気になる論文2セット [論文]

　

■理論とモデルのガロワコネクション
ロウヴィア1969年の論文"Adjointness in Foundations"(Available Online)に、「公理の集合とモデルのクラスのあいだのガロワコネクション」という考えが述べられていて、これがなかなか哲学的に興味深く思えるのだけど、いかんせん「ガロワコネクション」というもの自体があまり哲学畑の人間にはなじみがなく、ゆえに、この方面での研究はあまり進んでいない。そうした状況を打破すべく、Logic Mattersのピーターせんせ（ちなみに、ケンブリッジの彼のオフィシャルページにも、お役立ち情報が満載）が"Crash Course in Galois Connections"とでも言うべきまとめ(PDF)を書いてくれました。このまとめを横目でちらちら見ながら、ロウヴィアの原論文を読むってのは、なかなかたのしそうです。

■様相認識論＝反事実的認識論？
「様相性＝何かが可能である、あるいは必然である」ことの認識は「反事実性＝何かはじっさいにはそうではない」ということの認識を下敷きにしているというTim Williamsonの所論にThoughts, Arguments and RantsのCarrie Jenkinsが噛みつくという、なかなかおもしろそうなやりとり。議論の詳細はまだよく分かってないんですが、先学期ここいらの話題はそれなりに仕込んだので、気になります。