なかなかに粋だな、と思った伏線 [映画]

昨日ひさしぶりに『パルプ・フィクション』を観たのだけど、「タランティーノはやっぱり伏線の張り方がうまいな」と思った（ただ、その「やり口」はあざといと言えば死ぬほどあざとくもあるので、まさやんが彼を蛇蝎のごとく嫌う気持ちも分からないではない）。

たとえば、ヴィンセントがヘロを買いに行って、売人に「バルーンがないからヴィニールでいい？」と聞かれる部分。言うまでもないことかもしれないけど（いや、そんなことないか）、通常ヘロインは伸縮性の富んだ素材の袋に入れられ、コカインはふつうのヴィニール袋に入れられる。しかし、ヴィンセントがヘロを買いに行ったとき、ヘロ用の容れ物であるバルーンはあいにく切れていたので、本来だったらコカインを入れる容れ物であるビニール袋にヘロインが入れられてしまう。そしてこれが、ミアをしてヘロインをコカインとかんちがいせしめ、ヘロインを（無謀にも！）コカインのように鼻から一発キめさせることの伏線になってることは、言うまでもない。

この映画にはほかにも、このような「微妙」かつ「絶妙」な伏線やらネタが詰まっているので、ひまな人はもっと探してみるといいひまつぶしになるのではないかと。