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何と、驚くべきことに、この言葉って「今度ゆっくり親交を深める時間を持ちましょう」ってことだ、ということを、つい先ほど読み終わった『自閉っ子、こういう風にできてます!』(ニキ・リンコ/藤家寛子 共著、花風社刊)で知った。
何だそうだったのか、それならそうと言ってくれればいいのに。おかげで、「今度飯でも食おうよ」って言われたら、その場で「じゃあ、いつ、何を食べるのか?」って問いただし始めたり、たぶん「今度飯でも食おうよ」のヴァリエーションだと思うんだけど、「今度飲みましょう」とかにも「あ、おれ、酒飲まないからいいや」と答えちゃったり……いや、全然その人がイヤってことはなく、親交を深めるのは吝かではなかったりするんですけどね。
それ以外にも、『自閉っ子……』を読んでいると、よく発熱するだの、言葉を文言通り受け取りがちだの、「俺ルール」で自分の行動ががんじがらめだの、全ての音を集音してしまうだの(でも、これはそんなにひどくない)、色々と「あ、おれもそうだよ」ってなっちゃう。
ただ、そうは言っても、おれには四肢の感覚はとりあえずあるし(この本で対談している、ニキさんにしても、藤家さんにしても、「見えないと、ない」というものらしく、たまに足やら背中やらが無くなっちゃうらしい)、あくまで「それっぽい傾向がある」に過ぎないとは思うんだけど、それでも並々ならぬ親近感と驚きを以って、この本を読み進んだ。
思い返すとちっちゃい頃から、人が言ってることを文言どおり受け取ると変なことになる、というのは経験から分かっても、それがどういう規則に則って、いわゆる「言外の意」を読み取ればいいのか、感覚的には何となく分かるような気はするんだけど、未だに公理化、というか、形式化されたかたちで示されたことがないので、よく分からない。でも、分からないがゆえに、色々と「表に表れる言説」から「隠された言説」を導く規則を溜めたり(長じてクリステヴァのフェノテクストとジェノテクストの話を読んだとき、「何だ、やっぱりこういう理論あるんじゃん!」と思ったけど、実際それを小さいときに読んでいても、役には立たなかったろうな)、広辞苑を通読したりと涙ぐましい努力の結果、大抵は「多分、こういうことだろうな」と当たりはつくようになったけど、案外みんなそんなに考えなしに喋ってたりして、結果的に規則の過剰適用をして、それはそれで変なことになってたりもするんだけど。
それにしても、何度も言うけど、「今度飯でも食おうよ」は、目から鱗、だなあ……。
何か、他にも、こういう当たり前に交わされる、言葉どおりに受け取ると変なことになってて、かつ気付いていないことがあるんじゃないか、と思うと、不安、というより、ちょっと面白い。
笑えるのか笑えないのか分からない思い出がありまして、昔々その昔女の子をデートに誘ったら「今、忙しいですから」っていわれて「それなら、暇になったら宜しく」って、マジで考えていたことがありました。当然の事、断られていたのですが。(笑)
まあ、私はそんな凄い天然ボケですので、自閉症ごときでは済まなかったのかもしれませんね。(笑)
私は、天然ボケがすべてインテリだとは決して思いませんが、インテリは大なり小なり天然ボケだと思います。天然ボケが入っていないインテリはいないと。
私はニーチェに偉大なる天然ボケぶりを感じてしまいますが、それはニーチェが如何に偉大なる哲学者であるかを物語っていると思います。
インテリから本当に天然ボケがとれる、そうしたら、本当に純粋無垢の超人が現われるのではないかというのが、実は私の超人のイメージなのですが、インテリから多少は天然ボケが取れることが有っても、完全に取れることはないでしょう。
社員旅行の終了時間を奥さんに詐称し、終了後、徒党をなして風俗店に行かれたお猿さんたちを適当にあやすことさえをも、自分がへとへとになるという代償さえ払えば、今では成しとげられますし、どうやってお猿さんを、わが意の通りに動かすかまで、覚えたつもりの私ですが、荒井さんのご指摘通り、はやしさんのブログでは、この超天然ボケぶり(さらに、マジボケも沢山ありますが(笑))のウルトラ発揮です。まあ、インテリの天然ボケぶりは焼かなきゃ治らないの世界でしょうね。(笑)
それでは、「天然ボケ」と自閉的「取り違え」を分かつものは何なのか? 例として、甚だ失礼かもしれませんが原作たそがれ清兵衛さんの「デートの誘い」を取り上げて考えてみましょう。
まずそれが発話された情況はいかなるものだったのか? それは多分、第三者的には、「Aさんという人に原作たそがれ清兵衛さんが好意を持っているが、Aさんは原作たそがれ清兵衛さんのことをどう思っているか分からない」、というものでしょう。
そうした情況の下、原作たそがれ清兵衛さんがAさんうをデートに誘い、それへの返答として「今は忙しいからデートの誘いは受けることが出来ない」という発話が為されたら、なるほど一般的には「忙しかろうが、忙しくなかろうが、原作たそがれ清兵衛さんとデートをするつもりはない」というものかもしれません。
しかし、原作たそがれ清兵衛さんはその発言を字義通り受け取り、「今は忙しくてダメだけど、暇なときはOKに違いない」とAさんの発言を解釈した。これはなぜなのか?
