない、といっても、何、別段大したことでも何でもなく、今やっていることに倦んだ、という、平たく言えば「現実逃避」願望以外の何ものでもないわけだが、より前向きに考えれば「気分転換」という言葉を冠することも出来るかもしれない。
……そんな、言い訳がましいことはどうでもいいのだ。とにかく、小説が、それもドキドキワクワクしてしまうような刺戟の強いものではなく、物語、と言えるほどの展開もなく、微熱を湛えた文章が、どこか、とも知れぬところに、極まるともなく極まっていくような、そんな小説が読みたい。
たとえば、古井由吉の書き物、とくに『楽天記』や『仮往生伝試文』のような。
寄る辺なさがそのままほっぽり出されたような、それでいて何か熱いものを秘めているのではないか、という想いも抱かせつつ、やはり勘違いであったか、いやいや……と、鏡の向こうもこちら側と寸分違わぬ世界が展開され、その世界とこの世界を、絶えずぐるぐると行き来しているような。
古井由吉と比べると、幾分あざとさが鼻につくものの、いわゆる「ヌヴォーロマン」と呼ばれる書き物も、いいだろう。「いかに熱のこもらせないか」ということに熱をこめるロブ=グリエのような、登場人物とその背景が、すべて同一平面上に等価に並べられ、そうわれわれも「書割り」に過ぎないのだ、と気付かせてくれるような、また、ロブ=グリエとは逆に、熱のこもった、というよりかは、熱そのもの、粒子のふるえを、その熱のうちに、つまり(ボルツマン的な意味での)熱死の平穏さを感じさせる筆致で綴る、クロード・シモンのような。
また、そんな「懐メロ」では不満、という向きには、古井由吉やヌーヴォーロマンと一緒くたに並べるのはミスリーディングも甚だしいことは百も承知ながら、その「逸脱っぷり」の幾許かを共有すると思われる、フラナガンの『グールド魚類手帖』や、『アウステルリッツ』で一部読書界を震撼させた(何という陳腐な言い回し……)ゼーバルトの新刊『移民たち』などはどうだろう?
……って、今一番読んでみたいのは、なぜだか嶽本野ばらだったりするんだが……。
みなさんは最近、どんな小説を読まれましたか?
通学中に読もうと思って朝っぱらから読む気が起きるように軽いヤツを選んだら、学校での空き時間(まぁ主に授業中)さえも余すところ無く使い、上・下一気に読んでしまった。小説の中に見出す世界に浸かる時間ってのはたまんないね。あと、読んでる時は他人が話そうとしてこないので楽!!
次は「こころ」の予定だったけど、またまた倫理の課題があるから、そろそろ指定参考文献の内の「バカの壁」あたりに着手しなければ・・・。
で、そんなに他人に話しかけられるの、イヤかね?
それはそうと、課題とはいえ『バカの壁』を読むってのは……どうなのよ? そして、他の指定参考文献って、何?
最後に、まあ予想はついてるかも知れませんが、吉本ばなな、1冊も読んだことございません。
「バカの壁」って、養老さんの本にしては面白くなかったですよ。
特に後半部分については、養老さんも落ちたもんだなと思いました。
それと、感情は論理にウエィトづけするだけのことだって書いていたのを読んで、ついにこの御仁も「ト」に片足突っ込んだのかと思いました。
養老さんて、夏彦は夏彦でも、山本夏彦さんと本当に文体がそっくりで、自分の脳の構造を知るために養老さんは山本さんが亡くなったら、山本さんの脳を解剖したいとしきりに言っていましたが、本当に亡くなられた山本さんの脳の解剖をやったのでしょうか?
