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以前、「数学書の読み方」という記事で、インデックスカードをもちいた数学書の読み方について書きましたが、今回はそれの応用編として「インデックスカードを数学書以外の読書(より精確には、研究のための文献読み)にどうつかうか」について書きます。
まず、前提として、ある書籍なり論文なりを自分の論文を書くために読むというケースをここでは想定します。その場合、それについて何か書かんとするある主題をめぐっていくつかの書籍や論文を読みすすめることになると思いますが、そうした「自分がそれについて何か書くであろう主題」ひとつにつき、つぎの四種類のカードがつくられます。
- 書籍・論文カード
- 文献カード
- 主題カード
- 疑問カード
以下、それぞれのカードに何を書くかを説明します。
書籍・論文カード
さて、ひとつめの書籍・論文カードでは、ある主題をめぐる書籍あるいは文献の内容をまとめていきます。そのまとめかたは、大ざっぱにいって、数学書のそれとあまりかわらず、「定義(テクニカルタームの説明)」、「定理(主張)」、そして「証明(主張の根拠)」を書きとめることがその主軸となります。ただ、数学書の場合とはことなり、定義や定理それぞれひとつにつき一枚のカードをつかうのではなく、定義、定理、そして証明のつらなりを連続的にカードに書きこんでいきます。
さらに、このカードには、読みすすめている書籍あるいは論文で参照されている文献情報、そして読みすすめるなかでいだいた疑問点も書いておきます。その場合、後述の文献カードおよび疑問カードを作成するさいそれらの文献情報および疑問点を参照することになるので、のちの検索を容易にする工夫を何かしておくとよいでしょう(ぼくは赤字で文献情報および疑問点を書きこむことにしています)。
また、それぞれのカードへは、上記の主題名+書籍あるいは論文情報(ぼくは「著者+年号」方式を採っています)+カード番号(これはカードの右上にふる)を識別子としてあたえ、のちのちの参照に備えておきます。(たとえば、アリストテレスの連続性概念について White の 2007 年論文を読んで作成したカードの三枚目の場合、その識別子は「Aristotle's Continuity: White 2007+(カードの右上に)3」などとなる)
文献カード
書籍あるいは論文をひとつ読んでその書籍・論文カードを作成したら、そこに書きしるした文献情報を文献カードに転記していきます。その場合、その文献の予想される重要度(つまり、どれぐらい早急にその文献を読んだほうがいいか)、その文献を入手したかどうか、そしてそれをじっさいに読んだかどうかを記しておきます。(さらによゆうがあれば、その文献がどの文献のどういう文脈で言及されていたかも書いておくとよいでしょう)この文献カードへの文献追加は、あらたな書籍あるいは論文を読むたびに逐次おこないます。
文献カードの識別子は、「主題名: Bibliography+カード番号」としています。
疑問カード
書籍あるいは論文を読みながらいだいた疑問は、「どの文献を読みながらいだいたのか」の情報(つまり、カード作成のさいにあたえた識別子)とともにこの疑問カードにまとめます。そのさい、のちに疑問の「解」を書きこむため、疑問カードへの疑問の転記はある程度よゆうをもって行うといいでしょう。また、これら疑問カードは定期的に見かえし、考えなければならないことを再確認します。(そして、ふしぎなことに、この疑問カードを繰っていると、疑問が解けることがおおい)
疑問カードの識別子は「主題名: Need to Think+カード番号」としています。
主題カード
ある主題をめぐっていくつか書籍および論文を読むと、その主題をめぐる種々の論点のつながりが見えはじめるので、その輪郭をこの主題カードに書きしるします。そのさい、主要論点のまとめはもとより、ある論点をめぐっての各文献間の相違をも記しておくと、主題の捉え方が立体化してよいようです。(もちろん、相違点をまとめるさいには、それらあいことなる主張が記されたカードの識別子をそえるのを忘れずに)
この主題カードは、「記憶の外部化」を主眼とした書籍・論文カードとことなり、内部化された記憶を呼びさまし構造化することを主眼として作成するので、いちいちの論点をくわしく記述する必要はありません。(くわしい記述が必要であれば、書籍・論文カードの該当箇所に戻ればよい。そのためにも、ある論点についてどの書籍・論文カードを見ればいいのかすぐ判明ならしめるため、その論点が述べられている書籍・論文カードの識別子はきちんと書きこんでおく)
主題カードの識別子はシンプルに「主題名+カード番号」としています。
言うまでもないことですが、上に記したことはあくまで「ぼくはこのようにしている」という一例であり、さらに、ぼくじしんこれがベストな方式だと思っているわけではないので、上記はあくまで参考にするにとどめ、それぞれがそれぞれにあったやり方をみずから開発していくのがよいと思います。
また、「知的生産のためのカード利用」ということについてより深く掘りさげたい場合、以下の本が参考になります。いずれも、「知的生産のためのカード利用」ということにとどまらない、知的生産いっぱんをめぐる論点をひろくあつかった名著なので、一度は目を通すことをおすすめします。
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ᒪIKE WHAT DADDY, TELL US, TELL US.? Both boys јumped up
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