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「年の暮れだからといってそれにかこつけて本なり音楽なりのベストを挙げたりするのはあまり好きではない」と高らかに宣言したわけですが、書籍版もやったんだから「毒食わば皿まで」ということで、誰にも求められていない音盤編をお送りします。
それではまず、今年リリースされた音盤のなかから、再生回数がとびぬけて多かった5枚を。
Let The Blind Lead Those Who Can See But Cannot Feel Atlas Sound (Kranky, 2008) |
これは、ほんとうによく聴いた。「こんなジャンクないやがらせ音楽をガチで素晴らしい言い出す奴は人間としてナンかイヤだな」と言われれば、「まあ、そうかもしれない」と思わないでもないところもないではない(婉曲二乗)んだけど、ぐっときてしまうものはしようがない。
Return to Disruption Grey Daturas (Neurot, 2008) |
前作に比べるとメジャー感が増された音で、おれのなかで「これぞロック!」という感じでもりあがった。聴いていると、ノリノリにならざるを得ない。
Safe and Sound Justus Köhncke (Kompakt, 2008) |
これは、聴きはじめはぱっとしないかもしれないけど、聴いているうちにずぶずぶはまりこんでいってしまうという、そういう類いのアルバム。それにしても最終曲の空虚さは、ゾーヴィーゾーゾーの最後の曲のそれに張る。
Original Darkness Christina Carter (Kranky, 2008) |
最初聴いたときは、「ああ、アシッドフォークね」と軽く見ていたんだけど、けっきょくはヘヴィーローテーション1。「だめなアシッドフォーク」と「よいアシッドフォーク」とは、聴く人が聴いたらどちらも似たようなもんなんだろうけど2、そういう「だめさ」と「よさ」の決定的なちがいを思い知らされる、そんな1枚。
I Love Her Till I Die Xela/Ajilvsga (Digitalis Limited, 2008) |
これは、聴くたびにしみじみよい、と思う(とくに、ゼラの面)。新作はざんねんながらまだ聴けてないけど、それにも期待。
おつぎは、上の5枚には劣るけど、それでも比較的よく聴いた音盤たち5枚。
ディスティネーショントーキョウ にせんねんもんだい (美人レコード, 2008) |
アマゾンのレヴューにノイ!やディス・ヒートの名前が引かれていて、そういう場合はたいてい食わせもの、というか、「どこが!」と思うものが多いのだけど、これはほんと、ノイ!でありディス・ヒートでありその他その他であり……という「おいしいとこ総ざらえ」な1枚だった。聴いていない人は(おれがそうであったような)食わずぎらいをせず、ただちに聴くべき、と思われます。
After Summer Pia Fraus (Clairecords, 2008) |
何と言うか、色んな意味で「時代錯誤」がはなはだしいだろうけど、じじつよく聴いていたのだから、挙げる。
Come into My House No Kids (Tomlab, 2008) |
これはあまり話題になった形跡がないのだけど、シーアンドケイクの新作を聴くぐらいならだんぜんこちらをおすすめ!ってな、緻密に作られたウェルメイド(じゃっかん同語反復気味)ポップ。
Zomes Zomes (Holy Mountain, 2008) |
ディジタリスリミテッドやらステューデンツオヴディケイやらのテープレーベルで局所的に流行っているだけかと思っていた「ぼろぼろに錆ついた音」が、「アマゾンJPを通して手に入る」という程度のメジャーさにまで漕ぎ着けたことを祝して(?)。
Metals Jon Mueller (Table Of The Elements, 2008) |
ドラムだけで「メタル」を感じさせるという、無茶なコンセプトに則りつつ、ほぼそれに成功しているという驚愕の1枚。ジェイソン・カーンとのライヴ盤もかっこよいので、こちらもぜひ。
Vasco Ricardo Villalobos (Perlon, 2008) |
おれが飽きてきたのか、それともたんじゅんに今年は不作だったのか、広い意味での「電子もの」であまりおもしろい音盤に出くわさなかった。そんななか、「これはキてるなあ」と思わされたのが、ヴィラロボスのこれ。別途12インチで出ていた2枚をコンパイルしたもの……なんだけど、そのうちの1曲がFull Sessionと銘打たれて、それが何と30分超。一聴「機能的」、つまりは踊れるかのように思えるけど、ヘッドフォンで聴くと細かな「異音」が随所に散りばめられていて、踊るどころのさわぎではないことがよく分かる。好敵手(?)であるルチアーノ3も、ヴィラロボスに負けずにがんばってほしい(ミックスCD以降あんま目立ったリリースがないし)。
という感じで、極力アマゾンを通じて(ということはつまり、日本でもそれなりに容易に)手に入る音盤を中心に選ぶようにしたけど、今年はそういうレコ・CDよりも、「アメリカにいる」という利を生かして、カセットテープでのリリース作をよく買い、そしてよく聴いていたな。
1 「ヘヴィーローテンション」と誤記していたので、訂正。まあ、意味的には合ってないこともなかったんですが。
2 同じことは、「だめなノイズ」と「よいノイズ」についても言える。
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