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「あなたの意見には全く賛成できないが、
あなたがその意見を言う権利を私は命をかけてでも守る」。
「この原文ってどんなんなんだろ?」
そう思って調べ始めたあなたは奇妙なことに気付く。
いくつかこのヴォルテールの言のフランス語ヴァージョンは見つかるのだが、そのどれも言い回しが違うのだ。
以下、ちょっと列挙してみよう。
- Je ne suis pas d'accord avec ce que vous dites, mais je ma batterais jusqu'au bout pour que vous aillez le droit de le dire.
- Je ne suis pas d'accord avec ce que vous dites, mais je me battrai pour que vous ayez le droit de le dire.
- Je déteste ce que vous dites, je défendrai jusqu'à la mort votre droit de le dire.
- je déteste ce que vous dites, mais je suis prêt à me faire tuer afin que vous ayez le droit de le dire.
- ……
同じ発言がどうしてこうも違った表現で現れるのだろうか? それに、この言葉を引いているどの文書も、これを単に「ヴォルテールの言葉」としているだけで、ヴォルテールはこれを書いたのか、言ったのか、書いたなら何に、言ったならいつどのようなシチュエーションで、ということを全く明記しない。
これはどういうことなのだろう?
このヴォルテールのものとされる言葉は、『2ちゃんねる宣言』のエピグラフに使われたり、朝日新聞の社説でも引用されたり、それなりに人口に膾炙した言葉だと思うのだけど、実はヴォルテールはこんなこと一言も言っていない、というのも、またそれなりに知られたこと。
それというのもこれ、元々は Stephen G. Tallentyre という人の書いた『ヴォルテールの友人 The Friends of Voltaire 』(1906) に出てくる "I disapprove of what you say but I will defend to the death your right to say it." という英語が原文で、これがフランス語に訳されて流通した、というのが真実らしい(ちなみに、The Friends of Voltaire のこの一説は『んなこと言ってねー:ニセ引用辞典 They Never Said It: A Book of Fake Quotes, Misquotes and Misleading Attributions 』という、えらくおもろそうな本にも載ってるそうです)。
ともあれ、誰が言ったかはともかく、かなりキャッチーでかっこいい言葉であることは間違いないですね。
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