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「要求事項がハードすぎる」とおれを嘆かせてやまないカントゼミで、"Some landmark English commentaries"として挙げられていた書籍群です。
- Norman K. Smith, A Commnetary to Kant's Critique of Pure Reason , Palgrave
- H.J. Paton, Kant's Metaphysic Of Experience , Carpenter
- Lewis W. Beck, A Commentary on Kant's Critique of Practical Reason , Univ. of Chicago
- P.F. Strawson, The Bounds of Sense , Routledge
- Jonathan Bennett, Kant's Analytic , Cambridge
- Jonathan Bennett, Kant's Dialectic , Cambridge
- J.N. Findlay, Kant and the Transcendental Object , Oxford
- Robert Pippin, Kant's Theory of Form , Yale
- Karl Ameriks, Kant's Theory of Mind , Oxford
- Henry E. Allison, Kant's Transcendental Idealism , Yale
- Paul Guyer, Kant and the Claims of Knowledge , Cambridge
SmithとPatonのものは、名実ともに「古典」と言える、純理についてのコメンタリ本。ヴォリューム自体はPaton本のほうがありますが(2巻組で合わせて1,000ページ超)、Smith本のほうがいわゆる「コメンタリ本」と一般的に言われているものに近い構成をしています。ただ、Paton本に関しては今日図書館から借りてきたばかりなので、内容的なことについてはまだよく分かりません(が、Paton本のほうはSmith本よりあとに刊行されたということもあり、Smith本に関する言及が随所にあって、それらの比較考究なんか、タームペーパーのネタにもってこいそうです)。
Beckのコメンタリは、1960年刊行ながらも、いまだに実践理性批判についてのコメンタリとして有効らしいです。以下でふれるBennett以前のコメンタリ本、つまり1981年以前刊行のものに関しては「よほどのことがなければ参照する必要なし」というコメントがシラバスに書いてありましたが、このBeck本はその「参照する必要なし」という枠から外されていたことからも、そのことが伺えます。できれば今日図書館で借りてきたかったんですが、すでにけっこうな量の借り本を抱えていたので、今日はパス。
StrawsonとBennettのものは1960年代を代表するコメンタリ、らしいです。Strawsonのものはやはり、Analyticalな風味がつよい、とのこと。そういった「分析哲学的カント」について興味があるなら、このStrawson本と、以前に紹介したこともあるKörner本は必読、ではないでしょうか。Bennettについては、よく知りません。明日にでも借りてきて検分します。
Findlayからの5冊は、いずれも1981年以降の刊行で、とくにAllisonとGuyerの2冊は、この年代を代表する純理コメンタリ本で、ちょっと必読っぽいです。ぱらぱらと流し読んだ印象で言うと、Guyer本のほうがおもしろそうであります。ここに挙げられているAmeriks本は未見ですが、同じ著者のInterpreting Kant's Critiques はすでに借りていて、そこでは純理に限らず、三批判書を手堅くまとめてくれています。
また、このLandmarksには含まれていませんが、ゼミの必携本であるGuyerのKant(読みやすい、とてもよい本)では、Anthony SavileのKant's Critique of Pure Reason とGeorges DickerのKant's Theory of Knowledge とが2000年に入ってからの純理コメンタリ本として挙げられていました。
これ以外では、伝記物としてKuenhのKant およびCassirerのKant's Life and Thought を、カント事典としてA Kant Dictionary なんかを随時参照しています。
てな感じですが、このようなsencondary literaturesばかり読んでないで、本丸にもっと時間を割くべき、ですね。
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