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何とはなしにレムが読みたくなったので、何冊か図書館で借りてきました。
Imaginary Magnitude(翻訳) Stanislaw Lem (Harcourt (on Demand), 1985) |
Solaris(翻訳) Stanislaw Lem (Faber and Faber, 2003) |
The Chain of Chance Stanislaw Lem (Northwestern Univ Pr, 2000) |
A Perfect Vacuum(翻訳) Stanislaw Lem (Northwestern Univ Pr, 1999) |
で、これだけじゃあれなんで、1冊目の『虚数』についてツイッタでつぶやいたことを、ここに転載。
というか、つねづね気になっていることがあるんだけど、レムの『虚数』って、誤訳とまでは言わないまでも、ちょっとミスリーディングじゃないですか?
というのも、「虚数」って聞くと、どうしたって「あの」虚数、つまり i で表されるところのものが想起されると思うんですけど、ポーランド語原題 Wielkość urojona はそのように想起される「虚数」には対応しない(いわゆる虚数に対応するのは Liczby urojone)。
『虚数』ポーランド語原題に現れる wielkość は、「数」というよりもどちらかというと「量」と言ったほうが、適当に思われる。(英訳は、ここいらの結構を塩梅してか、ただしくも The Imaginary Maginitude と訳されている)
もちろん、「数」も「量」も同じようなもん、そう堅苦しく考えるなよ、という意見もあろうかと思うけど、ただ、「あの」虚数を指すポーランド語の表現 liczby urojone を避けて、わざわざ Wielkość urojona としてるんだから、何らかの意図はあるはず。
だから、レムの Wielkość urojona 日本語訳題『虚数』は、そうした意図を無視しているがゆえに、あんまりよくない邦題だなあ、と思うのだ。まあ、「虚数」って言葉は、それそのものとしてけっこうキャッチーだから、そういう意味ではいいのかも、だけど。
てなわけです。
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