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ゲーデルは数学に対して実在論的立場を採っていた、つまり、「数学の対象はじっさいに存在する」と考えていたのだけど、ゲーデルはその数学的実在論を主張するにあたって、フッサールの現象学が「使える」と考えていた。1961年に書かれた草稿中で、ゲーデルはつぎのように言う。
現象学とは、われわれに新たな意識状態をもたらしてくれる手続きあるいは技法であって、そうした新たな意識状態において、われわれの思考のうちにある基本概念を詳述し、また、これまで知られていなかったような基本概念を把握するのです。1
詳細は省くが、ゲーデルにとって「数学の対象」とは、「数」や「集合」であるより、まずもって「(数や集合の)概念」であった。そして、そうした概念の「正しさ」がある「直観」によって認識されるとされる。だから、現象学がほんとうにゲーデルが上に言うようなものであれば、ゲーデルの数学的実在論にとって現象学は有用きわまりないものであろう。
残念ながらゲーデルは、現象学がどのように上で言われたような役割を果たすのか、あまり多くは語らない。しかし、現象学のどのような部分を「使おう」としていたのか、ある程度の目測はできる。そして、ゲーデルが「使おう」としていた現象学の「方法」は、『使える現象学』で「使える」と言われているそれとある程度かぶるようにも思われる。
それらのことを念頭におきつつ、『使える現象学』を読んでいきたいと、個人的には思っている。
1 Kurt Gödel Collected Works Volume III, p. 383.
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