ここまでの「外見」の成り行きとしては、それが「天然ボケ」なのか、自閉的な取り違えなのか、分かりません。ただ、その発話が為された情況を、あくまで原作たそがれ清兵衛さんの主観から捉え返すとどうでしょう? もしかして(これは本当に無礼な物言いかもしれませんのであらかじめ寛恕を請いますが)、原作たそがれ清兵衛さんとしては、Aさんも少なからず自分に好意を寄せているはずだ、という情況認識があったのではないでしょうか?
つまり、こういうことです。
「天然ボケ」の場合、その「天然ボケ」をする人の主観的情況設定まで立ち戻って考え直すと、それほど外れた図式ではなくなる一方(つまり、「取り違え」が起こっているのは情況設定の場面)、自閉的な取り違えの場合、そもそもそうした発話情況を端から捉えていないのではないか?
そう考えると、原作たそがれ清兵衛さんが「インテリ」に要請され、そしてそれがなくなった暁には「超人」へと成り果せるという「天然ボケ」は、何らかの発話等が為される情況、もっと包括的に言えば、何らかの問題が問題として析出される場(フーコーはそうした場を「プロブレマティーク」と呼んだのでした)に意識的であり、かつ懐疑的であること、と言えそうです。
ただ、そういうインテリから「天然ボケ」がとれると「超人」になる、というのは、掴み難いところではあります。端的に「無謬たれ」と言っているわけではないでしょうし……。
って、何だかすごい長々書いちゃいましたね。
ま、たまにはこういうのもいっか。
自閉症の話と天然ボケの話がごっちゃになっているという指摘はそのとおりだと思います。
でも、自閉と天然ボケの話って、紙一重の世界でしょう。
結構、インテリって、自閉的で天然ボケな人ばかりだと思うんです。
あの、お猿さん達を観察する限り、非常に現実的で、自閉や天然ボケのかけらもないですからね。
ただ、お猿さんから受ける印象は、決して無限に外に広がっていくのではなく、特定多数の他とつるんで「他閉」しているって感じですかね。
その、「他閉」仲間とは、全くコード化されていない言語体系で、極めて豊かなコミュニケーションを図っているのは確かなようです。ところが、自閉癖があっても他閉癖のないインテリには、その言語の体系が極めて理解しにくい。(というか、体系なるものが存在しないのです。)これを理解するのには、相当時間がかかりました。いくら広辞苑を引いても答えは書いてないし、多分クリステヴァを読んでも書いてないと思います。(クリステヴァは読んだことないですが・・・・・)。
ポイントは、お猿さんの発声の音色と、お猿さんの表情の変化を読むことだと分かりました。言語自体だけをいくら掘っても解は無いと。
インテリは、本当はおサルさんには興味はないのです。別に、このお猿さん独特の言語を読める読めない自体には特段価値はないと思いますしね。
ただ、インテリから自閉や天然ボケがとれたら簡単に、お猿さんをインテリの悪意でこき使うように動かすのではなく、インテリに危害を加えないように「暴れずに、檻の中で静かにしておいていただける」と思うのです。それも、自分が「檻の中にいる」ということを悟られずに。(悟られると、お猿さんはまた暴れますから。)
そうするインテリには、別に何の悪意もありません。有るのは、ただただ、お猿さんに静かにしていただいて、こっちに危害を加えないで下さいという願いだけです。
こういう域まで、インテリが行けたら、そりゃ超人でしょう。
でも、行ける訳ないですしね。自閉的とか天然ボケっていうのは、インテリのそもそもの属性みたいなもので、焼かなきゃ治らないですし。
こういうと、お猿さんの実態を観念的にしか把握してないインテリの人から、差別だの、エリート主義などの批判がとんでくると思うのですが、お猿さんとは、「社員旅行の終了時間を奥さんに詐称し、終了後、徒党をなして風俗店に行かれる」ような人たちで、この世のほとんどは、こんな感じの人ばかりなんですよ。本当にため息しか出ないですがね。
まあ、その程度の意味で、深い意味はありませんので。
ああ、疲れたな、めんどくさい社員旅行。
ぼくは原作たそがれ清兵衛さんが仰るような「お猿さん」と幸か不幸か交流を持ったことがないので、これ以上あまり贅言を重ねることは慎みますが、言葉の真なる意味で「お疲れ様でした」の言葉を原作たそがれ清兵衛さんに送りたい、と思います。
いやあ、それにしても、そういうお疲れのところに、またおれみたいなのがやいのやいの言い立てて……何だか申し訳ない。
実はあの日っていうか、あの連休はシンタとの逢瀬がメインでさ、はやしさん神奈川だってんなら横浜でよかろうってことになって、セッティングしちゃったんだ。
もひとつネタばらしすると、シンタが関西にやって来たときは神戸であのゲリラ教授とも四者面談してるんだよな、これもきっかり8時間半。けいこさん同伴撮影込みで・・・。
で、匿名ゲリラ編の映像が夏前に出来上がるってことなんだ、けいこディレクターによると。乞うご期待ってことで。
で、匿名ゲリラさんの映像、それ見たいねえ。8時間、ずっとカメラ回しっぱなし?
あい(笑)
はやしさん、大阪へ来られた折は、ぜひ撮らせてください♪
これまでずーっとリニア編集で、いまもテープtoテープでオフライン編集してるんだけど、近頃ようやくノンリニアに手を出そうという気になってきました。「匿名ゲリラ篇」はノンリニア初作品です。
で、期限がないと編集終わらないので、このカキコで決めちゃいます。
7月いっぱいで完成させるぞー!
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