って、どうでもいい話でした。
……って、フレーミングは措いといて、おれ、『たそがれ清兵衛』はもとより、藤沢周平って読んだことないんですよねえ……っていうか、日本人の作家って、ほとんど読んだことがない、と言ってもいいかもしれない。
そんなわけで、京極夏彦も当然読んだことないです。申し訳ない。
で、養老孟司、ですけど、その偽悪的と言ってもいい唯物的なところを前面に押し出していた頃は、「ま、そんなもんかな」って感じで、とくに好きも嫌いもなかったんですが、自閉症に対する「差別発言」やら、その取り巻きたちのどーしようもなさに触れるにつれて、「ちょっとこの人どーなのよ」って思うようになりました……でも、実は『バカの壁』は未読なんで、何とも言えません。ただ、タイトルからしてセンスに欠ける、と思います。
で、最近漱石を読み返してるんですか? おれ実は、漱石って読んでない作品がけっこうあるんですよねえ……『三四郎』というのも読んでないうちの一つ。そして、な、何と、『坊ちゃん』も読んだことがないのだ!
ま、そんなおのれの教養のなさを露呈するのはやめて、ソレルスの何を? ともあれ、「おもしろいとは思うんですけど、途中で飽きてしまう」っての、同感だな。これは、ソレルスに限らず、いわゆる「テルケル派」全般に言えることで、そう考えると、ヌーヴォーロマンの人たちは何だかんだ言って読ませるよな、と思うのであった……。
で、何で嶽本野ばらを読もうと思ったか、と言うと、おれ、『ゴシック&ロリータバイブル』っていうゴス系の雑誌(というか、ムック)をたまに読むことがあるんですが、当然(?)そこに嶽本野ばらが連載を持っていたりして、んで、これがなかなかシニカルというか、「メタゴス」って感じなんですよ。有体に言って、いわゆる「ゴスロリ」というのをバカにしてる。
そういうのって、商業的というか、ある種の「誠実さ」ってことで言えば、ちょっと「どうなのよ?」って面もないではないんだけど、でも、「もしかすると小説、面白いかも……」と思わさしむる程度には、うまい「プレイ」を見せてはいるんですね。それに、小説自体の評価も、それなりに信頼できる情報源に拠れば、まあまあ、とのことだし。
とはいえ、ほんとに読むかどうかは……ブクオフの品揃えに拠る、という感じでしょうか。
というか、はやしさんがどのような経緯から、嶽本野ばらを読もうかと思ったのかがとても気になる……
ソレルスは『ゆるぎない心』か『秘密』あたりを読もうかなあと思っているんですけど、なんというかけっこう恣意的に決めてしまっても構わない気がするんですよね。「どれも同じ」とまでは言いませんが。物語にドキドキさせられるわけでもなく、考え込まされるのでもなく、何も考えずにサラサラっと文章を追いたいなと。
あ、あと今日のエントリ読ませて頂きましたが、わたしも『ミシン』は読みました、『ミシン』はまだゴス路線は確立はしていない感じですが、ナルシスティックな世界観は出来上がっちゃってますね(本質的に「二人」しかいないってのも後々まで通じている気がします)。
あと「服は女物のほうが断然かわいくていい」というのは、本当にそうですよね。川久保玲だったかワタナベジュンヤ(漢字を正確に覚えていないのでカタカナで)だったかが、デザインに際して女性用の場合はかなり自由に遊べるけど、男性用の服というのは型が強固で崩すのが難しいというような発言をしていましたが、絶対に女性用のほうが着てて楽しいだろうなあと思わせる服が多くて、ときどき強烈な羨望の念を覚えるときがあります。Tシャツくらいならレディースを着る勇気はあるんですが……
ソレルスはねえ、「これオススメ!」って言えるようなものがあればいいんだけど……ほんと、どれを読んでも、と言って差し支えないようにおれも思う(とはいえ、別にコンプリートに読んでるわけでも何でもないから、こんなこと言えた義理ではないんだけど)。美術評論もまあまあオモロイ。
服、女物のほうが断然いいよねえ。おれ、女物の服とかでも、一応サイズ出してもらっちゃったりするもん。でも、おれに合うサイズの女物などあるはずもなく……あ、でも、ワンピースとか、そういうほんとに女物、ってんじゃなくて、シャツとか、だよ。そこんとこ、お間違えなきよう。
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