エスノメソドロジーって、どうなの？ [本]

いや、「どうなの？」と書いたからといって、「エスノメソドロジー」なるものに一定の理解があり、そのうえで疑義を呈している、ということではまったくなく、たんじゅんに「どんなもんなの？」とちょっと気になっているのであります。

もちろん、ルーマンを読んでたりするんで、そのからみで（というか、ルーマンの師匠のパーソンズがらみで）「エスノメソドロジー」というのはその名前だけは知っていたんですが、「何だかんだ言って、エスノメソドロジーって要はけっきょく会話分析、でしょ？　それで、その流派の人たちが言っていること（社会秩序があるとして、その秩序を生み出している人びとの「決まり＝方法」とは何か）が明らかにされるとも思えんが」とさかしらにも思ってしまい、いままでスルーしていたところ、最近またひょんなことからこのエスノメソドロジー（というか、サックスの会話分析）に再会し、「エスノメソドロジストの人たちのプレスリリースが合ってるかどうかはともかく、会話分析自体はそれとして（かつ、言語哲学的考察の「材料」を与えてくれるものとして）おもしろそうではあるよな」と思い直したのでした。

とりあえず、手近なところで『社会理論百科』や『社会理論ハンドブック』に所収されているエスノメソドロジーの項を読んだんですが、何かやっぱよう分からん、というか、「そんなん、言うだけならいくらでも言えるわ」という感が拭いきれないので、エスノメソドロジーの古典であると思われる以下にそのうち目を通したいな、と。

Studies in Ethnomethodology (Social & Political Theory) Harold Garfinkel (Polity Pr, 1985)

Lectures on Conversation/Volumes I & II in 1 Volume Harvey Sacks (Blackwell Pub, 1995)

まとめ本としては以下がよさそう。

The Classical Roots of Ethnomethodology Richard A. Hilbert (Univ of North Carolina Pr, 2001)